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起業マニュアル

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起業した後
人材の特長をいかす育て方

目次

人材育成の必要性

 企業を取り巻く環境はめまぐるしく変化しています。企業は社会的ニーズに応え、長く発展していくために、自社を支える人材の能力をアップさせる必要があります。しかし、自分たちの職場を振り返ってみたときに、仕事の仕方は革新されているでしょうか。

 ここ数年の間に、仕事のやり方が何も変わっていないとしたら、環境の変化に対応しきれていない可能性があります。

1.人材育成はなぜ必要か

 環境の変化は激しく、それに応じて会社の体質を強化していく必要があります。
  会社を変えるためには、まず職場が変わらなくてはなりません。職場はそれを構成する人材で成り立っているため、職場を変えるには、個々の人材が変わることが必要となります。会社にとって人材は細胞のようなものです。個々の細胞がその能力を高め、効果的に刺激し合い成長すれば、その集合体である会社も当然発展します。

 ただし、人材育成の必要性が理解できても、実際に効果的な育成方法が実践できなければ意味がありません。まず、会社・職場・育成される個人それぞれにとって、どのような育成方法や教育が必要なのかを考え、計画的に実施する必要があります。

 会社全体を見回して、現在どの部門に勢いがあり、どの部署に問題があるか、といったことを把握・分析し、重点的に注力すべき点を考えたうえで教育計画を立てます。職場においては、上からの方針がきちんと伝わっているか、部署間の風通しは悪くないか、などといった問題の把握に努め、個人に対しては、一人ひとりが能力を十分に発揮できているか、業務を通じて成長できる環境が整っているか、といったことを考え、どのような教育・育成方法が適切であるかを見極めていかなくてはなりません。

 人材育成は、企業育成を支えるものです。企業を取り巻く環境の変化や自社の強み・弱みを分析し、会社・職場・個人それぞれにとってどのような教育が必要なのかを把握し、実践していくことが求められます。

2.ニーズに合った育成を

 企業を支える人材は、正社員・パート・アルバイトといった雇用形態、社歴や社会人経験・年齢・性別など、さまざまな面において異なります。また、職場や担当業務によって必要とされる知識や技能・意識も異なります。このように、多種多様な人材を多種多様な「必要とする戦力となる方向」に導くためには、それぞれに適した育成方法を考えていかなくてはなりません。

 たとえば、全社員を集めて「社会人としての基本マナー」に関する研修を行なっても、新入社員以外にはとくに新たに得るものはありません。

対象者に適した育成方法を考える

 人材育成は、会社を支える戦力の向上につながる大変重要なものですが、時間や労力、さらに費用もかかるものです。対象者別に適切な方法で、適切な能力アップをめざした教育を、効率よく行わなくてはなりません。

  • 人材を育成するときには、
  • 対象者を十分に把握し
  • 彼らのニーズを理解し

 会社側としては、どのような能力をつけてほしいのか、どのような人材となってほしいのかといったことを明確にしたうえで、人材ごとに適切な育成方法を実施していくことが重要です。

 ここでは、人材ごとにどのような育成方法が効果的か、どのような教育が必要かといったことについてみていくことにしましょう。

1.若い社員はどのように育てるか

 新入社員や若手社員を育成するときには、会社側も、職場の先輩たちも、まず「即戦力として貢献できる人材に育てよう」と期待し、頭を悩ませることでしょう。若い人材に教えるべきことは、社会人としての基本的なマナーから、会社独自の慣習、業務の進め方、職務に必要な知識や技能など、数え上げればきりがありません。しかしながら、いくら教えたいことが山ほどあったとしても、それを受け入れる側のキャパシティも考える必要があります。

 一足飛びに何もかもをと望んではいけません。まず、どのような人材になってほしいのかを教育する側が明確にし、その目標に対して適正な能力アップを図ることが大切です。
  若者は、エネルギッシュで意欲にあふれているものですが、概して視野が狭いところがあります。これは経験不足に起因するところが大きく、自分という小さな世界で得られた情報だけで物事を判断する人が少なくありません。そうした若者は、会社や業務もその狭い視野でとらえがちです。

 こうした若者に必要な教育は、「職場で社会人として自立させる」教育です。基本的なルールについては新入社員研修などで教えるものですが、さらにその必要性や遵守することの大切さを重ねて教育します。そして、それに加え、つねに社会人としてあるべき常識を説き、会社の存在理由やその使命を理解させ、組織の一員としての自覚をもたせます。
  このように、若い社員にまず教えなければならないことには、

  • 個人ではなく、会社組織の一員としての広い視野をもつこと
  • 会社の経営理念の達成のための一員であるということを自覚させること
  • 会社が自分に期待する能力などについての理解とそのための自己啓発を行うこと

などがあげられます。

2.中堅の社員はどのように育てるか

 社員も中堅クラスになると、組織における位置づけも明確になり、仕事も問題なくこなせるようになっている一方で、仕事や職場に対する"慣れ"から、モラールが低下しがちです。しかし、中堅社員というと、会社にもっとも貢献し活躍してもらわなければならない重要な戦力です。仕事の緊張感の薄れがちなこの時期は、仕事に取り組む基本的姿勢の再確認のための教育を考える必要があります。

 中堅社員教育の場合、社会の変化、会社・職場の変化に対応していこうとする人材と、順応できずにあきらめかけている人材とを見極め、できるだけ多くの前向きな人材を育てていくことが重要になります。

 モラールが低下することなくこの時期を乗り越えた人材は、次には「何かライフワークを見つけなくては」とか「何か特殊技能を身につけたい」などといった意欲がわいてくるものです。この機会を逃さずに、会社として戦力強化を図りましょう。

 方法としては、まずスペシャリストとしての道をみいだすか、ゼネラリストとして組織の中枢に上っていく道をめざすのかといった方向性を示すことになるでしょう。個人のキャリアプラン・ライフプランとのすり合わせを行い、必要とされる知識や技能、意識などを向上させるためのポイントを絞った教育を検討するのです。人材の高度化が進む今日では、人生の方向を決める時期も早期化し、早くから能力を磨き、適性をみいだす必要が生じています。しかし、時期が早ければ早いほど、自己の能力や志向を見極めきれない人材が多くなるため、会社側が各自の進むべき道をガイドしていかなくてはならないのです。

 なお、この時期の研修は、上司や先輩、講師などの実際の経験に基づいた内容であることが望まれます。若手社員を対象とするような基本的な概念を教えても、心を動かすことはできないからです。

3.女性はどのように育てるか

 女性の社会進出があたりまえとなった今、ほとんどの会社では「女性だから」といった特別視はなくなっています。仕事の能力ややる気は社員個々の問題であり、男女において差があるものではないとの認識が高まっています。

 しかし、それでも女性社員のなかには、「女性であるがゆえに冷遇されている」と感じる人がいるかもしれません。そのため「会社は女性を一切特別視しない」という姿勢をはっきりと社員に示すことが大切になります。

 また、万一現在においても、女性を冷遇するような人事制度や社風が残っている会社があるとすれば、会社として貴重な経営資源である「社員」を十分に活用しきれていない、つまり「非効率な経営をしている」ということになります。当然「男女雇用機会均等法」などの法律違反にもなります。法律遵守は当然として、効率的な経営のために男女の差なく、社員は有効活用する必要があります。

 なお、女性を特別視しないとはいえ、出産や育児といった性による負担については十分な配慮をする必要があります。

4.パート・アルバイトはどのように育てるか

 パート・アルバイトに対しても、計画的な教育が必要です。彼らのなかには社員と変わらぬ業務をこなし、責任を負う人材も少なくありません。こうした状況から、社員の戦力を補って余りある良質のパート・アルバイトを着実に確保し育てていくことは、いまや企業の将来をも左右する重要な課題です。活用が広がり期待度が高まるなか、その教育問題は社員同様に考えていかなくてはなりません。

 パート・アルバイトがこのような雇用形態を選ぶ理由としては、「勤務日や勤務時間を自分の都合に合わせることができる」「家事・育児などの家庭の都合のためフルタイムで働けない」などがあります。つまり、勤務形態が異なっても働くことに対する意欲が正社員に劣るとは限らないので、効果的に活用すれば大きな戦力となる可能性があります。
  教育方法としては、やはり現場でその都度指導していくことが中心となりますが、正社員と同様に入社時点で行う研修も欠かせません。企業理念や方針をきちんと伝え、組織の一員としての自覚をもたせると、活用の幅が広がり本人の意欲や責任感を高めることにもなります。

 またパート・アルバイトに対しては、長期的視野に立った教育はしにくいため、

  「あなたの業務・能力では、当面はこれだけのことを習得してもらえれば十分です」
  というように担当業務・習得範囲を限定し、チャレンジしやすくすることも大切です。

 短期間で辞めていくことを予想し、学習期間を短縮して能力発揮の機会をより多く設けるなど、状況に合った教育プログラムが求められます。そして成長の度合いに応じて少しずつ要求水準を上げていきます。

 また、優秀なパート・アルバイトが家庭の事情が変化しフルタイムで働けるようになったときには正社員登用の道を開くといった人事制度も有効です。

5.管理者はどのように育てるか

 管理者の能力は、その人材が管理する職場全体の業務に影響します。どんなに高度な専門知識や技能を有していても、マネジメント能力が欠如していては、管理者としては失格です。そのため管理者教育としては、まず管理者候補研修・管理者登用のための評価研修といった教育を行うことが必要です。これは、それまで部下として働いてきた人材がいきなり管理者になったのだからといわれても、管理者として適切な態度をとり十分な成果をあげることは困難だからです。そこで、

  実際に管理職になる前に、
  失敗も許され経験を積むことのできるリーダーシップ訓練の場が必要

なのです。

 組織の一部門として業績や目標達成といった厳しい責任を負わない段階にあるうちに、リーダーシップとは何かを学ばせる基本的な研修と、リーダーシップを発揮できる練習の場を与えるのです。

 管理者は、十分な予備知識や訓練もなくいきなり新しい役職を拝命することが少なくありません。しかし、初めて部下をもつような場合、新任管理者は期待に応えたい一心で、責任の重圧に押しつぶされてしまうことがあります。可能性のある人材によけいなストレスをかけることは、企業としても大きな損失です。また、そうした管理者を放置することは、その下で指導・教育されることになる部下にも悪影響を及ぼします。

 そしてこれらの訓練を経て、実際に管理者になった者には、自分が管理者として部門業績達成や部下育成などで十分な責任を全うしているかについて、つねに考えさせることが重要です。

 さらに管理者は社長とともに会社全体を引っ張っていく経営幹部ですから、自社の経営理念などについても高いレベルで理解してもらう必要があります。そのためには常日頃からの社長自らによる指導も不可欠でしょう。

最終内容確認 2013年10月

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