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法 律
会社法施行でやるべきこと、できること
会社法の改正により、実際の中小企業経営ではどのような対応が必要か、また、改正を利用してどのようなことができるかを会社形態別に解説する。

目次

1.有限会社の場合

1)株式会社化するか、有限会社のままでいくか

新会社法施行後は新たな有限会社設立はできなくなるが、すでに有限会社を経営している場合は、施行後も有限会社のままでの存続が経過措置として認められる。
一般的には、既存の有限会社の多くが、「有限会社は信用力が劣る」という風潮を嫌い、規制要件が大幅に緩和される株式会社に組織変更するものと見られている。
新会社法施行により、新しい株式会社に適用される規制の多くは、現在の有限会社並みに緩和されるが、それでも有限会社のままでいたほうが会社運営上のメリットを享受できる点がいくつか残る。また株式会社への組織変更には一定の手続きが必要になる。
従って、有限会社が会社法施行を機会に株式会社化すべきかどうかを判断する際には、以下について検討することが重要となる。

・「株式会社という看板」をどう考えるか
・有限会社でいることの実質的メリットをどう考えるか
・株式会社への組織変更の手間をどう考えるか

2)判断基準のポイント

株式会社化するかどうかについては、経営者の考えや、規制の違い、組織変更のための手間や費用なども含めて総合的に判断するのがよい。

【考える際のポイント】
・長年親しんできた「○○有限会社」という名前を変えたくないと考えるか
・「有限会社は信用力が劣る」と言われるが、不利益を感じているか
・既存の有限会社では取締役の任期に制限がないのに対し、新しい株式会社では定款で定めても最長10年間までとなるが、それをどう思うか
・既存の有限会社では決算公告の義務がないのに対し、新しい株式会社では決算公告が必要(現行でも株式会社には決算公告の義務あり)であるが、それをどう考えるか

2.株式会社の場合

新会社法施行後の株式会社では、定款変更などの手続きを踏めば、下記のようにさまざまな点で会社運営の自由度が拡大される。自社の現状や事業承継などの将来展望も含めて、会社運営方法の最適化を図ろう。

1)機関設計を簡素化することができる

機関設計とはわかりやすく言えば、役員構成や取締役会等の会社の運営責任を決めること。
具体的には、中小の譲渡制限株式会社(資本金5億円未満で株式譲渡について会社の承認が必要である旨を定款で定めた会社)では、以下について可能となる。

・取締役は1人以上でよい
・監査役を置かない機関設計も可能
・取締役会を置かない機関設計も可能

さらに、定款で定めれば取締役会の書面決議(持ち回り決議)ができるようになるため、会議を招集する手間とコストが削減できる。

2)役員・監査役の任期を大幅に延長できる

株式譲渡制限会社であれば、定款で定めれば取締役、監査役とも最長10年間の任期とすることが可能となる。
これによって役員の変動が当分見込まれない会社では、任期の更新手続きにかかる手間を削減することができる。

3)円滑な事業承継が行いやすくなる

株式譲渡については、譲渡以外の事由(相続や合併など)による株式移転を防ぐことができない。しかし、新会社法では、譲渡以外の事由による株式移転を会社が承認しないことを可能とする旨を定款に盛り込むことができるようになる。
また、議決権を制限したい場合に発行する種類株式(議決権制限株式)について、これまでは発行済み株式総数の半分未満しか発行できないとされてきたが、この発行数制限が撤廃されることになる。これらの改正により円滑な事業承継が行いやすくなる。

4)利益配当や議決権について柔軟に運用できる

特殊決議(総株主の半数以上、かつ総株主の議決権の3/4以上の賛成が必要)により定款で定めれば、議決権や配当について特段の定めを置くことが可能となる。
これにより、たとえば特定の株主を保有株数以上の割合で優遇することなどが可能になる。また、配当については株主総会の決議さえ行えば、いつでも年何回でも行えるようになる。

最終内容確認日2014年2月

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