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人事・労務
人事の法律~労働基準法~

目次

1.労働基準法とは

労働基準法は、労働者が人たるに値する生活を営むために満たすべき必要のある労働条件の基準を定めたものである。なお、労働基準法で定める労働条件の基準は最低のものであるので、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。
労働基準法で、使用者が留意しなければならないおもな事項は、次のとおりである。

 ・労働契約
 ・退職
 ・賃金
 ・労働時間と休日・休暇
 ・年少者と女性の保護
 ・就業規則

次に、それぞれの事項について労働基準法の条文に基づいて解説していく。

2.労働契約

1)労働基準法との関係

<労働基準法違反の労働契約/第13条>

労働基準法の基準を下回る労働契約は、その部分については無効となる。この場合、無効になった部分は同法で定める基準によることになる。

2)契約期間の上限

<契約期間/第14条>

期間の定めのある労働契約を結ぶ際の契約期間は最長3年とされている。ただし、建築工事などその事業の完了に3年以上かかることが明確な場合は、3年を超えた契約を結ぶこともできる。
契約を結ぶ際は、更新の有無、更新・雇止めを行なう場合の判断基準を説明するよう努めたり、雇止めをする場合には少なくとも30日前に予告するよう努めたりするなどの注意が必要となる。

また、次に該当する労働契約を結ぶ際は、契約期間を最長5年とすることができる。

a) 厚生労働大臣が定める基準に該当する高度な専門的知識などを有する者(弁護士、公認会計士など)を新たに雇い入れる場合
b) 60歳以上の者を雇い入れる場合
(注)労働基準法が改正され、平成16年1月1日からは上記のとおりとなった。

3)労働条件の明示

<労働条件の明示/第15条>

労働契約を結ぶ際には、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。明示の方法は口頭でも書面でもかまわないが、次の事項については必ず書面(労働契約書や就業規則など)で明示しなければならない。

  a)賃金に関する事項
  b)就業の場所および従事する業務に関する事項
  c)始業および終業の時刻、所定時間外労働の有無、休憩時間、休日、休暇ならびに就業時転換(交代制)に関する事項
  d)退職に関する事項
  e)労働契約の期間(有期労働契約の場合に限る)

なお、明示された労働条件が事実と違う場合、労働者は即時に労働契約を解除することができる。この場合、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から14日以内に帰郷する場合は、使用者は必要な旅費(引っ越し費用などを含む)を負担しなければならない。

4)労働契約に伴う禁止事項

<賠償額予定の禁止/第16条>

たとえば、1年間の労働契約を結ぶ際に、「もし途中で辞めたら10万円支払わせる」といった労働契約不履行時の違約金について定めた契約をしてはならない。また、「社用車に傷をつけたら10万円支払わせる」といった損害賠償額を予定する契約もしてはならない。ただし、実際に事故などが起こった際に、損害賠償の請求を労働者に対して行なうことはできる。

<前借金相殺の禁止/第17条>

使用者は、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺してはならない。たとえば、労働者が会社からお金を借りるときに、「完済まで退職してはならない。また、返済のために毎月賃金から3万円天引きする」というような取り決めをすることはできない。ただし、労働者の意思により借金と賃金を相殺することはできる。

<強制貯金/第18条>

たとえば、「入社したら○○銀行に積み立てしなければならない」「入社したら毎月5万円の社内預金をしなければならない」というように、労働契約に付随して貯蓄の契約をさせたり、貯蓄金を管理する契約をしてはならない。ただし、労働者の委託を受けて管理を行なうことは認められている。

3.退職

1)解雇

<解雇/労働契約法16条>

客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない解雇については、無効となる。  (注)労働基準法が改正され、平成16年1月1日からは上記のとおりとなった。

<解雇制限/第19条>

使用者は、次の解雇制限期間中に労働者を解雇してはならない。

a)労働者が業務上負傷したり、または疾病にかかり療養のために休業する期間およびその後30日間
b)産前産後の女性が第65条の規定によって休業する期間およびその後30日間

ただし、次の場合は解雇制限期間中であっても解雇が認められる(解雇制限の解除)。

a) 業務上の傷病により使用者から補償を受ける労働者が療養を開始して3年経過してもその傷病が治らない場合
→第81条の規定によって打切補償(平均賃金の1200日分)を支払うことにより解雇が可能となる
b) 天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合
→労働基準監督署長の認定を受けることにより解雇が可能となる

<解雇の予告/第20・21条>

労働者を解雇しようとする場合には、少なくとも解雇の30日前に解雇の日を定めて予告をする必要がある。もし、30日前に予告をしない場合は、解雇予告手当として30日分以上の平均賃金を支払わなければならない。ただし、たとえば10日分の平均賃金を支払う場合には20日前に解雇予告を行なうことで解雇をすることができる。
なお、14日以内の試用期間中の者や契約期間が2カ月以内の者などについては、解雇の予告についての定めは適用されない。

2)退職にあたって

<退職時の証明/第22条>

労働者が退職する場合に、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金または退職の事由(退職の事由が解雇の場合には、その理由を含む)について証明書を請求した場合、使用者は遅滞なくこれを交付しなければならない。これは一般に「使用証明書」といわれるものである。また、解雇予告をされた日から退職日までの間に、労働者が解雇理由についての証明書を請求した場合には、使用者は遅滞なく交付しなければならない。これらの証明書には、労働者の請求しない事項を記入してはならない。
(注)労働基準法が改正され、平成16年1月1日からは上記のとおりとなった。

<金品の返還/第23条>

労働者が退職(死亡を含む)する場合で、退職する本人や遺族などから請求があった場合には、7日以内に未払い賃金、積立金、保証金、貯蓄金その他労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。
ただし、退職金については、あらかじめ就業規則等で定められた支払時期に支払っても本条違反にはならない。

4.賃金

1)差別の禁止

<均等待遇/第3条>

労働者の国籍、信条または社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。

<男女同一賃金の原則/第4条>

労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱をしてはならない。

2)賃金の支払

<賃金の支払/第24・25条>

賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。これを賃金支払の5原則という。ただし、労働者の同意があれば銀行振込をすることもでき、また書面による労使協定を結んでいれば社宅・寮費や組合費などについては天引きすることができるなど、いくつかの例外も認められている。

また、原則として支払期日以前に賃金を支払う必要はないが、労働者が出産、疾病、災害、結婚、死亡など非常の場合の費用に充てるために請求する場合には、支払期日前であってもこれまで働いた分の賃金を支払わなければならない。

3)割増賃金

<時間外、休日および深夜の割増賃金/第37条>

労働者に時間外労働をさせた場合には、その時間の労働については通常の労働時間の賃金の125%以上の賃金を支払わなければならない。なお、ここでの時間外労働とは法定時間外労働(1日8時間・1週40時間を超える労働)のことである。たとえば、1日所定労働時間が7時間の事業場で8時間労働をした場合、1時間残業をしたことになるが、法定労働時間を超えていないので割増賃金を支払う必要はない。
労働者を法定休日に労働させた場合には、通常の労働時間の賃金の135%以上の賃金を支払わなくてはならない。なお、法定休日とは1週1日または4週4日の休日のことであるので、たとえば土日が休日の事業場で土曜日あるいは日曜日のいずれかに労働させても休日割増賃金を支払う必要はない。

労働者を午後10時から午前5時までの間に労働させた場合には、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の125%以上の割増賃金を支払わなければならない。

なお、時間外深夜労働については150%以上、法定休日深夜労働については160%以上の割増賃金が必要である。
また、割増賃金の計算の基礎となる賃金は通常の労働時間または労働日の賃金で、家族手当、通勤手当、住宅手当など法令で定める手当は算入しない。

4)賃金の保障

<休業手当/第26条>

たとえば、生産調整を実施するため工場の労働者を一時帰休させる場合など、使用者の事情によって労働者を休業させる場合は、休業期間中その労働者の平均賃金の100分の60以上の手当(休業手当)を支払わなければならない。

<賃金の保障/第27・28条>

賃金の最低基準に関しては、最低賃金法の定めるところによる。地域・産業などに応じて定められている最低賃金以上の賃金を支払わなければならない。
また、出来高払制その他の請負制で使用する労働者についても、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。

5.労働時間と休日・休暇

1)労働時間

<労働時間/第32条>

労働者に、1週間について40時間・1日について8時間を超えて労働させてはならない(休憩時間を除く)。これを法定労働時間という。ただし、常時10人未満の労働者を使用する商業、映画・演劇業(映画の制作の事業を除く)、保健衛生業、娯楽接客業については1週間について44時間まで労働させることができる特例措置が認められている。
ただし、1年単位の変形労働時間制および1週間単位の非定型的変形労働時間制を採用する場合は、特例措置の適用はない。

<変形労働時間制/第32条の2~5>

また、一定期間における平均労働時間が法定労働時間以内であれば、特定の週や日については法定労働時間を超えて労働させることができる「変形労働時間制」が認められている。たとえば、月初に忙しい企業では第1週の労働時間を48時間として第2週の労働時間を32時間とすることができるなど、業務の繁忙に応じたフレキシブルな労働時間設定ができる。変形労働時間制には、「1カ月単位の変形労働時間制」「1年単位の変形労働時間制」「1週間単位の非定型的変形労働時間制」「フレックスタイム制」の4種類があり、それぞれについて導入要件などが定められている。

<時間計算/第38条>

2つ以上の事業場で労働した場合の労働時間は通算する。たとえば、午前中A工場で3時間労働し午後B工場で6時間労働した場合、労働時間は合計9時間となるので、1時間分の割増賃金を支払わなくてはならない。

2)休憩

<休憩/第34条>

労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を、労働時間の途中に与えなければならない。この休憩時間は昼休みに45分、午後3時に15分というように分割して与えてもかまわない。なお、休憩時間は労働者に自由に利用させなければならない。
また、休憩時間は、原則としてその事業場の労働者全員に一斉に与えなければならない。ただし、労働者の代表と書面による労使協定を結んだ場合はこの限りではない。

3)休日

<休日/第35条>

労働者に対しては、毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない。
ただし、4週間を通じ4日以上の休日を与える変形休日制をとる場合は、特定の4週の間に4日以上の休日があれば休日がない週があってもかまわない。

4)時間外労働と休日労働

<時間外および休日の労働/第36条>

労働者の代表と書面による労使協定を結び労働基準監督署長に届け出た場合は、労働者に時間外労働や休日労働をさせることができる。この協定は一般に「36協定」といわれる。
労使協定の締結にあたっては、時間外労働時間が厚生労働省によって定められている基準を超えないようにしなければならない。

■時間外労働の限度時間

期間 一般の労働者の場合 対象期間が3カ月を超える
1年単位の変形労働時間制の
対象者の場合
1週間
2週間
4週間
1カ月
2カ月
3カ月
1年間
15時間
27時間
43時間
45時間
81時間
120時間
360時間
14時間
25時間
40時間
42時間
75時間
110時間
320時間

<災害時などによる臨時の必要がある場合の時間外労働など/第33条>

災害などの非常時で、臨時の必要がある場合には、労働基準監督署長の許可を受けて、時間外労働や休日労働をさせることができる。なお、事態急迫のために許可を受ける時間がない場合は、事後に遅滞なく届け出なければならない。

5)みなし労働時間制

みなし労働時間制とは、労働時間の算定が困難な業務、あるいは業務の遂行を労働者自身に任せる必要がある業務など、通常の労働時間の算定方法をとることが適切でない業務について、別に労働時間の算定方法を定めたものである。
 みなし労働時間制は、
  ・事業場外労働に関するみなし労働時間制
  ・専門業務型裁量労働制に関するみなし労働時間制
  ・企画業務型裁量労働制に関するみなし労働時間制
に分類することができる。

<事業場外労働/第38条の2>

たとえば営業担当者が直行直帰する場合のように、労働者が事業場外で労働して労働時間の算定が困難な場合は、所定労働時間労働したものとみなす。
ただし、その業務のために通常の所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合は、その業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす。なお、その業務に関して労働者の代表との書面による協定があるときは、協定で定める時間をその業務の遂行に通常必要とされる時間とする。労使協定で定める時間が法定労働時間を超える場合は、協定を労働基準監督署へ届け出る必要がある。

<専門業務型裁量労働制/第38条の3>

たとえば、研究者の業務は人から細かな指示を受けて行なうものではなく、その業務に携わる研究者自身が自分の考えや研究の進み具合に応じて業務を進めていかなければならない。このように、業務の性質上その遂行の方法を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要があるため、その業務の遂行の手段および時間配分の決定などに関し具体的な指示をすることが困難な業務に従事する労働者に対しては、労働者自身の裁量によって労働時間を決定する「裁量労働制」を適用することが認められている。
裁量労働制の対象となる業務は、厚生労働省令などにより次のように定められている。

  a)新商品、新技術の研究開発または人文科学・自然科学に関する研究業務
  b)情報処理システムの分析・設計の業務
  c)記事の取材・編集の業務
  d)デザイナーの業務
  e)プロデューサー・ディレクターの業務
  f)その他厚生労働大臣の指定する業務
   →コピーライター、公認会計士、弁護士、建築士、不動産鑑定士、弁理士、税理士、中小企業診断士など

専門業務型裁量労働制を導入する場合は、次の事項について労働者の代表と書面による協定を締結し、その協定を労働基準監督署に届け出る必要がある。   1)厚生労働省令で定める業務のうち労働者に就かせることとする業務
  2)業務遂行の手段および時間配分の決定などに関して具体的な指示をしない旨の定め
  3)労働時間の算定方法については協定で定めるところによること
  4)当該労働者の健康および福祉を確保するための措置についての定め
  5)当該労働者からの苦情処理に関する措置についての定め
  6)労使協定の有効期限

この協定に従い労働者をその業務に就かせたときは、その労働者は協定で定める時間、労働したものとみなされる。

<企画業務型裁量労働制/第38条の4>

事業運営に関する企画・立案・調査・分析などの業務、あるいは業務の遂行方法を大幅に労働者にゆだねる必要がある業務などに携わる労働者が企画業務型裁量労働制の対象となる。
企画業務型裁量労働制をとるためには、労使委員会を設置し、一定の事項について委員の5分の4以上の多数決による決議内容を労働基準監督署へ届け出る必要がある。
 (注)労働基準法が改正され、平成16年1月1日からは上記のとおりとなった。

6)労働時間・休憩・休日の適用除外

<労働時間などに関する規定の適用除外/第41条>

労働時間、休憩および休日に関する規定は、次の者については適用されない。

  a)農水産業に従事する者
  b)管理監督者・機密事務取扱者(秘書など)
  c)監視(守衛など)・断続的業務(学校の用務員など)・宿日直に従事する者で労働基準監督署長の許可を受けた者

7)年次有給休暇

<年次有給休暇/第39条1項、2項>

6カ月以上継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対しては、10日間の年次有給休暇を与えなければならない。また、以後の継続勤務1年ごとにつき、全労働日の8割以上出勤した労働者に対しては、次表のとおり有給休暇を与えなければならない。

勤続年数 0.5 1.5 2.5 3.5 4.5 5.5 6.5~
有給日数 10 11 12 14 16 18 20

(※)有給休暇の出勤率の算定にあたっては、次の期間は出勤したものとみなす。

    a)業務上の傷病の療養のために休業した期間
    b)育児休業、介護休業などをした期間
    c)産前産後の女性が休業した期間
    d)有給休暇をとって休業した日

<短時間労働者の年次有給休暇/第39条3項>

短時間労働者などに対する有給休暇の付与日数は別途次のように定められている。

週所定労働日数 1年間の所定労働日数 勤続年数(年)
0.5 1.5 2.5 3.5 4.5 5.5 6.5~
4日
3日
2日
1日
169~216日
121~168日
73~120日
48~ 72日
7
5
3
1
8
6
4
2
9
6
4
2
10
8
5
2
12
9
6
3
13
10
6
3
15
11
7
3

<年次有給休暇の時季指定権と時季変更権/第39条4項>

有給休暇は、労働者の請求する時季(時と季節)に与えなければならない(時季指定権)。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合には、他の時季にこれを与えることができる(時季変更権)。

<年次有給休暇の計画的付与/第39条6項>

労働者の代表との書面による協定により有給休暇を与える時季についての定めをした場合は、有給休暇の日数のうち5日を超える部分については、その定めにより有給休暇を与えることができる。

<年次有給休暇中の賃金/第39条7項>

使用者は、有給休暇の期間については、平均賃金、所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金のいずれかを支払わなければならない。ただし、労使協定で定めた場合については、健康保険法に定める標準報酬日額に相当する額を支払うこともできる。

6.年少者と女性の保護

1)年少者の保護

<年少者の証明書/第57条>

満18歳未満の者を労働者として使用する場合は、その年齢を証明する戸籍証明書を事業場に備えつけなければならない。
また、労働基準監督署長の許可を受けて使用する満15歳年度末までの児童については、修学に差し支えないことを証明する学校長の証明書および親権者(または後見人)の同意書を事業場に備えつけなければならない。

<未成年者の労働契約/第58条>

親権者(または後見人)は、未成年者に代わって労働契約を結ぶことはできない。
ただし、親権者もしくは後見人または労働基準監督署長は、労働契約が未成年者に不利であると認める場合においては、将来に向かってこれを解除することができる。

<未成年者の賃金請求権/第59条>

未成年者は、独立して賃金を請求することができる。親権者または後見人は、未成年者の賃金を代わって受け取ることはできない。

<労働時間および休日/第60条>

満18歳未満の年少者に対しては、変形労働制を適用したり時間外労働をさせることは原則としてできない。また、労働時間・休憩時間の特例も原則として適用除外となるので、休憩は一斉に付与しなければならない。
満15歳年度末までの児童を使用する場合の労働時間の上限は、修学時間を通算して1週間について40時間・1日について7時間となる。

<深夜業/第61条>

満18歳未満の年少者を午後10時から午前5時までの間使用することは原則としてできない。ただし、交代制で使用する満16歳以上の男性についてはこの限りではない。

<危険有害業務・坑内労働の就業制限/第62・63条>

満18歳未満の年少者に危険・有害な業務や坑内労働をさせることはできない。

<帰郷旅費/第64条>

満18歳未満の年少者が解雇の日から14日以内に帰郷する場合、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない。

2)女性の保護

<坑内労働の禁止・妊産婦などに係る危険有害業務の就業制限/第64条の2・3>

女性を坑内で労働させることは原則としてできない。
また、妊産婦(妊娠中の女性および産後1年を経過しない女性)を危険・有害な業務に就かせることはできない。

<産前産後/第65条>

6週間(多胎妊娠の場合は14週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合は、その者を就業させてはならない。また、産後8週間を経過しない女性も就業させてはならない。ただし、産後6週間を経過した女性が就労することを請求した場合に、医師が支障がないと認めた業務に就かせることは差し支えありない。
なお、妊娠中の女性が請求した場合、他の軽易な業務に転換させなければならない。

<妊産婦の時間外労働など/第66条>

妊産婦が請求した場合、変形労働時間制によって労働させたり、時間外・休日労働させたり、深夜業をさせることはできない。

<育児時間/第67条>

生後満1年に達しない生児を育てる女性は、第34条の休憩時間のほかに、1日2回最低各30分の育児時間を請求することができる。この育児時間中は、その女性を使用することはできない。

<生理日休暇/第68条>

生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない。

7.就業規則

<作成および届出の義務/第89条>

常時10人以上の労働者を使用する使用者は、次の事項について就業規則を作成し、労働基準監督署に届け出なければならない。また、次に掲げる事項を変更した場合も同様である。

a)絶対的必要記載事項
  就業規則を作成する上で必ず記載しなければならない事項である。
・始業および終業の時刻、休憩時間、休日、休暇ならびに労働者を2組以上に分けて交代に就業させる場合は就業時転換に関する事項
・賃金(臨時の賃金を除く)の決定、計算および支払方法、賃金の締切りおよび支払時期ならびに昇給に関する事項
・退職に関する事項(解雇の事由を含む)
b)相対的必要記載事項
  その事業所の労働者全体に対して適用する定めをする場合には必ず記載しなければならない事項である。
・退職手当の定めをする場合は、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算および支払の方法ならびに退職手当の支払時期に関する事項
・臨時の賃金など(退職手当を除く)および最低賃金額の定めをする場合は、これに関する事項
・労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合は、これに関する事項
・安全および衛生に関する定めをする場合は、これに関する事項
・職業訓練に関する定めをする場合は、これに関する事項
・災害補償および業務外の傷病扶助に関する定めをする場合は、これに関する事項
・表彰および制裁の定めをする場合は、その種類および程度に関する事項
・ 前記のほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合は、これに関する事項(例:福利厚生規定、出張旅費規定など)

<作成の手続き/第90条>

就業規則を作成または変更する場合は、その事業場の労働者の代表の意見を聴かなければならない。この意見書は労働基準監督署長への届出を行なう場合に添付しなければならない。

<制裁規定の制限/第91条>

就業規則で労働者に対して減給の制裁を定める場合、その減給額は、1回につき平均賃金の1日分の半額以下、総額が一賃金支払期における賃金の総額の10分の1以下でなければならない。

<法令および労働協約との関係/第92条>

就業規則は、法令または当該事業場に適用される労働協約に反してはならない。

<効力/第93条>

就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効となる。この場合無効となった部分は、就業規則で定める基準による。

8.その他

<法令などの周知義務/第106条>

使用者は、労働基準法の要旨、労働基準法に基づく命令の要旨、就業規則、労使協定などを、常時各作業場の見やすい場所への掲示や備えつけ、書面の交付などの方法によって労働者に周知させなければならない。

<労働者名簿/第107条>

使用者は、各事業場ごとに労働者名簿を、各労働者(日々雇い入れられる者を除く)について作成し、次の事項などを記入しなければならない。また、記入すべき事項に変更があった場合は、遅滞なく訂正しなければならない。

  a)労働者の氏名
  b)生年月日
  c)履歴
  d)性別
  e)住所
  f)雇入年月日
  g)退職の年月日・事由(解雇の場合、その理由を含む)
  h)死亡年月日・原因
  i)従事する業務の種類(常時30人以上規模の場合)

<賃金台帳/第108条>

使用者は、各事業場ごとに賃金台帳を作成し、次の事項などを賃金支払の都度遅滞なく記入しなければならない。

  a)賃金計算期間
  b)労働日数、労働時間数、時間外・休日・深夜労働時間数
  c)賃金の種類(基本給、手当など)ごとの金額、通貨以外のもので支払われる賃金がある場合にはその評価額、賃金の一部を控除した場合にはその額
  d)氏名、性別

<記録の保存/第109条>

使用者は、労働者名簿、賃金台帳および雇入、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を3年間保存しなければならない。

(監修:社会保険労務士 富岡英紀)

最終内容確認日2014年3月

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