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起業マニュアル

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起業した後
社内規定の整備:旅費交通費支給規程

目次

旅費交通費について

 旅費交通費とは、従業員等が出張する際に要した宿泊費等の旅費や日当、移動のための交通費等を言います。旅費交通費は、会社の経費となるため、出張を命じた場合は、領収書等の記録を保管し、「旅費交通費支給規程」などを整備し、規程に基づいた支給をすることが大切です。

旅費交通費支給規程に記載すること

 規程には、以下のような内容を記載しておくと良いでしょう。

  • 出張の定義
  • 出張中の勤務時間の取り扱い
  • 旅費の種類
  • 日当、宿泊費等の金額
  • 交通費の計算方法および上限額
  • 出張予定の変更や、出張中の事故について
  • 旅費の精算方法、領収証の提出 等

 また、国内出張だけでなく、海外出張や転勤・赴任旅費等、性質の異なる出張旅費ごとに、別途規程を作成することも可能です。本マニュアルでは、中小企業で頻度が高いと思われる国内出張旅費を中心にご説明します。

旅費交通費支給規程作成のポイント

1.出張の定義

 どのような場合に旅費の支給対象とするのかを具体的に決めておく必要があります。そのためには「出張」とは何かを、具体的に定義しておくことが重要です。一般に、宿泊を必要とする出張、もしくは片道100km~200km以上の移動を伴う日帰り出張を「出張」として取り扱う企業が多いようです。なお、「片道100~200km未満の場所に外出する場合は、単なる外出として交通費実費を支給し、日当は支払わない」とする場合には、その旨も記載しておきます。

・出張の定義の規定例(巻末参照)

2.出張中の勤務時間の取り扱い

 出張中は、勤務時間を算定することが難しいため、「出張中の勤務時間は、就業規則第○条の定めにより、所定労働時間勤務したものとみなす」と規定することが一般的です。なお、業務の性質上、所定労働時間のみでは業務を達成することが困難な場合には、別段の取り決めをしておきましょう。

・勤務時間の取り扱いの規定例(巻末参照)

3.旅費の種類

 規定の「出張」に該当した場合、どのような旅費が支給されるのかを規定します。以下は、支給対象となる旅費の種類の一例です。

  • 日当
  • 交通費(航空機、電車、バス、タクシー、レンタカー料金等の実費)
  • 宿泊料
  • 支度料(出張が長期にわたる場合など)
  • 渡航手続費等(海外出張の場合など)
  • 通信費(業務上の利用に限る)

4.日当、宿泊費等の金額

 日当の金額について決まりはありませんが、あまりに高額である場合は、経費として認められない場合がありますので注意しましょう。

 一般社員の国内出張旅費としては、1日当たり2,000円~3,000円、海外出張であれば、5,000円~10,000円が相場です。なお、規定により、役職者には一般社員と比較して高い金額を設定することもできます。また、長期滞在となる出張については、「同一地の滞在が著しく長期にわたることを予定する場合は、日当を支給せず、転勤に準じて取り扱う。」と規定しておくと、日当が想定外に高額となるのを防ぐことができます。

5.交通費の計算方法および上限額

 出張に伴う交通費は、「最も経済的な通常の順路および方法」により計算されるのが通常です。その際、新幹線や航空機利用の可否、グリーン車やビジネスクラス使用の可否なども、出張距離や役職ごとに一覧表などにまとめておきます。

6.出張予定の変更や、出張中の事故について

 万一、出張中に事故にあった場合の対応なども定めておくと、いざという時も落ち着いて対応できます。不慮の事故や地震等の災害により、やむを得ず日程変更し滞在を延長することとなった場合の日当の取り扱いや、宿泊費支給の有無などについても事前に規定しておきます。また、海外出張の際に会社を受取人とした傷害保険、疾病保険、生命保険等に加入することも、予め記載しておいた方が良いでしょう。

・出張中の事故、災害に関する規定例(巻末参照)

7.旅費の精算方法、領収証の提出

 出張終了後は、1~2週間以内に「出張精算書」等を本人に提出させ、会社の経理担当者はこれを管理・保存します。出張精算書には、「出張日時」「目的地」「訪問先や相手方の氏名」「業務の内容」などを記載し、宿泊費や交通費の領収証を貼付しておくと良いでしょう。

(ご参考)旅費交通費支給の規程例

・出張の定義の規程例
第○条(出張)
 この規則における出張とは、原則として宿泊を必要とする出張、および片道○○○km以上の移動を伴う日帰り出張を言う。ただし、会社が必要と認めた場合には、片道○○○kmに満たない場合であっても、出張として取り扱う場合がある。
2.片道○○○km未満の場所に日帰りで外出する場合は、交通費実費を支給することとし、日当は支払わないものとする。
3.この規則における距離計算は、原則として所属勤務地を始点として計算する。

・勤務時間の取り扱いの規定例
第○条(出張中の勤務時間)
 出張中の勤務時間は、就業規則第○条の定めにより、所定労働時間勤務したものとみなす。ただし、所定労働時間のみでは業務の遂行が困難と会社が認めるときは、この限りでない。

・出張中の事故、災害に関する規定例
第○条(出張予定の変更)
 出張中において、予定していた経路または日程を変更する事態が生じた場合は、直ちに所属長へ連絡し、承認を得なければならない。
第○条(出張中の事故、災害)
 出張中の者が、負傷、疾病、もしくは災害等により、やむを得ず予定された日程を超えて滞在することとなった場合は、原則としてその後の日当は支給しない。
2.前項の場合において、会社が必要と認めた場合に限り、宿泊費は支給するものとする。なお、宿泊費の申請の際は、医師の診断書等、事実を証明できる書類を添付しなければならない。

※海外出張の場合
第○条(傷害保険)
 出張者に対して、会社を保険金受取人とする海外旅行傷害保険を付保する。なお、疾病部分については、出張予定期間が○カ月以上の出張者に限り付保するものとする。

(執筆・監修:特定社会保険労務士 岩野 麻子)

最終内容確認 2013年10月

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