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闘いつづける経営者たち


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01.「主婦の声」はビジネスになる

日野佳恵子社長が女性の購買行動をとらえた「クチコミュニティ・マーケティング」の手法を開発し、ベンチャー企業のハー・ストーリィを起業したのは、ほぼ四半世紀をさかのぼる1990年8月20日のことだった。
 それ以前、日野さんは広島の広告代理店に勤務、住宅設備やインテリアを担当する広告プランナーだった。折しもバブル経済の絶頂期、株価や地価が天井知らずに上がり、それに浮かれた日本列島は消費経済の楽園と化していた。

情緒的だが正鵠を射ているママ友の口コミ

ハー・ストーリィが創業された1990年、日本はバブル経済の絶頂期でまさに消費経済の楽園だった

ハー・ストーリィが創業された1990年、日本はバブル経済の絶頂期でまさに消費経済の楽園だった

「モノはなんでも作れば売れるという時代で、つぎからつぎへと派手なイベントをやる。それになんの疑問ももたず仕事に明け暮れていましたが、ちょうどそのころ結婚し、妊娠、出産を経験して大きな衝撃を受け、それが私の人生を変える重大なきっかけになったのです」
 妊娠してお腹が大きくなると、料理をする際にまな板が遠くなる。夫のいないとき赤ちゃんをお風呂に入れると、出たとき赤ちゃんに衣類を着せる場所もない。女性の使い勝手がほとんど無視されて住宅設備がつくられていることに気づき、それに憤りすら覚えるほどだった、と日野さんは言う。
 やがて子供が保育園や幼稚園に通うようになると、いわゆるママ友の世界が始まる。あの店のティラミスの味が落ちた、あのスーパーの魚は不味いけれど野菜はいい、豆腐を買うならあの店に限る…。ありとあらゆる生活情報がママ友の世界に口コミで広がっていることを思い知らされる。

その内容は情緒的ながらもいちいち正鵠を射ていて、とりもなおさず大きな影響力がある。この「力」は軽視すべきものではない。広告会社で叩き込まれてきたAIDMAの法則が通じない世界。これをなんとか商品にフィードバックしなければいけない。
 当時の世の中は、いまと違ってモノをつくるうえでのヘゲモニーを圧倒的に男性が握っていた。消費財を販売するスーパーも、その経営幹部は男性ばかりで、何万アイテムもの商品を陳列する売場に女性の感性はほとんど反映されていなかった。
それに疑問に思った日野さん、女性消費者の特性を男性経営者に提示するというビジネスが成り立つのではないか。そう考えて起業に踏み切った。

日野佳恵子 プロフィール(ひの・かえこ)

1962年生まれ。広告代理店勤務を経て1990年に広島市で有限会社ハー・ストーリィを創業。主婦をターゲットとしたマーケティング・コンサルティング事業を立ち上げ、2000年にwebサイトでの会員登録制を実施したことで会員数が急増し、同年、株式会社に組織変更する。会員組織は10万人規模に成長したが、その原動力となったwebアンケートサイトは売却し、現在はSNSに女性視点のコミュニティを複数設け、現在のネット社会に即応したビジネスモデルで女性の購買心理・行動を企業にコンサルティングする。

企業データ

株式会社ハー・ストーリィ

東京都港区六本木5-11-25 鳥居坂アネックス5F
事業概要:コンサルティング
資本金:7960万円
売上高:2億円


掲載日:2014年3月18日


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