トップページ  >  起業する  >  経営ハンドブック  >  経営計画を生かすための進捗管理

新規事業
経営計画立案
経営計画を生かすための進捗管理

目次

1.計画管理と進捗管理

1)計画管理の意義

計画を立ててそれに沿って業務を遂行する。当たり前のことのようであるが、多忙を極める中小企業経営者にとってこれを確実に実行していくことは難しい場合も多いだろう。そして自分だけではなく従業員全員に習慣化させ、さらに会社全体の仕組みとしても定着させるためには、かなりの努力が必要だろう。
また、とくに計画を立てることを意識しなくとも業務をこなせてしまうことも多いため、計画策定の重要性そのものをさほど意識されていない方もいると思われる。
しかし、計画なしに「仕事が回っている」という状況は「結果として回っている」だけであり、明日も同じように回るとは限らない。たとえ明日も回ったとしても、計画に基づいて業務を行なっていれば、より大きな成果を達成することができたかもしれない。
会社を確実に存続・成長させていくためには、「仕事に追われる状況」から「仕事を設計する状況」に脱皮しなければならず、ここに計画管理の意義がある。
計画管理とは、計画を策定してそれに沿って仕事を設計し、業務を遂行するための仕組みであり、そのプロセスは、
 (1)計画を策定する
 (2)計画を実行する
 (3)計画と実績の差異分析を行なう
 (4)差異分析結果を次の計画につなげる
というステップからなる。
そしてこのプロセスは「(1)→(2)→(3)→(4)→(1)→(2)→...」と繰り返されていくため、計画管理サイクルとも呼ばれている。

2)進捗管理とは

進捗管理とは前述の計画管理のプロセスの(3)と(4)にあたる部分、すなわち、計画と実績を比較し、差異がある場合にはその原因を特定し、計画や施策の見直しのための参考資料とすることである。
計画と実績の差異分析は大きく分けて
 (1)計画が妥当なものではなかったのではないか
 (2)計画を実行するための施策に問題があったのではないか
 (3)経営環境に大きな変化があり、計画が現在の環境に合わなくなったのではないか
という3つの視点で進める。
十分な差異分析により原因を特定して、計画や施策の見直しを確実に行なっていき、どの時点においても外部環境や自社の現状から考えて妥当な計画が設定されており、計画達成に向けて最適な施策が効率的に展開されている状況を実現することが進捗管理の目的である。

2.経営計画の進捗管理

1)経営計画とは

経営計画とは「会社を将来的にこのようにしたい」という経営ビジョンを実現するためのプロセスを示すものであり、今後3年程度の計画である中期計画や、今後1年間に限定した単年度計画などがある。
またそれぞれの経営計画は「全社計画」「部門計画」「個人計画」という流れでブレイクダウンされていく。
つまり経営計画とは、経営ビジョン実現のための、長期から短期までの各期間ごとの計画であり、また、全社から個人までのさまざまなレベルごとの計画であるということができる。これらすべての経過の進捗を管理していくことが、経営計画の進捗管理である。

2)経営計画の進捗管理の留意点

(1)多段階で進捗管理を行なう

前述のように経営計画は最終的には個人の業務計画にまでブレイクダウンされる。ではどの段階で進捗管理を行なうべきなのだろうか。
じつは計画がブレイクダウンされていくすべての段階で進捗管理を行なう必要がある。 たとえば、A事業部にはa課、b課があり、B事業部にはc課、d課があるとしよう。また、A事業部のa課には、eさん、fさん、gさんがいる。
全社計画の進捗管理の結果、A事業部に問題があったとする。A事業部がその原因を探るためには、a課とb課それぞれで進捗管理が行なわれ、どちらに(または双方に)原因があるかが明らかになっていなければならない。
さらにa課に問題があった場合、同様にeさん、fさん、gさんすべての進捗管理ができていないと原因を特定できない。
またB事業部では問題がないという進捗管理の結果が出たとしても、それはあくまで事業部全体であり、c課の大きな問題をd課がカバーしていることも考えられる。
このように経営計画の達成状況を正確かつ緻密に把握するためには、さまざまなレベルでの進捗管理が必要となる。

(2)短いスパンで定期的に進捗管理を行なう

進捗管理によって判明した問題に対しては、ただちに原因を特定し計画そのものや計画遂行のための施策の見直しを行なわなければならない。
たとえば経営環境の大きな変化により計画そのものが不適切になっているのに、その不適切な計画達成のためにさまざまな施策を展開しているという期間が長期にわたれば、その間に大きな経営資源の無駄な投入が行なわれると同時に、正しい計画に修正しそれに沿って施策を展開していたら得られたであろう成果の機会損失になる。
また、計画遂行のための施策が不適切であった場合には、進捗管理によって早期に正しい施策に修正することによって、不適切な施策への無駄な経営資源の投入と、正しい施策の展開による成果の機会損失を最小限に抑えることができるのである。

さらに進捗管理を定期的に行なうことによって、1.で述べた計画管理サイクルのスパンが明確になり、一定期間ごとに進捗管理を行なうとするルールが定着しやすくなるという効果もある。
しかしながら管理サイクルのスパンを極端に短くすると、進捗管理に関わる業務が煩雑になり、弊害をおよぼす恐れもある。
組織の規模や事業内容にもよるが、管理サイクルのスパンは、事業部単位で1カ月、課・係の単位で1週間、個人単位では毎日というのがひとつの目安になるだろう。

(3)定期的な報告会・個別レビューなどを行なう

進捗管理の実際の進め方としては、上記のそれぞれの管理サイクルのスパンで、進捗管理のチェックを受ける側が計画と実績の差異分析を行ない、 会議などで報告し、討議のうえで計画の見直しや施策の修正などを行なうといったことが基本になるだろう。
たとえば(1)で述べたA事業部の進捗管理を行なう場合には、A事業部長がa課、b課およびA事業部全体の計画と実績の差異分析を行ない、事業部長会などで報告してほかの事業部長のコメントや経営者の指示を仰ぐ。A事業部長は事業部長会での討議内容を踏まえ、施策の修正や計画の見直しなどを行なう。
同様にa課の進捗管理を行なう場合には、a課長がA事業部の内部会議で報告を行ない、コメントや指示を受けることになる。
また、とくに短期間で集中的に取り組まなければならない業務の進捗管理については、定期的な報告会などだけではなく、上位者とのマンツーマンのレビューを行なう必要も出てくるだろう。

最終内容確認日2013年10月

Copyright © WizBiz Inc.
このコンテンツの著作権は、WizBiz株式会社に帰属します。著作権の承諾なしに、無断で転用することはできません。

テーマ別

  • 起業・開業
  • 新規事業
    経営計画立案
  • 経営診断
  • 販売促進
  • 中小企業経営
  • 法 律
  • 人事・労務
  • 経理・財務

業種・業態別

  • フランチャイズ
  • 小売業
  • 飲食業
  • サービス
  • 医 療
このページの先頭へ
起業するコンテンツ一覧
  • 事業計画作りや実際の起業準備そして開業まで。起業を目指す人の『こんな時どうする?』に応えます。

  • 法律知識や経営診断など、起業準備段階はもちろん、実際に起業・開業してからも使える豊富な情報を掲載。

  • 『国の補助金を活用して創業するには?』についてご説明します。

  • 中小企業や個人投資家にとってのメリットを、その仕組みや優遇措置について詳しくご紹介します。

  • 起業・開業を考えている職種の消費者利用動向がすぐにわかる、職種別データ一覧。

  • 200以上の業種・職種から選べる開業準備手引き書。

  • 最新のビジネストレンドや中小企業が直面する経営課題など、読み物コンテンツをまとめています。

  • 若手起業家にインタビュ—。「社会人起業」と「学生起業」それぞれの選択を対比しながら起業のカタチを探ります。