起業マニュアル

事業計画や起業準備、開業まで『こんな時どうする?』に応えます

採算性を考える
 採算性とは、これからはじめるビジネスで、どのくらい利益が出るかを検討するものです。 売上が多くても利益が出ていないこともあります。ビジネスとは売上でなく利益を出すことが目的です。ですので、いかに利益を出すかを十分に検証することが必要です。

 事業計画書のなかには収益計画があります。収益計画とは、いくら売るか、売るためにどのくらいお金がいるか、その結果いくら儲かるか(利益がでるか)を計画します。この計画が不適切だと、「こんな上手くいくわけないだろう」と思われ、投資や融資、業務提携ができなくなります。その意味で、採算性の検証は新規創業にとって非常に重要なものです。

 なお、もし会社を作りビジネスを行なう場合、毎年決算書を作る必要があります。決算書には、どのくらい利益が出たかを記載する損益計算書と、どのくらい資産があるかを記載する貸借対照表があります。ここでは、損益計算書を使ってビジネスの採算性を検証する方法を説明します。

目次

損益計算書を用いた採算性の検証方法

 ここでは、損益計算書に記載する利益のなかから重要な「粗利」と「営業利益」について説明します。

売上総利益(粗利)

 売上総利益とは一般に「粗利(あらり)」と言われるもので、仕入れた商品を売るのであれば、売上金額―仕入金額が粗利になります。サービス業の場合は仕入がないので、売上が粗利になります。製造業の場合は、売上―製造原価(原材料、製造人件費など)が粗利になります。ビジネスではこの粗利がもっとも重要な利益です。つまり、後で説明する営業利益はすべて粗利を元に計算します。その意味で、粗利が少ないと利益がでない体質になってしまいます。

 たとえば、ネット販売のケースで考えると、商品1個の売値が1000円とします。それを800円で仕入れると粗利は200円(20%)です。この200円全てが利益になるのではなく、 送料、振込手数料、梱包資材などを入れると200円の利益はすぐになくなってしまいます。

 通常、ネット販売の場合最低40%の粗利率がないと難しいと言われているのはこのためです。なお、粗利は多ければいいというわけではありません。八百屋さんで売られている大根は1本200円程度ですが、仮に粗利率が40%あっても粗利は40円です。この場合は、1日にたくさん売ることで粗利を稼ぎ採算を合わせます(薄利多売方式)。

 一方、宝石などは1個100万円するものもあります。仮に粗利率が40%なら粗利は40万円です。小さな宝石店なら1ヶ月に2つくらい売れれば十分採算がとれます。

 このように採算性は、粗利はその金額や率だけでなく、いくら売るかも加味して検討する必要があります。

営業利益

 商品を売る場合、必要なお金は仕入金額だけではありません。店舗を借りているなら賃借料が必要です。従業員がいるなら人件費も必要です。広告宣伝をするなら広告料がかかります。ビジネスを行なうためには、いろいろなお金(経費)が必要なのです。営業利益は粗利からこのような売るために必要な経費を引いたものです。ですので、営業利益が本来のビジネスの利益だといってもいいでしょう(営業利益が出ている会社は儲かっている会社で、そうでない会社は儲かっていないといえます)。

 そのため、採算性を検討する場合、営業利益が出るどうかで検証します。もし営業利益が出ないようであれば、粗利の多い商品を多く売ったり、粗利の多い仕入先から仕入れることなどを検討する必要があります。また、経費が多い場合は、人件費の減する(正社員でなくアルバイトにするなど)、賃借料が安い店舗にする、広告宣伝費をおさえるなどが必要になります。

 新しいビジネスを行なう場合、事業計画書のなかで収益計画を作りますが、収益計画はまさに、この採算性を検証するものです。粗利の額と経費をきちんと計算し、毎月どのくらい営業利益がでるかを明確にしてください。


最終内容確認 2018年2月

あわせて読みたい