起業マニュアル

起業を思い立ってから開業するまでの『こんな時どうする?』に応えます

起業のタイミング(学生編)
起業のタイミング(学生編)
起業に要件はありません。老若男女、誰でも起業することができます。しかし、起業するタイミングはそれぞれのライフステージによって異なり、必要な知識や留意すべきリスクも異なります。ここでは、学生から起業するためのポイントや留意点を紹介します。

学生起業

近年では、学生の起業意識は徐々に高まっており、在学中に具体的な起業準備を行っている学生の割合は増えています。(*1)
実際に、若者としての柔軟な発想と大胆な行動力を武器に、たくさんの革新的ビジネスが生み出されてきました。ソフトバンク創業者の孫正義氏や、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏など、学生起業から大きな成功を収めている起業家はその好例と言えるでしょう。

ただし、現実として、学生であるがゆえに社会人経験や起業分野の実務経験もなく、資金力も乏しいケースがほとんどです。また、いざ起業しても、市場調査やマーケティング、収支計画などの面が課題となることも多くあります。こうした知識、経験、資金の「ないないづくし」をいかに克服するか。それが学生起業の最大のテーマとなります。以下にその対応策を紹介します。

(*1)「学生の起業意識の変化」総務省「就業構造基本調査」再編加工(中小企業白書2017年版)

1.知識を身につける

まずは知識です。起業についての情報を集め、必要な知識を体系的に把握することです。開業に必要な手続きから活用可能な助成制度の紹介まで、公的機関ではさまざまな起業支援サービスが展開されており、創業支援担当者が直接相談を受け、ビジネスプラン作成等のサポートも行っています。
起業までの実務を学べる起業塾やセミナーも定期的に開催されているので、積極的に参加するとよいでしょう。

2.経験を得る

次に、経験です。在学中から起業分野での就業経験を得るには、インターンシップ制度の活用が有効です。インターンシップ制度を通じて、実際の職場でリアルなビジネスに携われるだけでなく、外側からは見えにくい業界の事情や課題などを学び取ることができます。

インターンシップ先の規模としては、大企業ではなく、ベンチャー企業がより望ましいでしょう。なぜなら、規模の小さなベンチャー企業では、一人ひとりの役割と責任が大きく、基本的なビジネスの流れにすべて関わることができるためです。大企業で細分化された役割の一部に携わるより、たとえ規模は小さくとも、ビジネスの全体に関わる方が起業するうえでは有効です。時間的な余裕があれば、同じ分野の大企業でもインターンとして就業経験を積みましょう。ベンチャー企業と大企業の両方の視点から、事業規模の違いによる事業運営の違い(ヒト・モノ・カネの動き方や関わりの違い)を見ることで、事業の成長イメージや組織の発展イメージを得ることができます。

近年では、大企業だけでなく、中小企業、ベンチャー企業でも積極的にインターンを受け入れており、大学の授業に合わせて柔軟にシフトを組めるなど、要件を柔軟に設定している企業も多くあります。起業を志す学生であれば、ぜひインターンシップ制度を活用し、起業分野での就業経験を経ておきたいところです。

また、起業意識の高い学生にはやや遠回りに感じるかも知れませんが、起業分野に関わりの深い企業へ就職し、十分なビジネス経験と実績を獲得したうえで起業するという道もあります。時間は掛かりますが、社員として長期に渡って起業分野のビジネスに携わることで、業界事情に精通するだけでなく、各種の関連機関に人的ネットワークも構築できるため、起業後にビジネスとして成功する確率が格段に上がります。

3.資金を獲得する

最後に、資金です。現実的に、ビジネス実績のない学生起業家が金融機関から融資を獲得することは困難です。金融機関では、事業計画と同等に、同分野における実績も重視されるためです。学生起業家が資金調達を行う場合、まずは公的支援制度(国や地方自治体などの公的機関が開業予定者の支援を目的として設けている助成金や融資制度)の活用を検討するのが良いでしょう。

また、優れた学生起業家に必要な資金を提供する機会として、高校生や大学生を対象としたビジネスプランコンテストも増えています。
たとえば、日本政策金融公庫では、実社会で求められる「自ら考え、行動する力」を養うことのできる起業教育を推進し、次世代を担う若者の創業マインドの向上を目指すことを目的として、「高校生ビジネスプラン・グランプリ」を開催しています。地域の産業や事業者と連携して地域活性化を目指すビジネスプランや、国際的な視点で考案されたビジネスプラン等、その内容は多様で、そのレベルも年々上昇しています。然るべき選考はありますが、自らのビジネスプランに磨きをかけるためにも、こうした機会に挑戦してみることも良いでしょう。

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