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サービス業
家事代行業
家事代行業とは、従来家庭内で行われていた家事を代行し、家事の負担を軽減するサービスである。定期もしくは不定期に事前に決められた時間内で利用者の要望する家事業務に対応する。

総務省統計局「家計調査」によると、2011年の1年間に家計が家事代行サービスに対して支払った金額は、2人以上世帯平均で1,528円、単身世帯平均で2,165円であり、いずれも2003年から堅調に推移している。これらの金額は集計世帯全体の平均であるため小額に算出されているが、利用世帯のみに限ると、1回あたり支出額は、2人以上世帯で1万6,978円、単身世帯で1万5,464円程度と推定できる。なお、同サービスの年間利用回数(全集計世帯平均)は、2人以上世帯で0.09回(100世帯あたり9回)、単身世帯で0.14回(100世帯あたり14回)となっている。つまり、2人以上世帯では利用回数は少ないが1回あたり利用金額が大きく、一方、単身世帯では1回あたり利用金額は小さいが利用回数が多い、という姿が見えてくる。なお、同調査における「家事代行サービス」には、次のものが含まれる。
  ・家政婦
  ・ホームヘルパー、ハウスキーパー、ベビーシッター
  ・ハウスクリーニング
  ・庭掃除、除草

高齢化や女性の社会進出、単身世帯の増加などが急速に進むことを背景に、家事代行サービスの将来性は高いと言える。現在、顕在化している市場においては、主に世帯収入1,000万円以上の高所得者向けや高齢者向けが多いが、今後は、共働き世帯や単身世帯などを含め利用層は多様化すると予想される。現在利用のハードルとなっている価格水準が低下すれば顕在化してくるであろう潜在ニーズは非常に大きいといえる。

家事代行サービス業界へは、その成長性を背景に、大手住宅会社や電力子会社も参入してきており業界の裾野は広がってきている。また、小規模事業者も多く、中小企業や個人での参入も相次いでいる。開廃業がしやすく、サービスの品質についてもばらつきが大きいことから、利用者の信用獲得が当業界の大きなテーマとなっている。業界団体としては、特定非営利活動法人/一般社団法人ハウスキーピング協会や特定非営利活動法人日本ハウスクリーニング協会などが、認定資格などを与える協会として存在している。

目次

1.起業にあたって必要な手続き

 家事代行業として開業するにあたっては、とくに必要な許可申請を行う必要はない。一般の開業手続きとして、個人であれば税務署への開業手続き等、法人であれば、必要に応じて健康保険・厚生年金関連は社会保険事務所、雇用保険関連は公共職業安定所、労災保険関連は労働基準監督署、税金に関するものは所轄税務署や税務事務所にて手続きをする。

 開業にあたっての資格や許認可は必要なく、さほど大きな開業資金も必要としないことから、参入はしやすい。そのため、業界大手はフランチャイズ展開を積極的に行っており、フランチャイジーとしての女性による起業を推進しているところも多い。こういったフランチャイズを利用して開業することもひとつの方法だといえる。

2.起業にあたっての留意点・準備

・サービスの質と料金体系
 サービス内容については、各事業者とも、作業メニューと料金を詳細に定め、ホームページなどで公開している場合が多い。価格に関しては、大手企業の価格を規準として自社の強みや弱みを勘案しながら適切に設定し、かつ明瞭に提示する必要がある。ただし、小規模企業の場合、大手企業とは価格面では差別化できない部分も多いため、様々な要望への柔軟な対応や、分野を絞った専門特化的なサービスをアピールすることが効果的である。

・利用者へのフォロー体制とスタッフ教育
 以前は、営業担当者がまず家庭を訪問し、要望を詳しく聞いたり、契約の説明を行ったりするケースが多かったが、最近ではホームページや小売店などに置いたパンフレットから直接ネットや電話などで申し込み契約するケースも増えており、このような契約手続きの簡素化は、利用者の心理的ハードルを下げることにもつながっている。

 作業スタッフに対しては、作業のみならず接客やフォローについての教育も必要であり、さらに、定期的・定量的に利用者の満足度を測れるようなアンケートの実施や、クレーム対応窓口を開設するなど、利用者からの信頼を得る工夫も必要である。スタッフ教育については、前述の協会の資格認定制度などを利用して外部からでもわかりやすい基準を設けるとよい。

・販売促進の方向性
 販売促進の方法については、ホームページ、チラシや電話帳への掲載などが一般的であるが、初めての人でも使いやすいように、作業メニュー、料金体系、契約内容やフォロー体制について、わかりやすく提示することが重要である。最近では、ドラッグストアやコンビニエンスストアなどの生活密着型の小売店と提携して販売促進を行う大手企業も出てきている。地域の小売店、医療機関、コミュニティ団体などに販促物を置いてもらったり、利用促進を図ってもらうなど、地元業者として会社やサービスの認知度を上げる工夫も必要である。

3.必要資金例

開業にあたっては、特殊な掃除機器などの購入がなければ、電話、FAX、パソコン等の事務機器があればよいので、多額の設備資金は必要としない。また、社員による営業、フォローを行わなければ、固定的な人件費もほとんど発生しない。開業時は、ホームページ開設、人材紹介サイトへの登録、チラシ作成・配布など、作業スタッフの募集と利用促進にかかる費用が主な出費となる。


・開業時必要資金 例

 

4.ビジネスプラン策定例(モデル収支例)

1)売上計画例

2)損益計算のシミュレーション

※利用会員数は、初年度30人、2年度40人、3年度50人、4年度60人、5年度70人を想定

※初期投資一括計上分は、開業費の金額

※減価償却費は、設備工事費・什器備品費の額を5年で償却したもの

※必要資金、売上計画、シミュレーションの数値につきましては状況によって異なります。
  また、売上や利益を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものであるため、開業を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

最終内容確認2014年2月

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