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起業マニュアル

起業を思い立ったその瞬間から、実際の起業準備そして開業まで。
起業を目指す人のこんなときどうする?に応えます。
準備をしよう(実践編)
設立手順~株式会社

目次

会社とはどのようなものか

なぜ会社を設立するのですか?
 法人格を取得するためです。

なぜ法人格を取得する必要があるのですか?
 これからしようとしている営業の目的に沿って、独自に動ける個人とは別の存在として法的に認めてもらうことができるからです。

 法人という言葉はよく耳にしますが、これに対する言葉(用語)は自然人です。自然人とは私たちのことで、法的に独自の存在です。 しかし、個人が営業をする場合、自分の家計上の収支やレジャーなどの支出と営業上の収支は別のものとしておかないと自分もややこしくなりますし、営業上の取引相手も不安です。 営業をする以上、営業目的に沿った独自の法的存在が必要なわけです。

法人格を取得するメリットはなんでしょうか?
 法人格は法務局の商業登記簿に登記されないと認められませんが、一旦法人格を取得すると、営業関係の主体はすべて法人(A社)となり、契約もA社がすることになります。そうすることによって営業関係(=取引関係)が内外スッキリとしたものとなります。

会社にはどのような種類がありますか?
 出資する人のつながりの強さや出資(お金の集め方)によって、合名会社、合資会社、株式会社と合同会社があります。

 合名会社は、非常につながりの強い人たちが自分たちだけの出資で会社を作り、会社の業務執行者(役員)となり、債権者(主に取引相手)に対して無限責任(会社が支払えない場合は出資者個人が個人財産で支払うという責任)を負うのが合名会社です。

 合資会社は、合名会社と同じく非常につながりの強い人たちが自分たちだけの出資で会社を作り、会社の業務執行者(役員)となりますが、無限責任社員(ここでいう社員とは、一般の「社員」という言葉とは違い、構成員=出資者のことで、会社の構成員の身分を表す言葉です。)と有限責任社員(個人資産で責任を負うことのない社員のことです。「出資の限度で責任を負担する。」という言い方をします。)とで構成する会社です。

 株式会社は、当初の出資者のほか、一般からも出資を募ることを建前とする会社です。そのため、出資は株式という単位をとり、出資者は○○株の株主となるというかたちをとります(社員の身分が株式という単位で表される。)。

 したがって出資者は、会社が潰れても自分の持っている株式分を損するだけで、それ以上の責任を負わない有限責任社員だけで構成することになります。また多数の会社所有者(出資者)を想定していますので、業務執行は出資者が選んだ人があたることになります(所有と経営の分離)。

 平成18年会社法の施行によって、合同会社が新たに設けられました。

 合同会社は、合名会社や合資会社と同じように、限られた出資者で構成されます。出資者は全員会社の業務執行者(役員)となりますが、全員有限責任社員となります。
 合名会社、合資会社、合同会社のことを人的会社といい、株式会社のことを物的会社といいます。会社法は有限責任の人的会社を作ったわけです。

  なお、実際の手続きを進める際には、細かな運用など所轄官庁や専門家へご相談ください。

会社法による株式会社の要件緩和

 以前は商法第2編「会社」と有限会社法のところで、各種会社の規定がおかれていましたが、平成17年に大改正があり、会社法が成立して会社関係はすべてこの法律によって規定されるようになりました。また有限会社法は廃止されました。

 まずは会社法の施行(平成18年5月1日から)によって、株式会社の設立要件がどのように変わったのかを整理しておきましょう。

■会社法による株式会社設立の要件緩和

施行前 施行後
資本金 出資金(株式)
1000万円以上
最低資本金規制撤廃
払込保管証明 金融機関の証明書が必要 発起設立の場合、残高証明で可
商業登記 類似商号調査が必要 類似商号調査が不要
取締役 3名以上 1名以上
取締役任期 2年 最長10年
監査役 必ず必要 必ずしも必要ではない
監査役任期 4年 最長10年
取締役会 必ず必要 必ずしも必要ではない

株式会社設立の手順

 株式会社の設立は以下の流れで行います。なお、この流れは株式の全部を発起人が現金で引き受ける「現金出資による発起設立」を想定しています。 このほかにも発起人以外にも出資を募る「募集設立」や「金銭以外の現物出資も含む設立」もありますが、この場合は下記よりも若干複雑な流れとなります。

■株式会社設立の流れ

株式会社設立の流れ

 以下、この流れに沿って説明します。

(1)発起人の決定

 発起人は、会社設立までの様々な手続きをすすめていく中心的人物です。人数は1名以上いればよく、上限はありません。定款に署名し、 1株以上の出資が必要となります。 基本的には代表取締役就任予定者が務めるのが普通でしょう。

(2)基本事項の決定

 会社の目的、社名、事業内容、本店所在地、資本金の額、役員構成、決算期などの会社の基本的な事項を決定します。 ここで決定されたことが次に作成する定款の土台となります。

(3)定款の作成

 定款とは、会社の憲法とも呼べるもので、会社の活動はすべてこの定款にもとづいて行われます。 定款には、記載しなければ定款自体が無効となってしまうという意味で記載する必要のある「絶対的記載事項」と、会社法に一応の定めがあるが、定款に記載することによってこれと異なる定めをすることのできる「相対的記載事項」、および「絶対的記載事項」「相対的記載事項」以外で会社法に違反しない定めのできる 「任意的記載事項」があります。絶対的記載事項の項目がひとつでも抜けていたり、違法であれば、定款そのものが無効となります。絶対的記載事項は以下の通りです。

・目的
 何の事業を行うのかという会社の目的をまず定める必要があります。なお、目的の書き方(表現の仕方)には一定のルールがあります。たとえば「情報サービス」といった抽象的な表現は認められません。必ず「コンピュータのソフトウェア開発」といった具合に業種を限定することが必要です。 また、会社は定款で定めた事業以外を行うことができません。そこで前述の例のような場合、下記のような記述にして業務の範囲を広げておくのが一般的です。

 例:コンピューターのソフトウェア開発
 前号に付帯する一切の業務

・商号
 商号とは会社のネーミングです。商号の付け方にも、株式会社という文字を社名の前か後に入れることといった一定のルールがあります。 前掲の「目的」の表現の仕方とあわせて、登記所の担当者と事前に相談しておいたほうがいいでしょう。

・本店の所在地
 本店所在地としては、最小行政区画(市区町村)までの記載で構いません。(たとえば「東京都新宿区」など)

・設立に際して出資される財産の価額またはその最低額
 会社法施行前は「会社の設立に際して発行する株式の総数」という絶対的記載事項がありましたが、これが「設立に際して出資される価額又はその最低額」に変更されました。これは、設立時に出資される額と設立に際して発行する株式総数は実際には関連性がないので、 設立時の発行株式数を定めるより設立時の出資額を直接定めたほうがわかりやすいという理由によるものです。

・発起人の氏名または名称及び住所
 発起人の氏名または名称と住所を記載します。代表取締役に就任予定の者が発起人になるのが普通です。

 なお、会社法施行前に絶対的記載事項であった、「会社が発行する株式の総数(授権株式数)」、「公告の方法」は絶対的記載事項からはずれています。 「会社が発行する株式の総数(授権株式数)」については、会社法では、定款作成後に発起人全員の同意によって株式の割当方法を定めることを認めていることから、授権株式数についても、当初の定款に記載せずに、株式引受後設立前に発起人全員の同意(発起設立の場合)、または創立総会の決議(募集設立の場合)により、定めることもできるとされています。 「公告の方法」については任意的記載事項になったので、定款に記載するかどうかは自由ですが、その定めがない場合は官報による公告となります。

(4)定款の認証

 定款の記載事項に間違いはないか、法令の強行規定や公序良俗、会社の基本原則に違反しないかなどをチェックし、間違いのない定款であることを公証してもらう必要があります。これが公証人による定款の認証です。

 公証人とは、法務大臣に任命された公証人役場に所属する公務員です。公証人は、法律事務の専門家であり、定款の認証はその役割のひとつです。 公証人役場は、設立登記を受ける法務局や地方法務局の管内に数箇所ありますので、その管内(区域内)であればよいことになっています。 なお、定款の認証にあたっては、全発起人の印鑑証明書が必要です。また収入印紙代4万円と、公証人手数料5万円が必要になります。

(5)出資金の払い込み

 発起人は引き受けた株数に相当する金額を、銀行などの金融機関に払い込みます。入金を確認した金融機関は株式払込金保管証明書を発行してくれます。 募集設立の場合は、登記申請の際にはこの証明書が必要になりますが、発起設立の場合は、証明書は不要であり、残高証明書で払い込みの証明ができます。 出資金を払いこむ際には、払込取扱金融機関に次の書類を提出することが必要です。

  • 認証済みの定款のコピー
  • 発起人全員の印鑑証明書
  • 株式払込事務取扱委託書(金融機関にあります)
  • 株式引受人名簿
  • 発起人規約(発起人会議事録または発起人決定書)

 申請にあたっては株式払込事務取扱委託手数料(手数料は各金融機関で異なるが出資金の0.25%程度)が必要になります。

(6)取締役・監査役の調査

 出資金の払い込みが実際にあったか否かを取締役、監査役が調査します。なお調査報告書は登記申請の際に必要になります。

(7)設立時取締役会の開催

 この取締役会で必ず決議すべき事項は以下の通りです。

  • 代表取締役の選出
  • 本店の所在地の町名・地番の決定(定款で最小行政区画の場合)

 なお、設立時取締役会開催後、速やかに決定事項を記載した議事録を作成します。

(8)設立登記申請

 設立登記は取締役会で選出された代表取締役が、本店所在地を管轄する登記所に申請します。 申請は原則として取締役・監査役の調査から2週間以内に行います。設立登記に必要になるのは以下の書類です。

  • 設立登記申請書
  • 定款(謄本)
  • 登録免許税納付台紙
  • 払込金の残高証明書(募集設立の場合は株式払込金保管証明書)
  • 取締役・監査役の選任決議書
  • 取締役・監査役の就任承諾書
  • 取締役・監査役の調査報告書
  • 取締役会議事録
  • 取締役の印鑑証明書
  • 会社を代表する取締役の印鑑届書
  • OCR用申請用紙または登記用紙と同一の用紙(最近ではOCR用申請用紙を使うほうが一般的です)



(9)諸官庁への届出

 登記の完了をもって会社の設立となりますが、その後ただちに税務署などへ提出すべき書類があります。別紙の表に提出が必要な主な書類をまとめました。なお、すべての必要書類を明記することはできません。 業種などによっても必要な書類は異なる場合がありますので詳細に関しては、直接、各官庁へお問い合わせください。

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最終内容確認 2014年3月

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