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起業マニュアル

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起業前に読もう
外食業界の動向

目次

外食業界市場規模

 財団法人食の安全・安心財団によれば、外食業界は飲食店や居酒屋などを主とした「給食・料飲主体部門」と、弁当給食を除いた宅配や持ち帰り惣菜店などの「料理品小売業」とに大きく分かれます。一般的には前者を「狭義の外食」、後者を「中食」と呼び、両者合わせたものを「広義の外食」と呼んでいます。

 財団法人食の安全・安心財団の資料によれば、2009年の外食業界市場規模は、外食(狭義)で23.9兆円、中食で5.6兆円、両者を合わせた外食(広義)で29.5兆円となっています(表1、図1)

【表1】

【図1】

 外食業界全体に占めるマーケットシェアは、外食(狭義)が81%、中食が19%であり、外食(狭義)が8割以上を占めています。対前年比でみると、外食(狭義)は98%、中食は101%となっており、中食市場の規模がわずかに拡大したものの、外食(広義)市場の規模は縮小しているといえます。結果として、外食(広義)に占める中食のシェアは、拡大を続けています(図2)

【図2】

 外食(狭義)が苦戦するなかで中食が堅調である背景には、「世帯規模の小型化」と「高齢化の進展」といった日本の世帯構造の変化をあげることができます。たとえば、子どもが独立して世帯人員数が減ってくると、少人数分の食事を用意する際に、わざわざ食材を買ってきて一から料理を作るような回数は減り、すでに調理済みの食品を買ってきて食卓に並べる回数が増えると考えられます。

 また、高齢者のみの世帯では、自宅で火を使うことを嫌うため、やはり同じくすでに調理済みの食品を買ってきて食卓に並べる機会が増えると考えられます。「世帯規模の小型化」と「高齢化の進展」により、家庭内での調理機会の少ない世帯が増えてくると、必然的に中食市場は拡大します。

 外食(狭義)のマーケット拡大に陰りがみえつつあるなかで、中食マーケットは今後も安定的に推移していくものと考えられます。

外食店舗売上

 大手外食企業が加盟する日本フードサービス協会(JF)の公表資料によれば、同協会に加盟している企業の2010年の全店ベースの年間売上高は、対前年比で101%となっています(図3)。2010年に店舗の年間売上高がもっとも大きく伸びたのはファストフード(同102%)であり、ほかは、ファミリーレストラン、パブレストラン/居酒屋、ディナーレストラン、喫茶のいずれも、前年並みか前年割れという結果になっています。

【図3】

 図4は、2010年の客単価前年比と利用客数前年比の関係を表したものです。唯一売上高が対前年比増であったファストフードでは、客単価の対前年比が98.4%であり、利用客数の対前年比が103.8%でした。「客単価の低さや単価の下落が消費者の支持を広く受け、年間売上高全体の増加につながった」と考えることができます。

【図4】

消費者意識

 農林水産省「平成19年度 安全・安心モニター回答結果」(2011年3月時点で最新)によれば、「食品の安全にかかわる情報について、あなたはどの程度まで知りたいですか?」という問いに対し、27.8%の人が「全て知っておきたい」と答え、62.1%の人が「影響が及ぶおそれのあるものは知っておきたい」と答えています。しかし一方、「食品の安全にかかわる情報が、消費者に正確に届いていると感じますか?」という問いに対しては、44.4%の人が「全く感じない」または「それほど感じない」と答え、「常に感じる」または「ときどき感じる」と答えた人の割合(14.6%)を大きく超えています。

 つまり、「約9割の人が食品の安全に対して強いまたは積極的な関心を示しているにもかかわらず、その関心は満たされるよりも、むしろ満たされていないことの方が圧倒的に多い」という結果になっています。

 消費者の食品の安全・安心への関心は高く、外食業界においてもその対応が同様に求められているといえます。たとえば、大手企業の中には「顔の見える食材」の提供のために契約農家栽培をさらに推し進めるだけでなく自社農場運営も行い、食材調達を完全な管理下に置くことを目指す動きも見られます。食材調達から調理工程に至る全てにおいて、顧客からより高い信頼を得られる安全・安心を勝ち得るための姿勢がますます重要になってきているといえるでしょう。

最終内容確認 2011年3月

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