経営ハンドブック

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サービス業の魅力と大変さ
サービス業の魅力と大変さ

目次

サービス業の概要

 サービス業は大変幅広い概念であり、日本標準産業分類(総務省が産業の分類を定めたもの)においても複数の項目が設定されています。
 具体的には、専門サービス業(法律事務所、税理士事務所、翻訳業や通訳業等)や生活関連サービス業(美容業、理容業、家事サービス業等)などがあり、企業や個人が求める、形のないサービスを提供することが主な業務となります。

 ここでは、自らの専門性を生かして顧客ニーズに対応できるサービス業の魅力や、サービス業の特性を踏まえた販売促進のポイントについて紹介します。

サービス業の魅力

 専門サービス業や生活関連サービス業などで起業することの魅力は、自ら培った経験やノウハウ、専門性や資格などを生かしたサービスの提供を通じて、顧客にダイレクトに喜んでもらえることでしょう。

 接客やサービスの提供方法にこだわり抜き、企業や個人のニーズに的確に応え、「お陰さまで助かりました」「ありがとう」と感謝して頂けることの喜びは、サービス業の醍醐味と言えます。
 サービス業を立ち上げた起業家の先輩からも「'お客さんの役に立てている'という実感が得られる」「お客さんからの感謝に生きがいを感じる」という声が聞かれます。

 経営的な観点においても、サービス業は他業種と比べて初期投資が少なくて済み、サービス内容さえ明確になっていれば直ぐにでも始められるという利点があります。

 また、個人事業であっても、サービスの品質や独自性が顧客の支持を得られれば、大手サービス業とも対等に勝負することができます。顧客からのダイレクトなフィードバックを日々の経営に生かすことで、売上や利用客数という目に見える成果に繋がりやすく、改善活動にも張り合いがでる業種と言えます。

サービス業の大変さ

 サービス業の大変さの1つは、「集客が難しい」ことです。サービスは目に見えないため、品質の良し悪しは実際にサービスを購入して体験してみるまで分かりません。つまり、サービスそのものに自信を持って起業しても、顧客にそのサービスを知ってもらい、興味を持ってもらい、実際に試してもらい、質の高さや魅力を十分に理解してもらい、継続的に利用してもらえない限り、継続的な売上には繋がらないのです。

 そのため、特に事業を開始したばかりの状況においては、「顧客に自らのサービスを体験してもらい、その魅力を理解して頂くための工夫」が必要不可欠です。実際のサービス業経営者たちも、「ホームページにサービス内容の動画や既存顧客の声を掲載し、できる限り分かりやすく自社サービスの魅力を伝えている(税理士事務所)」「初回割引や紹介割引を設定することで、新規顧客にとっての来店ハードルを低くしている(美容業)」などの工夫を行っています。

 このように「自社サービスの見える化」や「初回利用時のハードルを下げる」努力をすることで、サービスの「目に見えない」という特性をカバーしているのです。

 サービス業で起業し、成功を志すのであれば、サービスの品質や独自性を追求するとともに、それを分かりやすく顧客へ伝える工夫をし続けることが重要なのです。