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中小企業経営
中小事業者がうけられる消費税の特例
中小事業者が行なう納税事務の負担軽減を目的として、「課税の免除」「簡易課税制度」といった特例が定められている。以下に、これら特例の概要を紹介する。

目次

1. 課税の免除

1)基準期間とは

<基準期間>
 個人事業者...前々年
 法人   ...前々事業年度

<課税期間>
 個人事業者...1月1日~12月31日まで
 法人   ...事業年度

基準期間がない新設法人(第1、第2事業年度)は、原則として、免税事業者となる。
ただし、事業年度開始の日における資本または出資の金額が1000万円以上の場合には、課税対象者として取り扱われる。
また、第2事業年度までと第3事業年度からでは免税事業者の適用要件が異なるので注意が必要。

<免税事業者の適用要件>
第2事業年度まで...資本または出資金額1000万円未満
第3事業年度から...課税売上高1000万円以下(原則どおり)

2)課税売上高とは
免税事業者を判定する際の課税売上高は、原則として以下の算式で求められる金額となる。

消費税が課税される取引の売上金額(消費税額を除く*)
-その取引の売上返品、売上値引、売上割戻金額(消費税額を除く*)

※基準期間に免税事業者であった場合は、課されるべき消費税に相当する額がないため、消費税額を含む金額で計算する。

取引は、消費税の課税取引、非課税取引、課税対象外の取引の3つに区分される。

a. 課税取引...国内において事業として行なわれる取引
b. 非課税取引...以下の取引
・土地の譲渡、貸付     
・居住用住宅の貸付     
・有価証券などの譲渡     
・受取利子、保険料など    
・教科書用図書の譲渡
・身体障害者用物品の譲渡など
・学校などの授業料、入学検定料など
・郵便切手類、印紙、証紙、物品切手などの譲渡
・社会保険医療など
・社会福祉事業など
・出産費用など
・埋葬、火葬料
・国などが法令に基づき徴収する手数料など
c. 課税対象外の取引...課税取引、非課税取引以外の取引

なお、「消費税課税事業者選択届出書」を税務署に提出すれば、基準期間の課税売上高が1000万円以下の小規模事業者であっても、課税事業者になることができる。

2. 簡易課税制度

事業者が以下の2つの要件を満たしている場合には、「消費税簡易課税制度選択届出書」を税務署に提出して簡易課税制度を適用することができる。

<簡易課税制度適用の要件>
 ・課税事業者
 ・基準期間における課税売上高が5000万円以下

簡易制度を適用すると、実際に仕入時に支払った消費税額の計算を不要とし、その営む業種に応じた一定率の仕入があったものとみなして、消費税の納付税額を計算することができるため、納税事務が軽減される。

1)納付税額の計算方法

納付税額の計算方法は、1つの事業を営む場合、2つ以上の事業を営む場合で異なる。

a.1つの事業を営む場合

簡易課税制度では課税事業を5種類に分類し、それぞれの事業では仕入などが売上の一定の割合を占めているとみなして納税額を計算する。

消費税納税額={課税期間の課税売上高×(1-みなし仕入率)}×5%

みなし仕入率は以下のように設定される(事業区分は課税期間における売上高の内訳に基づいて行なう)

<みなし仕入率>

・第一種事業(卸売業) 90%
・第二種事業(小売業) 80%
・第三種事業(農業、林業、漁業、建設業、製造業など) 70%
・第四種事業(第一種、二種、三種、五種以外の事業) 60%
・第五種事業(運輸・通信業、不動産業、サービス業など) 50%

b.2つ以上の事業を営む場合
2つ以上の事業を営む場合、課税売上高を区分している場合には、事業区分ごとに課税額を算出し、合算することが原則となっている。

1つの事業の課税売上高が全体の75%以上の場合は
「おもな事業のみなし仕入率の適用」
「事業区分ごとにみなし仕入率を算出し、その加重平均の適用(原則)」
の2つの方法から有利なほうを選択することができる。

1つの事業の課税売上高が全体の75%に満たない場合でも、2つの事業の課税売上高が全体の75%以上であれば、
「おもな2つの事業のうちみなし仕入率が高い事業はその仕入率を適用し、残りの事業は、おもな2つの事業のうちみなし仕入率が低いほうの仕入率で計算する」
「原則を適用する」
の2つの方法から有利なほうを選択することができる。

課税売上高を区分していない場合には次のようなみなし仕入率となる。

<課税売上高を区分していない場合のみなし仕入率>

・第一種事業と第二種事業  80% ・第一種事業または第二種事業と第三種事業  70% ・第四種事業と第四種事業以外の事業  60% ・第五種事業と第五種事業以外の事業  50%

2)原則課税との比較
簡易課税は、一度選択すると2年間は継続して適用しなければならない。大規模な設備投資などを行なった場合には、仕入などにかかる消費税額がみなし仕入率よりも大きくなり、原則課税のほうが有利になる場合もある。大規模な設備投資などを予定している場合には、どちらが有利かを慎重に検討したうえで、簡易課税制度を適用するかどうかを選択する。

※税金にはさまざまな例外や特例がある。詳しくは税理士、税務署、国税局の税務相談室などに相談しよう。


最終内容確認日2007年12月

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