起業マニュアル

起業を思い立ってから開業するまでの『こんな時どうする?』に応えます

起業のタイミング(社会人編)
起業のタイミング(社会人編)
起業に要件はありません。老若男女、誰でも起業することができます。しかし、起業するタイミングはそれぞれのライフステージによって異なり、必要な知識や留意すべきリスクも異なります。社会人から起業するためのポイントや留意点を確認します。

社会人起業

社会人から起業すること、いわゆる脱サラです。起業家の割合は圧倒的多数を占めており、調査(*1)によると、起業家のうち9割超が勤務経験を経たうえで起業しています。また、同調査に基づく事業内容の決定理由をみると、「これまでの仕事の経験や技能を生かせるから」、「身につけた資格や知識を生かせるから」、「地域や社会が必要とする事業だから」の順に多くなります。学生起業と比較して、既に社会人として起業分野の業界に精通し、ビジネス実績や人的ネットワークを備え、自らの経験や技能を生かした起業が多いことが分かります。

(*1)日本政策金融公庫総合研究所の「2018年度新規開業実態調査」

社会人起業のパターン

現職の社会人が起業にいたるまでのパターンを紹介します。いずれも、起業前にできる限り起業分野のノウハウを強化し、複数の失敗を経験しておくことで、起業後の成功確率を上げることが目的となっています。

1.起業分野に関連のある業界に転職後、起業する

現職の事業内容と起業分野が異なる場合に、検討するべきパターンです。起業分野に関連のある職場でリアルなビジネスに携われるだけでなく、外側からは見えにくい業界の事情や課題などを学び取ることができます。

転職先の規模としては、大企業ではなく、ベンチャー企業がより望ましいでしょう。なぜなら、規模の小さなベンチャー企業では、一人ひとりの役割と責任が大きく、基本的なビジネスの流れにすべて関わることができるためです。大企業で細分化された役割の一部に携わるより、たとえ規模は小さくとも、ビジネスの全体に関わる方が起業するうえでは有効です。

さらに、可能であれば、同じ分野の大企業でも就業経験を積みましょう。ベンチャー企業と大企業の両方の視点から、事業規模の違いによる事業運営の違い(ヒト・モノ・カネの動き方や関わりの違い)を見ることで、事業の成長イメージや組織の発展イメージを得ることができます。

2.起業分野で副業後、起業する

現職の職場で働きながら、まずは副業として事業を行うことです。前提として、職場で副業が可能かどうかを就業規則や上長に確認し、然るべき許可を獲得する必要があります。

副業の魅力は、何といっても「安定した収入を得ながら事業を実践できる」ことでしょう。いきなり退職して収入の無い状態からスタートするよりも、事業が軌道に乗るまでは定期収入を得ながら試行錯誤を繰り返し、「これならいける」と確信を得た段階で退職、副業を本業とする方がリスクは低くなります。

4.社内で新規事業を経験後、起業する

現職の職場で新規事業の立ち上げ、社内ベンチャーを経験した後に、起業するパターンです。ゼロから事業を立ち上げるプロジェクトに参画し、事業計画の立案から市場調査、競合調査、顧客開拓やプロモーション、アフターサービスまでひと通り経験することで、自ら事業を育てていく経営者の感覚を養うことができます。血肉となった経験を生かすことで、自らの事業の成功確率も格段に上がるでしょう。

一方、会社の資産を活用した事業がほとんどであるため、起業の要諦となる資金繰りや資金調達についてはタッチしないケースが多くなります。経営者として事業を行ううえで、資金繰りや資金調達は常に考えておかなければならない命題であり、起業前に学ぶ必要があります。

最後に、いずれの起業パターンにおいても、起業に必要な知識を体系的に把握しておくことが大切です。公的機関ではさまざまな起業支援サービスが展開されており、起業に必要な情報提供だけでなく、創業支援担当者が直接相談を受け、ビジネスプラン作成等のサポートも行っています。

起業までの実務を学べる起業塾やセミナーも定期的に開催されているので、積極的に参加するとよいでしょう。

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