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サービス業
家庭教師派遣業
家庭教師派遣業とは、家庭教師の仲介・派遣を事業として行う業種であり、家庭教師センターとして登録した講師を派遣する形態、家庭教師自らが開業する形態、家庭教師斡旋サイトを運営して講師を紹介し個人契約を斡旋する形態などがある。

家庭教師業界の市場規模は、400億円程度とも1,200億円とも推計されている。零細業者が多く、また家庭教師自身の個人契約によるものも多いため、明確な市場規模を出すのは難しいのが現状である。約1兆円と言われている学習塾市場と比べれば非常に小さく、業界No.1の㈱トライグループで推定103~104億円、第2位の名門会で推定38億円程度と、業界の中では㈱トライグループの大きさが際立っている。

総務省統計局「家計調査」によると、2人以上世帯の補習教育に対する年間平均支出額は、2009年が33,548円、2010年が32,635円、2011年が32,433円と減少してきている。補習教育費はゆとり教育によって増えていたが、教育方針が見直され、公立校が補習授業を強化していることや、こども手当の迷走で今後の見通しがつかないことなどが、教育投資が減少していることの原因と考えられる。また、補習教育費の支払先として、家庭教師より割安な個別指導塾が旧来の家庭教師の役割に代わって台頭していることも家庭教師市場の縮小につながっていると考えられる。

業界内最大手は、㈱トライグループだが、多くの大手企業は明確な料金表示や独自のカリキュラムなどを打ち出して、個人契約が多く料金や契約条件などがわかりにくかった家庭教師業界に変化をもたらしている。一部には、料金が高額で前払いであったり、高額な教材を割賦で販売したりと、トラブルも見られたが、1999年に特定商取引法において特定業種として追加され、悪質な業者は処分を受けるなど不透明な取引を排除する動きが広がっている。

上記のように、補習授業、受験対策としての家庭教師のニーズは縮小傾向にあるが、家庭内で個別指導を受けさせたい、というニーズは根強く存在しており、市場そのものは今後も存在していくと考えられる。また、最近は、学習指導のみならず、音楽・美術・体育など指導ジャンルが多様化してきており、市場規模は小さいがターゲットを絞り込むことによって大手業者との差別化を図る中小企業も見られる。

目次

1.起業にあたって必要な手続き

 一般的に家庭教師を個人の家庭に派遣する事業は、労働者派遣業には該当しないため、派遣業としての許可は必要ない。(塾などに教師を派遣する場合は、労働者派遣に該当する。)家庭教師を紹介・斡旋して紹介料を徴収する場合は有料職業紹介事業となり、厚生労働大臣の許可が必要になる場合がある。(家庭と個別契約を結ぶことが雇用にあたるか、請負にあたるかという解釈によって見解が異なるが、許可を取っておくほうが望ましい。)また、特定商取引法では、「顧客に交付しなければならない書類の種類や書式」「営業・勧誘の際のルール」「クーリングオフ」「中途解約金のルール」などが厳密に定められているため、それに従って準備を進める必要がある。

 一般の開業手続きとしては、個人であれば税務署への開業手続き等、法人であれば、必要に応じて、健康保険・厚生年金関連は社会保険事務所、雇用保険関連は公共職業安定所、労災保険関連は労働基準監督署、税金に関するものは所轄税務署や税務事務所にて手続きをする。

2.起業にあたっての留意点・準備

・講師の質と料金体系
補習授業や受験指導など、学習目的や生徒のレベルによって登録すべき講師の質や特性も変わってくる。このため、まずはどのような特徴を打ち出すのかを明確にする必要がある。その方向性によって、プロ講師を中心に揃えるのか、学生を中心にするのか、学生であれば大学のレベルはどうするのか、などを決めていく。
ホームページで料金を公開している会社の指導料は以下の通りとなっていて、生徒の年齢や講師の質(学生かプロか)によって料金が決まることが多い。料金を分かりやすく明示し、教材費は無く、月謝払いということが消費者の安心につながると考えられる。

家庭教師派遣料金の相場

・家庭へのフォロー体制
家庭教師派遣業の場合、社員である担当者がまず家庭を訪問し、生徒に合った講師を選んだり、契約の説明を行ったりするケースが多い。そのような形態をとる場合は、講師派遣後に定期的に学力のチェックや指導に対する満足度を確認する仕組みを持つことが重要である。そうした仕組みを持つことにより、満足度が低い場合には講師を変更するといった対応も可能になる。間接費を減らすために、担当者を持たず、講師自身に満足度を確認させるケースも考えられるが、その場合も定期的・定量的に満足度を測れるような評価方法を持つなど、消費者の満足と信頼を得る工夫が必要である。


・販売促進の方向性
販売促進の方法については、ホームページ、チラシや電話帳などでの告知が一般的であるが、いずれにおいても、上述のように、料金体系や契約内容、フォロー体制について明瞭に示すことが極めて重要である。明瞭さを前面に打ち出した上で、自社の特徴や実績などを簡潔に表示すると、より信頼度と高感度の高い広告宣伝となる。

3.必要資金例

開業にあたっては、電話やFAX、パソコン等の事務機器があればよいので、多額の設備資金は必要としない。また、社員による営業、フォローを行わない限り、人件費もほとんど発生しない。開業時は、ホームページ開設、紹介サイトへの登録、チラシなど、登録講師の募集と生徒募集についての広告宣伝費が主な出費となる。


・家庭教師派遣センターを首都圏で開業する場合の必要資金例

4.ビジネスプラン策定例(モデル収支例)

1)売上計画例

2)損益計算のシミュレーション

※生徒数は、初年度平均20人、2年度40人、3年度50人、4年度60人、5年度70人を想定

※初期投資一括計上分は、開業費の金額

※減価償却費は、設備工事費の額を5年で償却したもの

※必要資金、売上計画、シミュレーションの数値などにつきましては出店状況によって異なります。

また、売上や利益を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものであるため、開業を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

最終内容確認2014年2月

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