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闘いつづける経営者たち


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04.心の時代のモノづくりは

2012年に明治大学専門職大学院ガバナンス研究科に入学した。柳内光子社長は「高校生のころから働き続けてきたので、今の時代の空気の中で若者らと一緒に勉強したかった」という。現状に満足せず、いつでも初心を忘れない精神で臨んだ。「政治や行政についての講義は、今まで自分が歩んできた人生の復習になった。経験を通じて学んできた問題について理論で確認できて有意義だった」と実感を込める。2014年9月に卒業する予定だ。

思いやりこそ日本人の特性

今、柳内社長は社会に何を求めるのか。「これからは心の時代ではないか。戦後は何よりも経済成長を重視してきた。しかし、豊かになった今、お互いに奉仕の精神を発揮する時だ。昨今、社会組織の基本である家族や夫婦の結びつきの希薄さが問題化している。いわば“豊かさのお土産”なのだろう。本来の経済活動は一人で儲ければよいのではなく、地域や社会に積極的に還元する役目を負っている。何事も分かち合い、人を思いやる心こそ日本人の特性だ。こうした心の質の高さを産業に生かしたい」と強調する。
 そのために必要な施策についても持論がある。「中小企業のモノづくりを、国家や大手企業、金融機関の手で育てるという意識をもっと持つべきだ」と柳内社長は説く。「日本の9割は中小企業であり、国内産業を下支えしている。しかし、技術がある中小企業が経営面のノウハウが足りずにつまずくことが少なくない。そうしたピンチを積極的に助け、成長を後押しする制度を整えてほしい。現状は大きな組織がリスクを負わずに儲け主義に走り、経済社会を育てようとしない風潮がある。中小企業のチャレンジが成り立たないようでは、日本の産業に未来はない」と言い切る。

経営の基本はボランティア精神

「経営に理想を持って夢を追い続けることが大切」と柳内社長

「経営に理想を持って夢を追い続けることが大切」と柳内社長

経営者として大切にしていることは一貫している。「企業経営は単なる金儲けではない。社員とその家族を養うこと、国に税金を納めること、どちらもボランティア精神が基本だ。発展を持続している企業は、利益の追求だけではなく、理念を重視している。経営に対する理想を持ち、夢を追いかけ続けることが大切だ。毎日24時間、いつも気を引き締めなくてはならないが、私はそれを常に楽しくやってきた。自分の判断はすべて自分自身に跳ね返ってくる。経営者であればなおさら、何事も人のせいにせず、自らに矢印を向けて考えるべきだ。そして気がついたら、すぐに実行すること。小さな行動を重ねなければ結果は出ない。努力していれば誰かが見ている。成功するまであきらめずに続けることだ」と力を込める。


大切なのは自分が変わること

最後に中小企業の女性トップの草分けとして、働く女性にメッセージを発した。
 「逃げないこと、泣かないこと、頼らないことだ。毎日心を入れ替えて歩き続ければよい。心と身体の健康の秘訣は、一生懸命働くことに尽きる。人を変えようとするのではなく、まず自分から変わることが大切だ。自分が変われば周りも変わる。『なんとかする』の精神で状況に応じて積極的に変化することで道は開ける。女性も男性も一人ひとりが“らしさ”を発揮することで、どんな組織も活性化する」 柳内社長の経営者精神の追求に終わりはない。

柳内光子 プロフィール(やない・みつこ)

1939年東京都生まれ。1959年より生コンクリートの製造を始め、1963年に内山コンクリート工業(現内山アドバンス)、1969年に生コン・建設資材総合商社の山一興産設立を設立。地域密着型の製版一体サービスを確立した。1998年に社会福祉法人豊生会(現江戸川豊生会)を設立して福祉事業に参入し、現在は医療法人社団健勝会、学校法人草苑学園も運営。2004年浦安商工会議所会頭に就任。2007年藍綬褒章を受章。2012年渋沢栄一賞を受賞。

企業データ

山一興産株式会社

千葉県浦安市北栄4-20-10
業種:建設資材販売(生コンクリート、セメント、骨材 他)
資本金:5,000万円
売上高:505億円(2013年度)


掲載日:2014年4月15日


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