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起業マニュアル

起業を思い立ったその瞬間から、実際の起業準備そして開業まで。
起業を目指す人のこんなときどうする?に応えます。
準備をしよう(実践編)
利用価値の高い土地の選び方

目次

多様化する取引形態

一般的な土地取引の留意点

 市場に流通している土地を購入するのが一般的な土地取引です。まずは、その土地周辺の売り物件についての情報を収集することから始めます。不動産広告をより多く見ることで相場観がわかるようになりますが、広告に記載されている価格はあくまで不動産の売主の希望売却価格であることが多いので注意してください。取引実績の多い不動産仲介業者から、実際の取引相場についての情報を収集してください。

 不動産広告には、宅地建物取引業法(以下、宅建業法)や不当景品類および不当表示防止法によって誇大広告などの不当表示が厳しく規制されています。業界の自主ルールである公正競争規約にもさまざまなルールがあります。広告を見るときは次のポイントに注意してください。

1.土地の用途の確認
 たとえば、登記されている地目が現況と異なるときは「地目/山林(現況宅地)」などと表示されます。田や池沼を造成した土地などは、数年かけて地盤が固まるのを待つ必要があり、農地法の転用許可を受けているのかどうか調べる必要があります。

2.権利関係の確認
 借地権が設定されている場合があります。借地権(普通借地権、定期借地権)の種類や地代、借地権の存続期間などを詳細を確認しましょう。

3.その他の確認すべき事項
 都市計画法に基づく用途地域、建築基準法に基づく建ぺい率・容積率、購入の際に利用できる融資条件、建築条件付き土地でないか、都市計画法や建築基準法、宅地造成等規制法により土地の利用が制限されていないか等、購入前に確認すべきポイントはたくさんあります。
広告主か売主に確認し、不明な点があれば、不動産公正取引協議会連合会に問い合わせてみましょう。(不動産公正取引協議会連合会 http://www.rftc.jp/、TEL03-3261-3811)

競売物件に着目

 競売物件とは、債務者が所有する不動産を差し押さえ、これを売却することにより、債務の弁済に当てられた不動産のことです。希望者に売却される任意売却と裁判所を通じて売却される強制競売があり、市場価格より2~3割安く購入できることが多くなっています。

 裁判所の競売公告により、売り物件が告知され、物件の種別や所在地、登記上の地目、規模、建ぺい率、権利関係に関する情報などが裁判所の閲覧室や各地方裁判所のホームページ、物件明細の提供サービス「BITシステム」(http://bit.sikkou.jp/)、不動産会社を通して購入希望者に流れていくのが一般的です。物件自体の現況、周辺の環境などの詳細情報は、物件の所在地や法務局で確認することも大切です。

競売物件の注意点
(1) いわゆる占有屋と呼ばれる裁判所の競売を妨害する目的で競売物件に居座り、占有する人がいます。立ち退きの際、金銭的なトラブルになる場合もあります。その場合は買い受けてもすぐに利用できない場合があります。
(2) 物件によっては、屋内を確認することができず、裁判所にある写真や間取りのみで判断しなければならないものがあります。
(3) 保証金を支払い落札した後であっても、代金の納付期限までに納付できない場合、失格となり、保証金は没収されます。

不動産ネットオークションの活用

 最近は不動産オークションが増えてきています。不動産管理会社や、資産活用のコンサルティング会社が、まざまな形式のオークションを行っています。物件を出品する際には手数料がかかりますが、入会費、参加費、落札手数料などは無料で、各企業のサイトから登録し、参加するのが一般的です。住宅用地、事業用地などの不動産が出品され、競売と同様、タイミングによっては掘り出し物がみつかる可能性もあります。

土地評価の動向

取引価格の指標

 土地を購入するに際、現状の状況を正確に把握するだけでなく、資産価値としての将来的な展望も注意する必要があります。不動産鑑定士などの専門家に依頼する方法もありますが、まずは定期的に発表される公的な土地評価を参考にしてください。

 公的な土地評価には、国土交通省による公示地価、国税庁による路線価、都道府県による基準地価、そして市町村・東京都23区都税事務所によって決定される固定資産税評価額の4つがあります。

1.  公示地価
 地価公示法に基づき、国土交通省が毎年1月1日時点における全国の都市計画区域内の約3万地点で調査し、公表する価格です。1地点を2人の不動産鑑定士が各々、収益性や取引事例を調査し、評価します。

2.  路線価
 地価税や相続税の納税の義務を負う者が時価を把握し、申告しやすいように便宜を図るという趣旨で、国税庁が毎年1月1日時点における全国約40万地点で調査し、評定した価格です。取引事例価格や公示地価、その他不動産鑑定士による鑑定評価額などをもとに算定します。

3.  基準地価
 国土利用計画法の土地取引規制における価格審査の規準や、同法に基づく規制区域内における土地の取引価格の規準を算定することを目的として、都道府県が全国約3万地点で毎年7月1日時点における価格を調査し、公表する価格です。

4.  固定資産税評価額
 固定資産税や都市計画税、不動産取得税、登録免許税の税額を計算する際に使用される土地や建物の評価額のことで、評価額は市町村によって原則として3年ごとに見直され、公示地価などの7割程度を目安に算定されています。

主務官庁 調査時 目的
公示地価 国土交通省 毎年1月1日 ・一般の土地の取引価格に対する指標の提供
・相続税評価、固定資産税評価の規準
・公共用地取得価格の算定規準
路線価 国税庁 毎年1月1日 ・相続税、贈与税の税額算定の規準
基準地価 都道府県 毎年7月1日 ・国土利用計画法による土地取引規制における価格審査の規準など
固定資産税
評価額
市町村 1月1日
(3年に1度)
・固定資産税課税額算定の規準

新しい不動産評価方法

 土地の利用価値は、どのような利用方法であれ、土壌汚染などのリスクが低く、収益性や流通性が高く見込める土地であるのか否かという点が重要になってきています。その点から新しい不動産評価方法が定着しつつあります。

 現在の不動産の鑑定評価方法には、原価法、取引事例比較法、収益還元法の3つあり、鑑定評価に際し、この3つの手法を併用することになっています。

 原価法とは、不動産の再調達原価に着目して価格を求める手法です。また取引事例比較法とは、類似の不動産の取引事例価格に着目して価格を求める手法です。従来は、この2つの手法により、不動産は評価されてきました。

1.  収益還元法
 これは収益性を重視した鑑定評価の充実と、鑑定評価の結果についての説明責任の強化を主な改正の要点とし、2003年に施行された不動産鑑定評価基準です。直接還元法とDCF(Discounted Cash Flow)法から構成されており、不動産から生じる収益を一定率で割り戻して現在価値を求める方法のことです。

2. 減損会計とオフバランス
 減損会計は一部企業で適用されていますが、2006年3月期からすべての上場企業を対象に適用されることになりました。

 減損会計とは、企業が保有する土地や建物などの資産が、地価の下落やこれらの資産を活用した事業の収益性の低下により、資産としての回収可能額が帳簿価格を下回った場合に、その帳簿価格と現在の資産価値を比べ、その差を損失計上する制度のことです。

 その結果、土地などの資産をオフバランスする動きが活発化しています。オフバランスとは、直接的には「貸借対照表から取り除くこと」を指しますが、資産を現金化するという意味が一般的です。売却することがほとんどですが、売却しづらい物件の場合、証券化が実施されることも少なくありません。

 こうした企業会計制度の変更に伴う取引数の増加により、将来的な収益性を客観的に評価した不動産鑑定評価に対するニーズが今後ますます高まっていく見通しです。

3. 固定資産税評価額関連訴訟
 土地など不動産の取引価格の変動幅が大きいエリアなどでは「固定資産税評価が適正に行われておらず、評価額が高すぎる」という地主側からの主張から、訴訟になることが増えています。訴訟の結果、評価が一部修正されたこともあります。固定資産税の評価額については、各自治体や都税事務所などで公表されていますので、取引価格相場との差額などについて確認しておきましょう。

4. 土壌汚染リスク
 土壌の汚染状況への関心は急激に高まり、土地取引が行われる際はもちろん、用地返還する場合やマンション建設の着工前などでも土壌汚染調査が実施されるようになってきています。これを受けて、2003年2月に土壌汚染対策法が施行され、同時期に宅建業法や不動産鑑定業法が改正されました。この改正により宅建業法で不動産取引の前に行うことが義務付けられている「重要事項説明」の項目として、土壌汚染対策法上の土壌汚染の有無についての説明義務が追加されました。不動産鑑定評価においても土壌汚染の有無や影響を鑑定評価額に反映させることになりました。

 法の施行後、調査により汚染物質が発見された場合、土地の価値は急激に落ちます。工場跡地、大量の油類や洗剤などを使用していた場所に対する危険性が指摘されています。正確な土地の地歴を確認することは難しいのですが、自治体で購入予定地周辺の土壌の汚染状況を確認し、現地で周辺の不動産会社に過去の地歴の確認などを行うことが重要です。

最終内容確認 2011年2月

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