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経営計画立案
新規事業計画書:計画策定の意義

目次

1.新規事業計画書策定の意義

会社の既存事業が成熟・衰退すると、近い将来大きな収益が見込めなくなる。そこで将来の収益の柱を築くために新規事業を展開しようとするだろう。あるいは、個人やグループが自分たちの夢やビジョンを実現するために、起業家精神を発揮し、新たに事業を立ち上げることもあるだろう。しかし、新規事業を立ち上げるには大きなリスクが伴うため、事前に綿密な「新規事業計画」を策定する必要がある。

2.作成の効果と目的

新規事業計画書は使い手・読み手によって、活用する目的のウエートが異なってくる。

  ・経営者や起業家... 計画自体の論理性、妥当性が増すといった効果が期待できるほか、事業の進捗状況を確認し、的確な軌道修正をすることが容易になる。
  ・社員やスタッフ ... 会社の新たな方向性を理解することができ、自分自身が果たすべき役割を確認し、自分の業務計画に落とし込んでいくことが可能になる。
  ・金融機関や提携先など外部関係者...会社の方向性に理解を求めることができる。

自社において計画書作成の目的はどこにあるのか、どのような効果を期待するのかを、整理しておくとよいだろう。

  <新規事業計画の目的>
【内部向けの目的】   【計画書のアピールポイント】   【外部向けの目的】
●経営者・起業者など作成者自身の目的
 ・実行可能な事業の構築
 ・経営覚悟の再認識
 ・計画実行後の進捗確認
●社員・スタッフへの効果
 ・社内の説得ツール
 ・士気の高揚
 ・役割の認識






◇事業の魅力度

◇事業としての成長性

◇計画の整合性・妥当性

◇事業実現の可能性







●金融機関やベンチャー
 キャピタルへの理解
 ・資金調達
 ・経営アドバイス
●外部パートナーへの理解
 ・事業の共同化
 ・経営資源の補完
●事業コンテストへの参画
 ・各種支援者の獲得
 ・各種公的助成
見せる相手別の作成ポイント

1.社員・スタッフ
 ・全社員の士気が高揚し、新規事業に対する価値観を共有できるような、夢を訴える内容にする
 ・各社員や部門が役割を認識し具体的な目標をもち、かつ行動できるような内容にする
2.金融機関やベンチャーキャピタル
 ・緻密な分析により、論理立てた成長の可能性を説明した内容で、30枚程度の詳細な事業計画書を策定する
 ・技術やノウハウ、販売力、財務力、経営管理力などの企業総合力が客観的に判断できるような内容にする
3.提携先など外部のパートナー
 ・事業の夢をアピールし共有できるような内容にする
 ・パートナーに何を期待するのかと同時に、何が提供できるのかを明示する
4.事業プランコンテストや政府系金融機関
 ・基礎項目をおさえた10枚程度のシンプルでわかりやすい内容とする
 ・新規事業を展開する経緯や背景、優位性のある中核能力、黒字化の目処などをアピールする

3.新規事業計画策定の手順

新規事業計画は、おもに次ような手順で策定される

<新規事業計画策定の手順>

1. 新規事業の方向性の検討
2. 事業コンセプトの明確化
↓↑
3. 事業環境の分析 および 経営資源の把握
↓↑
4. 経営課題の明確化
5. 実行計画の策定
・全社(基本)計画の策定
・事業の採算評価
・個別計画の策定
6. 計画実行

このプロセスは、仮説化→現状分析→課題の抽出→解決策の確定→実行のプロセスを経て新規事業計画を実行可能なレベルまで引き上げていく。

4.新規事業計画書の構成

実際の作成にあたっては、第三者が見てもわかるように、わかりやすい構成にすることが大切である。計画書の構成、盛り込む内容は以下のとおり。

<新規事業計画書の構成モデル>

1.基本計画
 ・プロフィール
 ・事業コンセプト
 ・事業環境の分析
 ・新規事業の展開方法

2.事業性の評価
 ・事業性の評価
 ・事業化ステップ計画

3.事業採算計画
 ・事業採算シミュレーション
 ・利益計画

4.詳細計画
 ・自社の経営資源の詳細把握
 ・各業務機能の個別計画

5.計画書作成上の留意点

1)計画書には論理性・整合性があるか

・全体計画から説明がはじまり、それを具現化するための部分計画がトップダウン的に明らかにされている
・基本構想を掲げ、現状分析、問題点や課題点、解決策、実行方法など問題解決プロセスで示されている
・実行するための手順や優先順位を示し、事業展開のシナリオが描かれている

といった内容が計画書には論理的に展開されていなければならない。また、計画書に整合性をもたせるということは、事業コンセプトを中核に首尾一貫した事業施策が練られ、事業環境の各分析がそれを裏付けている、ということである。

2)計画は「仮説-検討」が繰り返されているか

まず事業アイデアとしての仮説を立て、市場性を分析し、自社能力からみた実現性を分析する、など仮説の妥当性を検証していく。そして、障害となる問題点が生じたら、さらにそのハードルをクリアする仮説を構築していき、事業アイデアを成長させ計画をふくらませていく、といったプロセスを繰り返す。

3)理想と現実がうまくミックスされているか

新規事業計画書は経営者の理想やビジョンを熱く訴えると同時に、客観的なデータを盛り込むことにより、第三者にその「妥当性」や「現実性」を認めさせることが大切である。

4)具体的かつ定量的な記述にする

計画書全体を通じて、だれが(Who)、何を(What)、だれに(Whom)、いつまで(When)、どこで(Where)、どれくらい(How)を明確にし、具体的、定量的に理解させることが必要である。

5)リスクをおさえる工夫がされているか

新規事業には大きなリスクが伴うため、事業計画の策定においてもリスクをおさえる工夫が求められる。たとえば、当初は控えめな目標を立て早期に資金を回収し、実績や成功体験を築きながら事業を拡張していく、パートナーシップやアウトソーシングを取り入れ、事業投資のリスクを分散する、などを計画書中に盛り込んでいく。

最終内容確認日2013年10月

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