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飲食業
飲食店の接客パワーアップ

本レポートは、飲食店経営者の方を対象に、飲食店の接客サービス向上のための施策を紹介している。

目次

1.飲食店の接客サービス

1)接客サービスの重要性

何度も行きたくなる飲食店とはどんなお店か? 「おいしい料理」「手ごろな価格」「くつろげる雰囲気」...、そして、一番重要なのが「行き届いたサービス」を提供してくれる店であろう。「オーダーしようと目を向けただけでオーダーを取りに来てくれた」「おしぼりを手渡してくれて、お薦めの料理も詳しく説明してくれた」「食事を終えるとすぐにお茶をもってきてくれた」「お待たせしました、失礼しますといった一言に心がこもっていた」など、スタッフの接客サービスに感動した顧客はきっと店のファンになってくれるはずだ。

逆に、どんなに料理がおいしくても、サービスに不満をもった顧客は「こんな店には二度と来るものか」という気になる。たとえば、「いらっしゃいませの言葉がなく、黙って席を指でさされた」「いつまでたってもオーダーを取りに来ない」「黙って料理を置いて行った」「食後のデザートが催促するまで出てこなかった」など、スタッフの些細な言動が、顧客の満足度と店に対する評価を簡単に左右する。顧客に「いい店だった」と満足感を与え、「また来よう」と思わせるには「行き届いた接客サービス」が欠かせないのだ。

2)接客サービスのポイント

サービスとは、顧客ニーズを察知し、その実現のためにとる言動のこと。このことを前提として、実際に接客サービスを行う際のポイントを以下にまとめている。

◇接客サービス5つのポイント◇

親切 お客様の側に立ったサービスを
  例:小さな子供連れのお客様に子供用の椅子を勧める
正確 ミスなどでお客様を不愉快にさせないように注意
  例:オーダーを復唱する際にお客様の顔を見ながら確認する
公平 どのお客様にも同じサービスを提供する
  例:常連客をあからさまにひいきしない
迅速 お客様をお待たせしないように注意
  例:お客様が何かして欲しい素振りを見せたらすぐに近寄る
清潔 お客様の口に入るものを扱っていることを自覚する
  例:ユニフォームはこまめにクリーニング

以上の5点は基本中の基本。「そんなことはわかっている」と思う人も多いだろう。しかし、本当にこの5点が自店で実践されているか、もう一度振り返ってみて欲しい。「頭ではわかってはいても実行できていない」、もしくは「スタッフに徹底されていない」ということが意外に多いのではないだろうか。次章からは「接客サービス5つのポイント」を徹底させ、接客力アップを図るためのポイントを解説していく。

2.接客力アップのために

1)現状の把握

【自分の目で評価する】

まずは、自店の接客サービスの現状を知り、そのうえでどこを改善しなければいけないのかを知る必要がある。そのために、前章で述べた接客サービスの基本が、自店でどの程度実行されているかをチェックしてみよう。自分自身が客となり、顧客視点でチェックしてみるとより効果的だ。

親切 □お客様に常に気を配っており、何かして欲しい様子は即座にわかる
□お冷やが空になったら、催促される前に水を注いでいる
□お客様の食事の進み具合に合わせて料理を運んでいる
□食器を下げるときにはお客様に声をかけている
正確 □オーダーは必ず復唱しておりオーダーミスがない
□お客様に注文品を確認しながら料理をテーブルに置いている
□料金計算、おつりなどお金に関する間違いがない
□自店の商品(料理)やサービスに対する知識がある
公平 □なじみのお客様をあからさまにひいきしていない
□お客様を身なり、身分、注文品などで差別していない
□原則として、先に注文を取ったお客様に先に料理を出している
□体調やその日の気分によってサービス内容が変わることはない
迅速 □料理ができたらすぐに運んでいる
□お客様に呼ばれたら即座に応対している
□お客様を待たせてイライラさせることはない
□お客様をお待たせするときには状況説明をしている
清潔 □店内の整理整頓および清掃が行き届いている
□従業員の身なりは清潔で整っている
□衛生管理が徹底している
□お客様が帰ったらすぐに食器を下げている

【客観的な目で評価する】

客観的に評価するために、サービスチェック専門の人材を採用している飲食店もある。某大手和食レストランでは、外食産業にできるだけ縁遠い人を採用し、外部の教育機関に育成を依頼し、各店舗スタッフのサービス状況を客観的な視点でチェックしている。

中・小規模の飲食店では、客観的な評価を行うために専門の人材を雇うことは難しい。しかし、来店客にサービスに関するアンケートをお願いする、家族・知人に客として来店してもらいチェックしてもらうなどの方法で客観的なチェックはできる。

◇アンケート用紙の例◇

  本日はご来店いただきましてありがとうございます。今後の参考にさせていただきたいと思いますので、アンケートにご協力下さい。
●料理:
 味 (5.大変良い 4.良い 3.普通 2.良くない 1.大変良くない)
 量 (5.大変良い 4.良い 3.普通 2.良くない 1.大変良くない)
 メニューの種類 (5.大変良い 4.良い 3.普通 2.良くない 1.大変良くない)
 価格 (5.大変良い 4.良い 3.普通 2.良くない 1.大変良くない)
 料理の提供時間 (5.大変良い 4.良い 3.普通 2.良くない 1.大変良くない)
●従業員:
 態度 (5.大変良い 4.良い 3.普通 2.良くない 1.大変良くない)
 笑顔 (5.大変良い 4.良い 3.普通 2.良くない 1.大変良くない)
 言葉遣い (5.大変良い 4.良い 3.普通 2.良くない 1.大変良くない)
●店:
 清潔感 (5.大変良い 4.良い 3.普通 2.良くない 1.大変良くない)
 雰囲気 (5.大変良い 4.良い 3.普通 2.良くない 1.大変良くない)
-他にお気づきになった点があればお書き下さい-


2)接客マニュアルの作成

接客サービスは前章で述べたとおり、「公平」を守ること。お客様AさんとBさんがいた場合、Aさんに行ったサービスをBさんには行わなかったということがあってはならないのだ。公平なサービスを徹底するためには、各従業員のサービスに対する知識の均質化をはかることが必要。このためのツールとして、有効なのが接客マニュアルである。

接客マニュアルには一般的なサービスルールの他に、「自店で特に強化したいこと」「接客力チェックやお客様アンケートで特に弱かった項目」などを盛り込んでもかまわない。その店独自のマニュアルとなり、実践的でより使いやすくなるだろう。

◇一般的な接客マニュアルの内容の例◇

1.接客の基礎 接客の心構えやポイント
2.服装チェック 制服、靴、髪、髭、化粧などの身だしなみ
3.言葉 接客用語、敬語の使い方
4.マナー お客様に接する態度、話し方
5.商品知識 食べ物、飲み物、組み合わせ、お薦め商品
6.接客フローチャート お客様が来てから帰るまで
7.クレーム対応 苦情を受けた時の対応方法

3)従業員教育

接客力アップには、スタッフ教育あるのみ。どんなに素晴らしいマニュアルを作っても、従業員がその内容を熟知して実行しなければ意味がない。また、マニュアル通りのサービスをしたとしても、心がこもってなければ、「機械的な感じがして温かみがない」とお客様は感じるだろう。

お客様が本当に快適と感じるサービスを提供するためには、「スキルアップ(=最低限、マニュアルに書かれているレベルのことは全従業員が実践できるよう常に研修を行う)」「モラールアップ(=自分のお客様への対応のよしあしが自店の売上に直結することを強く認識させる)」という2種類の教育が必要となる。最低限のことだけを教えて、後は「その都度仕事の中で覚えてもらう」という方法をとっている飲食店は多い。しかし、それでは「一通り仕事がこなせるようになる」だけで、サービスのレベルアップは望めない。

採用時のみならず、仕事ができるようになってからも、できるだけ時間をとってスキルアップ研修を行うべき。「1日10分」とか、「月曜日の14時~15 時」というように時間を決めて、定期的に行うこと。その際、マニュアルだけに頼らず、店で起こりそうな場面を想定し、実際にやってみせて練習させるなどできればより効果的だ。

◇上手に教えるためのポイント◇

・ 指導する人は自分が教えようとする内容を熟知している
・ 自分がスタッフに何を期待しているかをはっきり示す
・ スタッフが関心をもつような雰囲気を作り、心から親しみを持って教える
・ 教えたことをスタッフが理解できたかどうか必ず確認する
・ 教えたことが実践の中で活かされているかどうかをチェックし、できていない場合は再度フォローする

最終内容確認日2013年10月

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