経営ハンドブック

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新規事業_経営計画立案
新規事業計画書:方向性を検討する

目次

1.既存事業から見た方向性の検討

すでに事業を展開している企業では、新規事業の方向性を既存事業の延長線から見出していく。たとえば事業展開の方向性を次図で表わす4つのパターンから検討する。

【図表】新規事業の方向性マトリックス

  既存の技術・ノウハウ →  新規の技術・ノウハウ







a.市場浸透の展開
 ・既存事業をさらに深く掘り下げる方向性
b.新技術の展開
 ・現在の市場に対し、製品改良や新製品によって新しい需要を開拓する方向性
c.新市場の展開
 ・現在保有の技術や製品を、新しい市場チャネルや販売方式で展開する方向性
d.新市場・新技術の展開
 ・市場も技術もまったく未経験な事業に進出する方向性
  ※注:a~dが新規事業の展開となる  

既存事業との相乗効果と経験を活かす観点から、「a→b→c→d」の順序で新規事業の方向性を探っていく。この順番は一般的に事業リスクの高まる順番でもある。 b.新技術の展開、c.新市場の展開は、現有の事業ノウハウの技術や市場を軸に置き、新規事業を模索していくことから、比較的容易な事業を着想できる。 しかし、d.新市場・新技術の展開となると、自社には事業ノウハウがまったく存在せず、リスクの高い事業分野であるといえる。

実際に、自社の新規事業の可能性を整理してみよう。その際は、市場を「既存」から「関連」、「新」市場へと、また、ノウハウや技術も同様に、新規性を高めながら3段階で検討し、さらに、双方の視点をマトリックスにして9つの新規事業分野に分類すると整理しやすい。自社の既存事業を基点にして、順番に考えられる新規事業を列挙し、多角的に新規事業の方向性を見出していくとよい。

<新規事業の方向性>

【既存市場】
 1.市場浸透の展開
 2.関連技術で展開
 3.新技術で展開
【関連市場】
 4.関連市場への展開
 5.関連市場への関連技術での展開
 6.関連市場への新技術での展開
【新市場】
 7.新市場への展開
 8.新市場への関連技術での展開
 9.新市場への新技術での展開

2.独立開業者から見た方向性の検討

独立開業で新規事業を展開する場合、自分自身が保有しているノウハウや置かれた生活環境から新規事業の方向性を見出していく。たとえば、次の4つの視点から事業のアイデアを整理し、新規事業の方向性を明らかにするとよい。

(1)自分が保有している「強み」からのアプローチ

 ・これまで培ってきた仕事での実績、経験
 ・製品、サービスにかかわる技術や技能、ノウハウ ・資格、免許などの顕在化している専門能力
 ・独創的なアイデア
 ・豊富な個人資金
 ・広範な人的ネットワーク
 ・健康、若さ、精神力、やる気など

(2)自分のやりたいことからのアプローチ

「自分がやりたいことは何か」「自分の好きなことは何か」といったことを明らかにし、その延長線上に新事業の"ネタ"があると考える。

(3)自分のライフスタイルからのアプローチ

家族を含めた自分のライフスタイルを整理してみる。たとえば、要介護の高齢者が自宅にいる場合、介護をしている経験を活かし介護ビジネスを構想してみるなどが考えられる。

(4)社会の変化からのアプローチ

これから有望なビジネスは何か、将来はやりそうなビジネスは何かという視点で、自分が興味あるビジネス分野から整理するのもひとつの方法である。ビジネスに栄枯盛衰があるという考えから、次のような事業ライフサイクルの各過程で事業の方向性を探ってみるとよいだろう。

・未知ビジネス... ある特定の人が温めているようなビジネス
方向性の例:自分が独創的な事業シーズを見出す
・有望ビジネス... 将来有望視されているが、事業化はまだ本格化していないビジネス
方向性の例:事業を立ち上げるスピードを確保する
・成長ビジネス... 成長の過程にあり、参入者が増加しているビジネス
方向性の例:多数の競合に負けない差別化項目を見出す
・成熟ビジネス... 市場の成長が止まり、価格競争、寡占状態が強まったビジネス 方向性の例:飽和、成熟した市場のすき間を狙うような事業アイデア をさがす
・衰退ビジネス... 市場が縮小し、撤退企業が増加しているビジネス
方向性の例:衰退した市場を蘇生させる事業アイデアをさがす

上記の(1)~(4)それぞれについて、

(a)現状や思いつくものを列挙する

(b)aから事業化できそうなものをイメージ化する

(c)bを整理して自分が実行できそうな新規事業の方向性を見出す

というように、段階的に方向性を探っていく。

最終内容確認日2018年2月

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