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起業マニュアル

起業を思い立ったその瞬間から、実際の起業準備そして開業まで。
起業を目指す人のこんなときどうする?に応えます。
準備をしよう(計画編)
ゼロから農業をはじめる

会社員や農業初心者が新規就農しようとした場合、どのようなことから始めたらよいのでしょうか。以下では、新規就農の方法について紹介していきます。

目次

就農準備

 新規就農するにあたってまず行わなければならないのは、やりたい農業のイメージをはっきりさせ、しっかりとした構想をもつことです。農業といっても、米、野菜、果樹、花卉、菌茸類(椎茸など)、酪農と幅広く、そのほかにも施設栽培にするのか、有機農法にするのかによっても条件が変わってきます。

 そこで具体的に、

  • どのような作物を、どれくらいの面積で栽培するのか
  • どこで(都道府県・市町村)、いつからはじめるのか
  • 目指す収入はどのくらいか

などのイメージを固めて、一般企業の事業計画にあたる営農計画を作成することが必要となってきます。そのうえで、会社員などの農業初心者があらたに農業を始めるためには、

  • 農地を取得する
  • 農業技術を習得する
  • 資金を確保する

ことが必要となります。

農地を取得する

 一般に土地を購入する場合には、「売り主と買い主が売買契約を締結し、買い主が代金を支払って土地の所有権を取得し、その旨を登記する」という流れが必要となります。
 農地等(農地または採草放牧地)を購入する場合には、このほかに

 農地法の許可を受ける必要があります。

 農地等を借りる場合も同様の取り扱いになります。農地法の許可を受けるためには、売買契約を締結する前あるいは後に、市町村の農業委員会へ申請書を提出します。許可を受けずに農地等を売買しても効力がなく、登記もできないため注意が必要です。
 申請書の提出を受けた農業委員会は、農業経営の状況(買い主が農地等を効率的に利用するかどうか)や経営面積などの審査を行います。新規就農者の場合は次の要件を満たしている必要があります。

  • 農地すべてについて耕作すること
  • 農業経営に必要な農作業に常時従事すること
  • 取得後の農地が市町村の定める面積以上であること
  • 経営状況、通作距離などを考慮して、効率的な農業経営であること

 また農地取得にあたっては「利用権設定促進事業」(市町村が農業委員会などと協力して、農地の権利移動を調整推進する制度)を利用する方法もあります。詳細は各市町村にお問い合わせください。

 農地取得にあたっては、栽培作物や生活条件などを考慮し、農地面積、日照条件、土壌条件、水利権、農地価格などを十分検討して選定することが望ましいといえます。
 しかし、農家には受け継いできた農地への愛着や強い財産意識などから農地を容易に手放さない傾向があり、農地売買に関する情報も少ないのが現状です。また、農村では仲間意識が強いため、環境に馴染めないとつらい思いをすることになります。このため、農地取得に関しては新規就農者の受け入れに積極的な都道府県や市町村の情報を収集するとともに、就農候補地に移住し、地域での信頼関係を築くことも必要となります。

農業技術を習得する

 趣味ではなく、ビジネスとして農業を行うためは、一定水準の農業技術を習得しておくことが必須です。
 新規就農希望者の多くは、農業未経験者または体験程度の技術しかもっていません。現在の農業は科学技術の進歩により機械化が進んではいますが、基本は生物や自然を相手にしていることから、マニュアル通りにはいかないことも多くあります。また、地域によってやり方が異なることもあります。そこで、やりたい農業のイメージが固まり、就農希望地域が決まったら、しばらくの間農家で研修させてもらうのも有効な方法です。少なくとも種蒔きから収穫までの1サイクル(基本的には1年)の経験は積んでおくことが必要です。できれば数サイクルの経験を積むことが望ましいでしょう。

 そのほか、農業技術を習得するには、

  • 専門技術を習得したい場合には、農業大学校
  • 大都市圏に働く会社員等が基本知識や技術を学ぶには就農準備校
  • 民間の農業者育成機関
  • 農家での実践を通じて知識・技術を習得する農家研修

などで学ぶ方法があります。

 なお、就農後の技術や経営管理の相談は、各地の農業改良普及センター、各種試験研究機関、農協、農業委員会などで行うことができます。

資金を確保する

 あらたに農業経営を始める場合、農地の取得、農機具の購入、家畜の購入、畜舎等施設の建築などの設備投資資金や、肥料代、飼料代、種苗代や薬品代といった1年間営農するための運転資金が必要になります。この運転資金は、たとえば「稲作経営:田植えから米販売代金が入るまでの約半年」、「肥育牛経営:子牛を購入してから出荷するまでの約1年半」の間に必要な資金で、営農類型(稲作、酪農、花卉栽培等の種目)によって金額、期間に大きな違いがあります。さらに現金収入が得られるようになるまでの生活資金も必要です。

 実際に営農するには1,000万~2,000万円程度必要となります。できる限り、自己資金でまかなうことが望ましいのですが、それが難しい場合、公的な融資制度を活用するのも一つの方法です。
 国や地方公共団体は、日本政策金融公庫等の長期で低利な融資制度を設けて農業経営を支援しています。詳細は最寄りの農協や市町村、農業委員会、農業改良普及センター、新規就農相談センターなどでお問い合わせください。

就農後の留意点

 あらたに農業を始める場合の就農後の留意点を簡単にまとめると以下のようになります。

■経営管理
会社員であれば、自分で何もしなくても会社が給与から税金を計算して差し引いてくれました。しかし、農業を始めると経費や農業所得、税金などはすべて自分で計算しなければなりません。しっかりとした経営管理も行う必要があります。

■年金
農業経営者などは、国民年金に加入します。これは満20歳以上の者すべてが対象となっています。

■農業協同組合(農協)
農業関連資材や生産物の取引などの経済活動は、地域の農協を通じて行うことが多いため、農協の組合員になることが必要でしょう。

農業関連の組織と相談先

支援機関や相談先

 あらたに農業を始めようとする場合には、各都道府県の新規就農相談センターに相談するとよいでしょう。各センターの連絡先は下記ホームページをご参照ください。

■全国新規就農相談センター
http://www.nca.or.jp/Be-farmer/

次に、就農までの流れと支援機関・相談先を紹介します。

農業関連組織

 農業関連の主要な組織を紹介します。

■農業協同組合
農業協同組合(農協)は、総合農協(農業全般を扱う)と専門農協(作物・家畜などの別に専門に扱う)に分けられ、各市町村に農協やその支所が置かれています。農業生産者の大部分が加入しているのは総合農協で、一般に農協というと総合農協を指します。

■農業委員会
農業委員会は選挙によって選ばれた農業委員を中心とした組織で、市町村役場の中にあります。農地法の許認可や新規就農者への農地の斡旋、農業生産者の育成などを行っています。新規就農者は最終的に農業委員会に行く必要があるので、いろいろ相談しておくとよいでしょう。また都道府県農業会議や全国農業会議所は同系統の組織で、全国新規就農相談センターがあります。

■地域農業改良普及センター
地域農業改良普及センターは、各都道府県のほぼ郡単位ごとに設置されており、地域における農業技術・経営指導の役割を果たしています。新規就農希望者に対して、就農相談窓口を設け、研修先の紹介や融資制度等の相談に応じたり、就農関連情報の提供を行っています。そのほか、農業改良資金の受付窓口にもなっています。

<本資料のご利用にあたって>
 融資資制度の利率などは公定歩合の改定などによって変動します。また、紹介した制度は、要件・内容の変更、予算枠などの関係で受付が中止される場合や制度そのものが廃止されることがあります。制度の利用をご検討の方は、内容の詳細を取り扱い機関に直接ご確認ください。

最終内容確認 2014年3月

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