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販売促進
FC加盟希望者が行なう簡易売上予測

本レポートは、FC加盟を考えている方を対象として、自分自身で売上を予測する簡易な手法をご紹介している。

目次

1. 本部の売上予測を鵜呑みにするな

企業の多角化手段として、サラリーマンの独立手段として注目を集めるFCビジネス。しかし、FCのメリットをうまく活用して順調に運営している加盟店がある一方で、売上不振をなげく加盟店も少なくない。そんな売上不振の憂き目にあわないよう、少しでも精度の高い売上予測のもとに加盟判断を行ないたい。もちろん本部では出店前の立地調査と売上予測を行う。しかし、開業後に加盟店と本部の間に発生しているトラブルの最大要因は、

「売上予測と実際の売上の乖離である」

といわれており、本部の調査に基づく売上予測を鵜呑みにすることは危険。本部はFCシステム運営に必要な加盟金収入を得るため、ときには甘い売上予測を行なう可能性もある。
たしかに、ある程度の誤差はあるだろうが、何も環境変化がない状態で40~50%以上の誤差が開店以来続くのは、いい加減な売上予測を行なっている本部といわれても仕方がない。一例をあげると、ある企業は、都会の繁華街の通行量と同程度の通行量があるというFC本部の調査に基づき、地方都市の駅前に飲食店の出店を勧められた。実際に加盟して運営してみると売上予測の数値にまったく届かない。飲食目的で繁華街に来る都会の通行量と、通勤のために駅を利用する人を中心とした通行量では数値の意味が違っていたのだ。地域性や競合状況といった原因も考えられるが、結局は短期間で撤退することとなった。

「小売業や飲食業は立地産業である」

知名度が高かったり、高度なノウハウをもったFCに加盟するとしても、きちんとした立地・店舗調査に基づく売上予測を行なうことが失敗を避けるためには不可欠。
売上予測の不備による失敗を防ぐためには、本部の売上予測をチェックするという姿勢が必要となる。既存店の立地状況と売上の関係から導き出された数値を利用してきちんとシミュレーションを行なっている本部はそう多くない。特に、出店数が少ない本部ではよほどの独自ノウハウをもっていないと正確な売上予測は難しい。だからこそ、売上予測の数値の説明を受ける際には、どういう調査を行ない、どういうノウハウのもとに算出したのかを本部の担当者に確認することが重要。

次章で紹介している売上予測の方法などを参考にしながら、本部の売上予測をチェックする方法を身につけてほしい。

2. 売上予測の方法

1)売上予測の考え方

加盟希望者にも比較的簡単にできる売上予測の方法として、既存店舗の実績から推定していく方法がある。これは、既存店舗の売上と店舗環境を調査し、自分が出店しようとする店舗環境での売上を客観的に予測するもの。売上はその店のオペレーションの状況によって変化することがあるので完璧な手法とはいえないが、本部が通行量調査だけの精度の低い売上予測を見抜く材料になる。
自分自身で行なった売上予測と本部の提示する売上予測との比較を行ない、どこに差が生じる原因があるのかを納得いくまで検討すること。こうすることで失敗の確率をある程度は引き下げることができる。
ただし、本部側が既存加盟店の数値を教えてくれなかったり、加盟店オーナーの話を聞かせてくれないことも。その際は直営店の数値を用いるか、加盟を見合わせることも必要。

2)売上予測のポイント

(1)比較店舗の選定
まず、自分の出店するタイプに合致する既存店舗を数店舗選ぶ。ただし、特異な数値の出やすいキャンペーン中の店舗やオープン直後の店舗は避けること。本部は優良店を紹介したがるが、売上別に紹介してもらうとよい。精度の高い比較をするためには、よい成績、普通の成績、悪い成績の2店舗程度ずつ、6店舗程度は調査しておきたい。

(2)チェック項目の設定
以下に紹介する項目をチェック項目として設定し、チェックシートを作成。ポイントは店舗そのものの状況、その店舗がおかれている立地の状況、そして商圏全般の状況という3つの視点から調査すること。もちろん項目については業種により自由に設定を変更してもかまわない。大切なことは売上に関わりそうな項目を設定して、複数の店舗を客観的に評価し、自分の店舗の売上予測に役立てること。

チェックポイント項目例

【店舗状況】

□ 視認性

□ 出入りのしやすさ

□ 駐車場・駐輪場

□ 店舗の広さ

□ 店舗の形状

□ 店舗運営状況

【立地状況】

□ 前面通行量

□ 通行客タイプ

□ 集客施設との位置関係

□ 競合店の状況

【商圏状況】

□ マーケットボリューム

□ マーケットの質

□ 商圏の適性

※マーケットボリュームや質の評価については、市役所などの統計資料、「民力」(朝日新聞社発行)などを参考にしたり、地区の商工会・商工会議所などでヒアリングするとよい。

(3)個別店舗のチェックシート作成
オリジナルのチェックシートを作成したら、実際に店舗を訪問してシートに得点を記入していく。複数の店舗を調査するのは大変かもしれないが、FC加盟という多額の投資を行なうことを考えればけっして無駄なことではない。得点は自分自身の判断で自由につけてかまわないが、備考欄を利用して細かな点もメモしておくこと。

(4)店舗間の比較表作成
個別店舗のチェックシートで評価したそれぞれの店舗の状況を一覧にする。シートを記入する時点で各店のチェックの仕方に差がなかったかどうかも最終確認しておく。

(5)予測の実施
店舗の比較シートが完成したら、まず売上予測を行なう。その後、縦軸を売上、横軸を診断結果の得点とし、結果をグラフにプロットする。おそらく各店舗の点の間を結べるような直線が描けるはず。そして、自分が出店しようとする店舗に架空の点数をつけてみて、先に描いた直線上にプロットし、期待できる売上を確認。

こうしたチェックを自分自身で行った結果、本部が提示する売上予測との乖離が大きい場合には、十分に時間をかけて本部の売上予測の根拠を確認すること。もしも、どうしても納得できないようであれば、加盟を見送るべきだといえる。

最終内容確認日2013年10月

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