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創業者列伝II


シリーズ12:シコー技研【白木 学】
世界最小の超小型モーターのトップメーカー

第2回「知的財産戦略の知恵袋」

白木 学代表取締役社長

白木 学社長

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存在感ある学生時代の「特許研究部」生みの親

社員数100名足らずでありながら、シコー技研の特許保有件数は1000件に及ぶ。現在でも毎月数件ずつ特許を出願しており、「特許の出願実績が技術者の評価基準の1つ」(白木)となっている「特許立社」の会社だ。1947年生まれの白木はまさに団塊の世代。岐阜県のミシン屋の息子だった白木は、子供の頃からラジオを作ったり壊したり、とにかくモノづくりの好きな少年だった。

白木の特許をはじめとする工業所有権に対する関心の深さは大学時代にまで遡る。「発明家になりたい」という白木の夢の裏返しでもあるのだが、大学で設立した「特許研究部」は白木の知的財産に関する基本理念を形作ったこと、さらには技術系の人脈作りにも大きく寄与することになる。

白木によると、特許研究部は3つの研究グループで構成されていた。1つは発明グループ、2つ目が水平思考法などの思考法を勉強するグループ、そして3つ目が工業所有権法といった実務的な法律を勉強するグループ。こうした研究部はその当時、ほかの大学でもブームのように続々と誕生した。学生時代から統率力・組織力に非凡な才能を発揮していた白木は、早稲田、慶応、武蔵工大、明治大学といった大学の特許関連の研究部で構成する「日本学生アイデア連盟」を結成し、高度経済成長時代へ突入した当時の大学生達に対して、発明と特許の普及・啓蒙に大いに貢献した。

白木は、荒井寿光特許庁長官(現東京中小企業投資育成社長)当時、知的財産に関する知恵袋の一人として知的財産戦略立案にも携わった知財の論客として知られる。大学時代の特許の研究活動と研究開発型企業としての実績が高く評価され、白木に助言を求めたのだ。

シコー技研の社名は、独創的に「思考」した製品を開発・製造・販売することで達成した経済的な成果を貢献度に応じて平等に分配する「社是」に由来する。白木はこの「シコー技研」という言葉をいたく気に入り大学3年の時、商標登録したほどだった。

中小企業の優れた特許技術に国から報奨金を

94年に欧米および国内の大手通信機メーカーに認定されて以来、携帯電話のバイブレーターに採用され続けている振動モーター

 94年に欧米および国内の大手通信機メーカーに認定されて以来、携帯電話のバイブレーターに採用され続けている振動モーター

今でこそ日本は国別の特許出願件数では世界でもトップクラスを誇るが、白木はその特許の観点から日本の技術軽視の現状を憂える一人だ。「技術者に対する社会的な評価が低い。野球の選手と同じように技術者にも成果に見合ったそれだけの収入を与えるべきだ」というのが白木の持論。この対策として白木が提言するのが特許料の問題だ。

「特許庁も収入印紙だけ取るのではなく、優秀な特許技術だと思ったら中小企業を対象に年1件や2件、3億円程度の報奨金を提供したらどうかと申し上げているのです」。これがかねてからの白木の提言である。「そうすればこれが励みになって特許申請を目指す人が増えます。中小企業の技術者がすばらしい技術を開発しても、会社自体が3億円の報奨金を用意するのは現実にはたいへん難しいと思います」という白木の言葉には、実体験に裏打ちされた重みを感じさせるものがある。

白木はさらにこう続ける。人材育成というビジネス成長の核、その前提となる理工系の学生離れに歯止めが掛からない原因についても「政治家に理工系出身者が少ないことも一因になっています。その分、技術に対する理解が足りないわけです」と、国を挙げての技術振興の強化を求めている。

学生時代に「シコー技研」の商標登録をするほどだけに、白木が野心的な事業家に思えるが、大学を卒業してから暫くの間は「事業家になる考えはほとんどなかった」と当時を振り返る。(敬称略)

■ プロフィール

白木 学(しらき まなぶ)
1947年10月、静岡県生まれ。59歳。
1969年4月、東京理科大学を卒業後、伴 五紀教授の私設研究所に入り、小型モーターの研究に従事。
1976年7月、シコー技研を設立し、代表取締役社長に就任

■ 会社概要

社名 株式会社シコー技研
設立 1976年7月16日
代表者 白木 学
事業内容 超小型モーターの製造・販売
資本金 14億5,000万円(2005年12月末現在)
連結売上高 65億3,900万円(2006年12月期)
従業員数 約100名(2007年7月末現在)
本社 神奈川県大和市下鶴間3854-1

掲載日:2007年9月10日

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