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中期経営計画の策定手順

目次

1.中期経営計画の必要性

1)計画を立てることの効果

企業が成長発展していくためには、日々の業務を滞りなく遂行するのはもちろんだが、つねに自社の将来を見据え、進むべき道を明らかにすることが大切である。
 また経営計画を立てることで、
 ・消費者、金融機関、関係取引先との信頼関係を築くことができる
 ・経営者の使命を再確認することができる
 ・経営資源の配分を明確にできる
 ・経営計画の策定を通して、社員間の意識の共有化を図ることができる
 ・教育訓練の方向性を定めることで長期的視点にたった人材育成を行なうことができる
などの多くのメリットを得ることができる。

2)計画の策定を成功させるために

計画の策定は正確な情報にもとづく現状分析を行なうために、各役員による詳細な現状把握を必要とする。また部門間の利害関係などもあり、目標を設定するには一定の時間を要する。
しかし、これらのことをあいまいにしたまま中期経営計画を作成したのでは、実践的な計画書をつくることができない。また立派な計画書ができても社員の行動に生かされなければ意味がない。したがって、「現状把握→計画策定→実行」という全体の流れのなかで、中期経営計画を策定していく必要がある。
計画策定手順の具体的な方法については、次でご説明する。

3)計画を立てる前に経営ビジョンを確認する

経営ビジョンとは、自社の将来のあるべき姿を具体的に表現したものである。企業はその将来のビジョンを実現するために経営計画を策定し実行するのであるから、その前提として自社の経営ビジョンが明確になっていなければならない。
また経営ビジョンが明確になっていたとしても、現在の事業内容や経営環境の変化にそぐわないものであれば再度構築する必要がある。
計画を立てる前に、もう一度自社の経営ビジョンを確認してみよう。

2.中期経営計画の策定手順

経営計画の構成は、企業の求めるレベルに応じて作成するものである。どの程度のことを計画書としてまとめ自社の目標として知っておきたいのかを明確にして、自社に適した計画書を作成する。
一度で完璧な計画書にしようとせず、経営計画を立てていくたびに使いやすいように変えていくという気持ちで作成するとよいだろう。
中期経営計画は、一般的に次のような手順で策定する。

 ステップ1 自社の現状分析と成功要素の検討
 ステップ2 今後の経営目標の設定
 ステップ3 経営計画の策定
 ステップ4 計画推進体制の整備

1)自社の現状分析と成功要素の検討

まず、自社の現状と過去からの経緯を分析し、今後の企業環境の変化を踏まえたうえで、自社が獲得すべき成功要素を明らかにする。具体的には、
 ・自社の現状分析
 ・過去の成功要因の分析
 ・今後の企業環境の変化予測
 ・今後の成功要素の検討
という手順になる。

(1)自社の現状分析

現在、自社において
a.営業構造...売れる仕組みができているか
b.商品力...優れた商品力をもっているか
c.収益構造...利益を継続的に確保できる仕組みができているか

といったことを検討する。すなわち自社の現状における問題点と強みを明確にするわけである。

a.営業構造

営業構造とは、売れる仕組みということであり、 ・自社が業界内、販路内においてどのような位置にあるか ・存続、成長していく産業にあるか ・販売経路の流れのなかで、影響力のある良好なポジションにあるか ・取引の状態や取引先についてはどうか ・営業組織は効果的、効率的であるか という点について検討し、不十分な点について今後の方向性と達成レベルを決定するものである。

b.商品力

取り扱っている商品分野や品揃え、各商品の競争力や企画開発力、生産技術力について検討する視点である。もちろん、そのなかで不十分な点については、今後の方向性と達成レベルを決定する。

c.収益構造~商品-市場マトリックス~

商品と市場の関連から、将来における自社の商品、市場、顧客を明確にし、どのような状態が実現されるかを具体的な数値でとらえることで、収益構造を明らかにする。

(2)過去の成功要因の分析

自社の現状分析をもとに、過去における成功要因を分析する。その際には、当時の経営環境と自社の取り組み状況の2点から検討する。
たとえば、
 ・当時の市場
 ・競合企業の取り組み
 ・自社の商品
 ・営業体制
 ・メーカー、卸、小売りの取り組みと力関係
という項目がそれぞれどのようであったかを検討し、そのなかでもっとも重要と思われる項目をピックアップする。

(3)今後の企業環境の変化予測

今後、自社の環境がどのように変化していくのかを予測する。その際には、
 ・(2)で検討した環境がそれぞれどのように変化していくか
 ・今後、新たに生じる変化としてどのようなものが考えられるか
という点について検討するのが効率的である。またそれらの情報収集においてミクロの視点では経営者の方々が感じているもの、あるいは同業界のなかでの話が指標となるが、マクロの視点では業界紙や業界団体、公的機関などを利用した調査も効果的である。

(4)今後の成功要素の検討

(1)~(3)の結果を踏まえ、自社が今後も存続・発展していくためには何が必要かを検討する。すなわち、変化していく社会のなかで、本業界において存続、発展していくために必要な要素を取り上げ、それを自社に置き換えてみたとき何が足りないかを明確にしていく作業である。
もちろん、今後の対応としてはいくつかの方向性が考えられるだろうが、その際には、
 ・自社の目標とするところ
 ・自社の取り組みやすい方向
という点から検討することになる。
また、長期的成長を目指すには、新規事業への取り組みも検討したいものである。

2)今後の経営目標の設定

ここでは、ステップ1で検討された現状と今後の成功要素をもとに、将来の経営環境における自社の存続基盤と経営戦略のポイントを明確にする。
具体的には、「売上高などの収益目標」「商品、事業、組織の施策などの体質強化の目標」「新事業、新市場などの先行投資の目標」など、各部門の部門方針を立てるための前提となるものを設定する。そして、これらをもとに関連する部門が、全社的経営目標を考慮した目標を設定する。
営業部門であれば売り上げ目標、新規開拓件数であり、生産部門であれば生産目標、コストダウン目標、工程改善目標であり、人事部門であれば人件費目標、人材採用目標、人材育成目標を設定していく。

3)経営計画の策定

全社的計画と各部門計画の整合性をとりながら、設定された目標値をもとに、各部門は計画策定作業を行なう。この時点で目標達成が困難であるとの結果が出た際には、目標の妥当性について検討することになる。
設定すべき計画の種類は、企業規模や部門により異なるが、おもなものとして次の計画が考えられる。
 ・営業部門 ... 販売計画、販売促進計画、回収計画、在庫計画
 ・製造部門 ... 生産計画、投資計画、人員計画、外注計画
 ・経理部門 ... 資金調達計画、資金運用計画
 ・総務部 ... 社内行事計画、経費計画
これらの計画はそれぞれ関連性をもっているため、計画策定前には計画間の事前調整が必要となる。そして、経営のトップは各計画をもとに全社的計画を策定し、全体から最終調整を行なっていく。計画書には期別の計画が書き込まれているが、具体的には売上高などの収益性、生産性の目標や予算のほか、重点目標などに関する項目が必要である。計画策定にあたっては、具体的な行動ステップ、担当者、スケジュールを決定する。

4)計画推進体制の整備

計画を推進するための実行予算、推進管理体制を策定する。実行予算はもちろん重要だが、計画を推進・管理する体制、たとえば「計画推進委員会」というようなメンバーや役割を決めておくことも重要である。


最終内容確認日2013年10月

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