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飲食業
飲食業におけるFCビジネス

本レポートでは、飲食業におけるFCビジネスに興味をおもちの方を対象として、 飲食FCの概況をご紹介します。

目次

1. 飲食業におけるチェーン展開

1)外食産業成長の一翼を担ったチェーン経営

日本の飲食店の大半は個人によって経営されており、職人の腕に依存した多品目少量生産・販売で、労働集約性が高いのが実状です。こうした旧態依然とした経営から脱却することをめざして近代的・合理的な経営形態へと進化したのが、チェーン化の流れといえるでしょう。
日本の外食産業でチェーン方式による出店が活発になったのは70年代のことです。経済成長による消費者の生活水準の向上に伴って、欧米の食生活が日本にも取り込まれるようになりました。それとともに、すでにアメリカの外食産業において確立されていたチェーン方式による経営手法が日本にも導入され、ファストフードやファミリーレストランといった業態を中心に、日本の外食産業でもチェーン化が急速に進展していったのです。外食産業が今日のような巨大市場へと成長した背景には、このように各社がチェーン方式によって急速に店舗展開を行なってきたことがあるのです。
チェーン方式による飲食店の経営は、仕入から生産、物流、販売、サービスまでのすべての工程をシステム化することによって、省力化や合理化を実現しています。

生産面では「セントラルキッチン」と呼ばれる食品加工工場を導入して大量生産・大量販売を行なうことでコストダウンを実現し、販売面ではマニュアルを徹底してパート・アルバイトを活用、また情報ネットワークを構築・活用し、生産性の向上を図っています。このようなシステム化によって、チェーン店は旧態依然とした経営の飲食店に対して商品力、コスト競争力で圧倒的優位に立つことになります。

2)飲食チェーンにおける直営とFCのメリット・デメリット

チェーン方式によって店舗展開を進めていく場合、その形態は大きく直営店とFC店の2つに分けられます。直営店の場合、自社で運営を行なうため指揮・命令が末端まで行き届きやすく、均質なサービスを提供することができ、組織としての力を十分に発揮できるというメリットがあります。また、撤退・業態転換なども自社のリスクにおいて行ないやすいこともあげられるでしょう。しかしながら、規模の拡大につれて店長のサラリーマン化が進み、店舗の活力が乏しくなるケースや、出店を自らの資金で行なうため店舗展開には多額の資金を必要とし、バランスシートが肥大化しがちという側面もあります。
一方、FC店の場合は、加盟店の資金による出店で店舗数が増えていくためチェーンの拡大が比較的容易で、それに伴う知名度の向上など市場における自社の勢力を速いスピードで強めていくことができます。しかし、直接的な指揮・命令ができないことから均質なサービス提供を管理しづらいこともあり、組織としての力を発揮しにくい面があるでしょう。また、収益はロイヤルティーなどの形で入ってくることになります。

3)飲食チェーンの業態別展開状況

飲食チェーンの多くは直営とFCの併用によって展開していますが、どちらかにウエイトをおいているのが一般的です。FC化しやすいかどうかは、調理の方法や商品の数、提供形態などからくるオペレーションの難易度、出店コストの大小など、その業種・業態の特徴によって異なってきます。
FC化しやすい業態としては、商品の数が比較的少なく提供形態も単純なハンバーガーなどのファストフード店がその代表であり、ハンバーガー店のほかファストフードをイートイン以外の形態で提供する持ち帰りの弁当・寿司店や宅配のピザ店などもその例に当てはまります。なかでも持ち帰りの弁当・寿司店は、チェーン化の歴史も古く、飲食FCのなかで店舗数のもっとも多い業種となっています。ファストフード店以外では、居酒屋もFC化が比較的容易な業態であり、「養老乃瀧」や「つぼ八」はほぼFCで展開しています。
一方、レストラン業態は、ファストフード店に比べるとFC化が難しく、直営が中心となっています。ファミリーレストラン最大手のすかいらーくはすべてのチェーンが直営であり、デニーズジャパンやロイヤルホールディングスもほとんど直営で展開しています。
ただし、技術やノウハウの高度化によってFC化の領域が広がっており、近年ではレストラン業態でのFC化も進んでいます。レストラン業態でのFC化は料理のジャンルを問わず進んでいますが、近年では先行した西洋料理のファミリーレストランより日本料理や中華料理などの伸びが高く、従来はFC化が難しいと思われていた天ぷらやとんかつ、比較的高級感のあるレストランなどにも広がっていることがうかがえます。
FC化しやすい業態であっても、本部の経営方針によっては、直営を中心に展開していたりFCは社員の独立を優先していたりするチェーンもあります。

2. 飲食FCの動向と今後の展望

外食産業の今後の課題としては、安全・衛生面の管理の強化、環境問題や情報化、国際化といった時代の流れへの対応などがあり、市場を取り巻く環境の変化にどのように対応していくかが、各チェーンの優勝劣敗を決めることになると思われます。さらに、多様化が進む消費者ニーズに応えていくことができるかどうかも、重要なポイントといえます。
飲食FCは、均質な料理やサービスを提供することによって合理的な経営を進め、急成長してきましたが、いまや特徴のない画一的な料理やサービスでは消費者の需要を取り込むことが難しい状況となっています。消費者の価値観が変化し、飲食店を選ぶ基準も変わったのです。バブルの時代を経験した消費者は本物を知っており、「おいしさ」や「楽しさ」など、ほかとは違う差別化された価値あるものを求めています。さらにこれらは、リーズナブルな価格で提供されなければなりません。このように

飲食FCは、スケールメリットのみならず、質も求められる時代になった

といえます。飲食FC市場は安定的な成長が見込まれるものの、企業・業種間の競争は続くと予想されます。そのような状況のなかで、市場環境の変化に対応し消費者のニーズに応えていくことができる企業は高い成長が期待できます。チェーンのコンセプトを明確化し、立地、店舗レイアウト、メニュー、サービスなどのすべての面で徹底していくことが必要とされ、それを実現できるFCだけが成長を続けていけるといえるでしょう。

最終内容確認日2014年3月

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