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法 律
会社法への対応方法:有限会社編
会社法施行後、有限会社の新規設立はできなくなる。
また既存の有限会社のうち、組織変更を行わない会社は、「特例有限会社」として存続するが、正式には株式会社の一形態という扱いになる。したがって会社法施行を境に「施行前の定義での有限会社」は消滅することになる。

目次

1. 起業にあたって必要な手続き

1)特例有限会社として存続するか、株式会社化するか

会社法施行により、新しい株式会社に適用される規制の多くは、現在の有限会社並みに緩和されるが、それでも有限会社のままでいたほうが会社運営上のメリットを享受できる点がいくつか残る。また株式会社への組織変更には一定の手続きが必要となる。有限会社が会社法施行を機に株式会社化すべきかどうかを判断する際には、以下についての検討が必要である。

<判断の際の検討ポイント>

・「株式会社という看板」をどう考えるか
・有限会社でいることの実質的メリットをどう考えるか
・株式会社への組織変更への手間・費用をどう考えるか

2)特例有限会社として存続する

特例有限会社のまま存続する場合は、基本的に登記や届出などの手続きは不要だが、株主総会(旧社員総会)において決議を行い、定款を変更する必要がある。
なお、旧定款に「議決権の数または議決権の行使」、「利益の配当」、「残余財産の分配」に関して特別に規定している場合は、施行日から6ケ月以内(これより前に他の登記を行う場合には当該他の登記と同時に)に登記する必要がある。

3)株式会社に組織変更する

a)商号変更のみの場合に必要な手続き

株式会社に組織変更する場合は、最低限、商号の変更(○○有限会社→○○株式会社)についての定款の変更を株主総会(旧社員総会)において決議し、株式会社の設立の登記の申請と特例有限会社の解散の登記の申請を行う必要がある。

b)その他事項の変更ポイント

現在の有限会社と株式会社、および会社法施行後に株式会社に要求される基準について、おもなものを以下の表にまとめた。

■有限会社と株式会社の要件比較
現有限会社 株式会社(非公開中小株式会社)
施行前 施行後
最低資本金 300万円 1000万円 1円
取締役の数 1人以上 3人以上 1人以上
取締役会 不要 必要 不要
監査役 不要 必要 不要
取締役任期 無期限 2年 定款で10年まで延長可
監査役任期 無期限 4年 定款で10年まで延長可
取締役を株主に限定 可能 不可 可能
会計参与※ 設置可能
決算広告 不要 必要 必要

※会計参与制度とは、税理士や公認会計士などの会計専門家が会計参与として取締役と共同して計算書類の作成を行う制度のこと。会計参与の職務は会計に関するものに限定され、業務監査を行う必要はない。

2. 起業にあたっての留意点・準備

現在の有限会社が株式会社への組織変更を検討する際に、想定されるおもな課題と対応策、必要な手続きについて以下にまとめた。

■現在、取締役は社長1人だけだが、後継者として息子を取締役に加えたい
対応策 取締役人数を2人にする
手続き (1) 株主総会で息子について取締役選任の決議を行う
(2) 登記を行う

■取締役の任期をできるだけ長くしたい
対応策 認められている最長期間である10年間に設定する
手続き (1) 定款の取締役任期を10年間に変更する

■決算公告のための手間と費用を極力抑えたい
対応策 全国中小企業団体中央会の運営するホームページで公告する
手続き (1) 株主総会で貸借対照表をインターネットで公開する決議をする
(2) 公告を電子公告で行う旨を、定款に記載する
(3) 全国中小企業団体中央会に代行掲載サービスを申し込む
(4) 同会から指定されたホームページアドレスを登記する

■会社の意思決定の際に会議で意見を出し合い、より多様な角度から合理的な検討を行いたい
対応策 取締役会を設置する、取締役会を設置するために必要な機関設計も同時に行う(取締役の数を3人以上にする、監査役または会計参与を設置する)
手続き (1) 株主総会で取締役を設置する旨および、取締役会設置のために必要な機関設計について
  の決議を行う
(2) 定款を変更する
(3) 登記を行う

最終内容確認日2014年2月

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