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起業マニュアル

起業を思い立ったその瞬間から、実際の起業準備そして開業まで。
起業を目指す人のこんなときどうする?に応えます。
準備をしよう(実践編)
小売業の仕入ポイント

目次

仕入情報の収集ポイント

 かつてメーカーの力が強かった時代には「メーカーの販売代理業」と言われた小売業も、買い手市場の現代では「消費者の購買代理業」となっています。この言葉は顧客ニーズをとらえた品揃えの必要性を示す重要な言葉といえます。
ここでは、顧客ニーズに合った適切な品揃えを行なううえで必要な情報収集のポイントについてご紹介します。

内部から得られる情報

□販売データの活用
 POSシステムを導入する店舗が増えていますが、せっかく収集した販売データを十分に活用できていないケースも少なくないようです。
 どの商品が、いつ・どれだけ・いくらで売れたのかといったことに加え、それはなぜかという点まで考えて分析してこそ、データが活きてくるのです。

□顧客要求伝票の活用
 販売データだけでは、機会ロスがあった(顧客の要求した商品がなく販売機会を逃がしてしまった)場合については把握することができません。こうした欠陥を補うためには、顧客要求伝票を活用します。顧客要求伝票は、在庫のない商品に対して顧客の要求があった場合に発生するもので、品切れの場合と、商品を取り扱っていない場合が考えられます。品切れの場合は発注タイミングや発注量を検討することが必要ですし、取り扱っていなかった場合は今後の取り扱いについて検討してみることが求められます。

□販売員からの情報収集
 販売員から得られる情報は、顧客との会話や顧客の動きから把握した情報ですので、定量的なものよりも定性的な情報が多くなります。販売データだけでは読み取れない内容も、販売員とコミュニケーションを密にすることで得られる場合があるのです。

外部から得られる情報

□卸売業者からの情報収集
 卸売業者は、製造者の情報やほかの小売店の情報など、幅広い情報をもっているはずです。売れ筋商品や死に筋商品についての情報や、新商品の情報を確実に収集できる関係を保ちましょう。

□顧客からの情報収集
 商品を購入してくれる顧客と直接コミュニケーションをもつことも重要な情報収集策の一つです。販売員経由で情報が入ってくる場合も、ときには経営者自身が売り場に出て顧客の生の声に接することで、仕入のヒントを得ることができます。時期を決めて定期的に顧客アンケートを行なっている店もあるようです。

□業界誌からの情報収集
 取り扱っている商品に関する業界新聞や専門誌がある場合には、購入してみてはいかがでしょうか。品揃えの参考になるだけでなく、商品知識も高まります。

□インターネットの活用
 ネットショップの売れ筋ランキング、メーカーの新商品情報、顧客の嗜好などの商品仕入のポイントとなるさまざまな情報がインターネット上では公開されています。時間とコストをかけずに行うことができる情報収集策です。

仕入先の選択ポイント

 小規模な小売店であっても、仕入先を1社に絞っているという店は少ないはずです。
ここでは、新規に仕入先を探す場合や複数取引のある仕入先の中から、主要な取引先を検討するためのポイントをご紹介します。

仕入先の商品レベル

 まず、
 仕入先の供給してくれる商品が自店の顧客ニーズに合致しているかどうかを検討する

ことが必要です。
 商品の機能性・耐久性・安全性といった基本的な品質に加えて、デザインやスタイル・ブランド・色柄といった面からも検討しましょう。また、扱っている商品の価格帯も重要なチェックポイントです。

仕入の取引条件

□価格条件
無理な値引き要求は論外ですが、数量割引・季節割引・現金割引などの各種割引条件は重要なポイントです。

□支払い条件
 現金払いなのか、掛け仕入ができるのか、手形の場合の期間はどれくらいなのかといった点を確認します。

□納品条件
 安定供給が受けられることはもちろんですが、納品までの期間や輸送手段・運賃負担・梱包状態・納品場所について、どこまで希望に応じてくれるのかを確認します。

□返品条件など
 買い手の有利な立場を利用して商品自体に不具合がないものを返品するのは問題ですが、不良品や損傷のある商品についての返品条件はきちんと確認しておきます。
 また、仕入は買い取り方式が一般的ですが、小売業者が商品の所有権をもたず、販売に応じて手数料を受け取る委託方式もあります。この場合、返品は生じませんが、商品の適切な管理義務、売れ残った商品の回収方法などについて確認しておく必要があるでしょう。

仕入先のリテールサポート力

□情報提供力
 前章でも触れていますが、卸売業者の情報力は幅広いものです。商品に関する情報以外に競合店などに関する情報提供力も、仕入先を選定する際の判断材料です。

□商品に関する提案活動
 品揃えや商品の陳列・演出・販売促進まで相談に乗ってくれる卸売業者も少なくありません。自店にとって有効な提案を行なってくれるかどうかは大きなポイントです。

仕入先の信頼度

 取引前には、先方の企業体質・財務体質についての信用調査を行うことが必要です。また、取引が始まれば、 納品の正確さなどの約束の履行状況を厳しくチェックする ようにしましょう。

 ほかにも、仕入価格は他店と比べ高くないか、日付の古い商品が混入していないか、欠品が多くないか、売れ筋や新商品の納品スピードは速いかなどのチェックポイントがあります。

仕入の効率化ポイント

大量仕入の実行

 大量仕入のメリットとしては、

  • 数量割引の適用が受けられる
  • 発注費用を削減できる
  • 品切れを起こしにくい

などがあげられます。

 しかし、一方で、

  • 保管費用の増加
  • 商品回転率の低下
  • 需要の変化によるリスク増加

といったマイナス面もありますので、商品の性格をよく考えて行なう必要があります。

計画的な仕入の実行

 大量仕入ができない商品では、当用仕入を行うことになりますが、この場合でも発注から納品までのリードタイムを考えたうえで、

 必要な時期と量を予測し、無理な発注や無駄な発注を避ける

 ことが必要です。こうした計画的な仕入の実行により、品切れによる機会ロスを防いだり、発注コストを削減したりすることができます。

共同仕入の実行

 共同仕入とは、同種の商品を扱う小売店が提携して共同で仕入を行うというものです。中小の小売店でも、

  • 数量割引の適用を受けやすくなる
  • 各店の情報を総合できる
  • 仕入交渉力が高まる

といったメリットがあります。
 ただし、小売店同士の規模の差から不合理が起きたり、人間関係にあつれきが生じやすいという問題点もあります。

仕入の集中化

 安定した仕入をするため、または独占の弊害を避けるために、複数の仕入先を確保しておくことは必要ですが、むやみに取引先を広げても深いつきあいがしにくくなります。

 取引先を絞り込むことで取引条件を有利にする

ことができないか交渉してみましょう。

情実仕入の排除

 「昔からのつきあいがあるから」「父の代からの取引があるから」「年1回の招待旅行が楽しみで」といった本来の仕入の基準とは言えない理由で仕入先を選定しているケースもあるようです。しかし、

 こうした情実仕入が仕入の効率化を妨げる大きな原因

であることを忘れてはなりません。
 古いつきあいを大事にすることも必要ですが、現在の厳しい経営環境を考えると小売店の存続に関わる問題とも言えるだけに、正しい意思決定が求められます。

最終内容確認 2013年10月

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