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起業マニュアル

起業を思い立ったその瞬間から、実際の起業準備そして開業まで。
起業を目指す人のこんなときどうする?に応えます。
準備をしよう(計画編)
さまざまな起業スタイルにみる起業法

はじめに
本レポートは、 起業家をめざしている方を対象に、 あなたの予定しているビジネスにあった起業スタイルを考えるときのヒントを提供することを目的として作成されています。

目次

あなたは起業家に向いていますか

 世の中には、スピンアウト、スピンオフ、社内ベンチャー、学生ベンチャー、大学発ベンチャー等々起業家をめざす人たちがたくさんいます。さて、あなたは起業家向きですか?

1.なぜ起業をめざすかはっきりしていますか

 起業の目的は何ですか。これを即座に回答できない方は起業家に向きませんのですぐ止めたほうがいいでしょう。生活のためでもいい、夢を実現するためでもいい、とにかくしっかりした起業の目的を持つことが大切です。

2.あなたは「でも」派ではないですか

 あなたには今、これが事業としてやりたい、できると思っていますか? 会社をリストラされ、あるいは、早期退職制度で割り増し退職金を手にし、失業保険も切れそうなので「ラーメン屋でも」やろうか、「喫茶店でも」やろうかといった「でも」派で事業をしようと思っていませんか。この「でも」が曲者で、「何々でも」やろうかといって事業をはじめた方で成功された方はきわめて少ないと思います。「でも」では、事業の成功はおぼつきません。しっかり、自分ができること、やりたいことを描き、情熱をもって起業しなければならないのです。

起業スタイルを考える

3.もし、あなたにこれをしようと情熱をもってしたいことがなければ

 一年でもビジネスの勉強をする、職業訓練所に通う、また、ベンチャー企業の集まりへ参加して先達者たちの話を聞くといったこともよいでしょう。一年間のブランクで、事業成功の確率が高まるのであれば、短い期間です。もっとも何にもしない一年間はただの無駄と心得ることが大切でしょう。

4.周りの人はあなたの起業に賛成ですか、そして協力的ですか

 とくに妻帯者であれば、奥さんは賛成してくれている、協力を申し出てくれている、独身者であればご両親は賛成してくれている? 世の母親は安全を求めたがり、「なんで起業になるの、せっかくいい大学出たのに、せっかくいい会社に就職したのに」と嘆くことでしょう。しかし、その母親も説得できないようでは起業の成功はおぼつかないでしょう。

ビジネスシーズは何ですか

 ビジネスシーズの考え方には、二通りあります。一つ目は、自分がやってみたいことがある、二つ目はこれから成長しそうな分野のビジネスを狙うことです。

1.パラダイムシフトを起こした日本の産業構造

 産業の空洞化がいわれはじめて久しくなっています。海外、とくに中国、タイ、ベトナムの新興国はそのインフラおよび賃金の安さを背景に大きく成長し、日本の産業のミドル技術、一部はハイテク技術さえキャッチアップしてしまっています。大量生産・消費型のビジネスはほとんどが海外へ持っていかれてしまいました。2010年に公表された国際ビジネス教育・研究機関IMDの国際競争力ランキングで、日本は昨年の17位から27位に大きく後退してしまっています。

2.日本に残されたビジネスは

 日本に残ったのは、ナノテクやバイオ、そして一部の高度な情報産業だけです。一方、輸出入では採算の取りにくい、地域完了型の小さなコミュニティービジネスが多く生まれてきました。コミュニティービジネス分野は以下のように区分されます。

1つ目は、ケア分野 介護、高齢者福祉、子育て支援、就労支援など
2つ目は、環境分野 リサイクル、環境美化、廃棄物処理など
3つ目は、観光・交流分野 情報サービス、観光、街づくり、公益施設管理など
4つ目は、健康分野 フィットネス、アロマテラピー、健康食品、有機栽培野菜など
5つ目は、教育分野 伝統の技の伝承、趣味、資格、芸術文化振興、ビジネス支援などがこれにあたります。

3.あなたはどれをビジネスシーズとしますか

 最初にあげたように、選択する基準は、自分がやってみたいと思うこと、そしてこれから成長しそうな分野について事業環境の変化を分析し、ビジネスシーズを決めていくことが成功のためのキーになります。

ビジネスモデルはどうしますか

 次は、あなたの選択したビジネスシーズをもとに、ビジネスをデザインします。ここでは、ビジネスをどうデザインするか考えてみましょう。

1.あなたの強みって何ですか

  • これまでのあなたのキャリア、実績
  • あなたの持っている、テクノロジー、ノウハウ
  • 社会的に認知されている専門的な資格
  • 独創的なアイデア
  • 広範な人的ネットワーク
  • 事業に対する情熱
  • 時間

 何でもあなたにとって重要な経営資源になります。

2.ビジネスをデザインするとはどんなことでしょう

 ビジネスをデザインするということは、あなたが事業のシーズ(商品やサービス等)としてとらえたものをお客様まで届けるプロセスを描くことです。

 まず、お客様(自分のビジネスにマーケット)を特定し、この人だというところまで描き切ることが重要です。インターネットを使えば世界中の人がお客様だってあなたは信じますか。特定のエリア、性別、年齢層、所得階層などどんどん絞り切っていって、この層だというところまでの絞り込みができればあなたのお客様がイメージできるでしょう。

 二番目は、その商品やサービスをどうやって、描いたお客様に届けることができるか。いわゆる販路開拓の問題です。直接販売、代理店等のチャネル販売、訪問販売、カタログ販売等販売ルートを描くことが大切です。

 三番目は、その商品やサービスをどうやって調達するかです。いわゆる、調達の問題です。

あなたが起業して、その成功のイメージってどう描きますか

(1)自分だけ食っていけたらいい、スモールビジネス
(2)売上でいえば、年間1億円から10億円くらいまでの中小企業
(3)売上高30億円くらいまでの中堅企業
(4)利益を出して、株式公開すること

 さて、どんな成功を描きましたか。

 失敗しなければ成功といえるでしょう。では、企業の失敗とはどんなことをいうのでしょうか。利益を出せずに倒産してしまうこと、勘定足って銭足らずといって、表面上利益が出ていても資金が回っていかなければ倒産することがあります。逆に、利益が出なくても、自分の財産、たとえば、居宅を担保にして銀行から借入をし、事業に投入すれば当面の事業は継続できます。ですが、いずれも失敗でしょう。

 成功とは、利益を出し、資金が回転している状態をいうと定義できます。そのうえで、自分が描く成功のイメージを達成できるかどうかです。では、それを決定づけるのはどんな要素なのでしょうか。

 その一は、ビジネスモデルの良さ
 その二は、あなたが狙う事業のマーケットの大きさ
 その三は、今、小さなマーケットでも、ヒット商品を開発し、たくさんのマーケットが開発できれば大きくすることができます。そして、最後の要素は、経営者としてのあなた自身の描く夢の大きさと、あなた自身の能力があなたの描く成功へ導くといえます。

自分にあった起業スタイルってどんな形

 事業成功のあなた自身のイメージが作れましたか? そこからあなた自身にあった起業スタイルを見つけてみましょう。

(1)まずは、個人事業形態か法人形態にするか

 小さな事業をイメージしている起業家は、個人事業からスタートするのがいいですね。資本金の制約もありません、組織を作り商業登記も必要ないですから、今からでも起業ができます。場所もSOHOといって、Small Office、Home Officeで自宅でも、小さな事業所でも選びません。たとえば、自宅でパソコン1台からできるビジネスなんかはぴったりですね。ただし、税務署への開業届けだけは忘れないでください。開業届けは事業開始から1ヶ月以内、青色申告の届出は2ヶ月以内になっています。

 法人形態といっても、小企業向けから大企業向けまでさまざまです。以下では、簡単に法人形態を紹介します。いずれも商業登記が必要になります。

(2)法人形態の種類

  1.株式会社
 法人形態の代表選手です。資本金に制限はありませんし、役員も取締役1名から設立が可能です。大きな事業形態になると、それにしたがった役員構成(会社の機関といいます)が必要となってきますし、資本金も大きくしていくことができます。

 2.今までの有限会社
 平成18年5月会社法が制定され、有限会社法が会社法へ吸収されました。その結果、有限会社という法人形態はなくなりましたが、以前からある有限会社は特例有限会社として残されることになりました。新しく起業するためには適用できなくなりました。

 3.合同会社(Limited Liability Company:LLC)
 有限責任の会社という意味では株式会社と変わりありませんが、合同会社は、定款に基づく自治運営が特徴で、1人でも設立が可能です。自治運営の基礎になる定款変更には社員全員の同意が必要ですが、もともと、小会社向けの会社形態で1人社員も可能なので実質的には定款変更して、事業目的を変えたり、利益配分を任意に決めることができるなど、自由度が高いのが特徴です。

 4.合資会社、合名会社
 いずれも小会社向けの会社形態ですが、合資会社では、有限責任社員1名以上+無限責任社員2名以上が必要です。合名会社は1人でも設立可能ですが、無限責任社員になります。
 無限責任というのは、会社の債務を社員(法律上の社員は、一般的に使われている社員という意味ではなく、出資者という意味で使われます)が無限に負うということですからそれだけ起業者にとって負担の大きな法人形態といえます。

 5.有限責任事業組合(Limited liability partnership:LLP)
 LLPの特徴は、
 1)構成員全員が有限責任であること
 2)内部自治が徹底していること(損益の分配などが自由に決められる)
 3)構成員課税が適用されること
です。構成員課税というのは、利益が構成員個人個人に分配され、個人の所得として課税されるということで、会社形態の場合が、法人に課税されるのと大きな違いがあります。

(3)さて、どの事業形態を選びますか?

 簡単にこの形態にしなさい、というわけにはいきませんので、とりあえず専門家と相談して下さい。事業の内容や一緒に組んで事業をやっていく人、資金、労務、技術などの提供のあり方によって適切な形態が違いますので選択の失敗のないように専門家に相談されることをお勧めします。

 さあ、事業をはじめる準備ができましたか。

最終内容確認 2014年2月

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