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起業・開業
個人と法人のメリット比較

事業を興すとき、事業の組織形態を決める必要がある。個人事業と会社組織のどちらがよいのか、

  • 資金調達、事業拡大面
  • 税金面
  • 経費計上面
  • 事業承継面

について以下にそれぞれの違いをのべる。

目次

1.資金調達、事業拡大

現在の商取引は現金で行なわれることは少なく、掛売、掛仕入などお互いの信用に基づく信用取引が主流である。大規模な取引を行なうためにはそれなりの信用が必要になる。
個人事業の場合、個人の信用だけで資金調達を行なうため、取引の規模には自然に限界が生じる。
一方、法人形態は、組織の継続性や債権者保護のための資本金制度などにより社会的に信用があり、金融機関からの資金調達も比較的容易である。

2.税金面での比較

個人事業主と法人では、利益に課税される税金に違いがある。

個人事業主 ... 利益は「事業所得」となり所得税・住民税・個人事業税によって課税される
法人 ... 会社の利益は法人税・法人住民税・事業税によって課税される
経営者に支払われる役員報酬は「給与所得」となり所得税・住民税によって課税される

所得税と法人税の大きな違いは、課税計算の方法と、損失の繰越の2つがある。

●課税計算の方法

所  得  税 法  人  税
所得金額×税率(%)-速算控除額

所得の増加に伴い税率が高くなる累進課税
原則一律25.5%
資本金(出資金)1億円以下の法人 
・課税所得800万円超の部分→25.5% 
・課税所得800万円以下の部分→15%

法人の場合、経営者の役員報酬にも所得税が課されるため、それについても考慮しなくてはならないので一概にはいえないが、利益が大きくなるほど法人のほうが課税負担が少なくなる場合が多いようである。

法人の限界税率 約41%<個人の最高限界税率 50%

●損失の繰越

所得税も法人税も、損失金が生じてしまった場合には、翌年(翌期)以降に繰り越すことができる。所得税と法人税では、この損失を翌年(翌期)以降に繰り越すことができる期間が異なる。

      
  • 所得税...3年間
  • 法人税...9年間

3.経費計上面での比較

個人事業と法人では、経費として所得から控除できるものが多少異なる。

  個 人 事 業 法    人
交際費 全額損金算入
事業主または経営者の給与 損金算入が認められない 損金算入
役員退職金 損金算入

●交際費

個人事業では、支出が取引の記録として残っており、業務の遂行上直接必要であったことが認められる交際費は、全額を必要経費に算入することができる。 一方、法人の場合、最低でもその支出した金額の一定の部分は損金にできない。

期末資本(出資)金額 支出交際費 損金不算入額(年額)
1億円以下 800万円以下の部分
800万円超 800万円を超える部分の全額
1億円超 金額に関わらず 支出額全額

●事業主の給与

個人事業では、事業を手伝う家族に支払う給与を必要経費(青色事業専従者給与)とすることができる。しかし、その支払金額や対象者には制約がある。さらに、事業主本人に給与や報酬という名目で支払ったとしても、税務上、それらを損金とすることはできない。
一方、法人では適当と認められる枠内であれば経営者など役員に対して支給した報酬を損金に算入することができる。また、事業に従事している家族を役員にすれば、家族にも役員報酬を支給することができる。

●役員退職金

個人事業では、事業主が事業を辞めてしまえば収入が途絶えてしまう。
法人は、退職する役員に対して役員退職金を支給し、その金額を損金に算入できる。ただし、役員退職慰労金規定などを整備しておくことが必要になる。不相当に高額な場合は損金算入が否認される。

4.事業承継面で比較する

事業主・経営者とも、事業承継は避けて通れない。
事業承継では法人に、相続税負担が軽くなる、生前贈与が容易といったメリットがある。

●相続税負担の軽減

個人事業の場合、事業用の資産はすべて個人の資産である。たとえば事業用の財産がすべて事業主のものになっている場合、事業主に万が一のことがあると事業用資産も相続財産として扱われる。
一方、法人の資産は法人が所有しており、経営者はその法人を株や出資金で間接的に所有している。そのため経営者が所有する株や出資金が相続財産とみなされる。

●生前贈与

個人事業の場合、事業用資産の生前贈与には限界がある。土地や建物の名義変更には登記簿の変更が必要になり、諸経費も決して安くはないため、実際に何度かに分けて贈与することは困難である。
株や出資金であれば少しずつ贈与しておくことも容易であるから、法人であれば計画的に生前贈与を行ない、課税負担を軽減することが可能である。
相続税対策として少しずつ生前贈与をしておくという方法がある。贈与税はもっとも税率の高い税金であるが、毎年、贈与額のうち110万円までは課税されないことになっている。また相続は1回きりであるが、贈与は何回にも分けて行うことができるため、生前贈与によって課税負担を軽減することができる場合がある
なお、平成15年度税制改正において、新たな贈与税制度として「相続時精算課税制度が創設され、従来の贈与税制度と選択できるようになった。

<<本資料のご利用にあたって>>

税金にはさまざまな例外や特例、改正がありますのでご注意ください。詳しくは税理士、税務署、国税局の税務相談室などにご相談ください。

最終内容確認日2014年3月

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