業種別開業ガイド

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サービス業
オーベルジュ
オーベルジュ(Auberge)とは、フランス語で「旅館」を意味する。ヨーロッパでは、週末リゾートの旅館に泊まるときは、ワインとともに高級な料理をゆったりと味わう風習がある。このため、オーベルジュは、「郊外の宿泊施設付き洋風レストラン」と和訳されることが多い。
市場規模
2017年1月にWizBiz株式会社が実施した調査によると、オーベルジュの利用率は、総人口対比で約2.5%(約313万人に相当)であり、平均的な利用者は、年に6回程度利用し、1回の利用に17,370円程度を使っている。このことから、現在の市場規模は、3,300億円前後であろうと考えられる。
また、同調査において、今後「ぜひ利用したい」「どちらかといえば利用したい」と回答した人の割合は、総人口対比で約16.0%(約2,034万人に相当)であった。このことから、潜在的な需要までをも合わせると、市場規模は、約2兆1,000億円程度にまで拡大する可能性を秘めている。

目次

1. 起業にあたって必要な手続き

開業にあたっては、旅館業法に従い、管轄の都道府県の保健所に届出、営業許可を得なければならない。併せて、消防署への防火管理者の届出も行う。
ほか、食品衛生法に基づく営業許可も必要になる。

申請先 出店地域の保健所・食品衛生課
必要書類 ・申請書
・店舗の図面(厨房配置入り平面図)
・水質検査証明書
・(法人の場合)法人の登記簿謄本
(・申請手数料)

食品衛生法では、各店に1人、食品衛生責任者を置くことが義務づけられている。食品衛生責任者には、調理師、栄養士、製菓衛生師いずれかの資格を持つ者が必要である。資格者がいない場合は、地域の保健所が実施する食品衛生責任者のための講習を受講し、テストに合格しなければならない。なお、食品衛生責任者の資格は、各都道府県内のみ有効となっている。

2. 起業にあたっての留意点・準備

オーベルジュは、旅館やホテルなどの宿泊施設と高級レストランが融合した業態である。このため、オーベルジュへ参入する事業者には、宿泊施設関係者とレストラン関係者が多い。宿泊施設、レストランのいずれの業種も運営においては高度なノウハウを要するため、どちらの業種も未経験である場合は、参入は難しいと考えられる。

主たるターゲットは、女性や中高年の富裕層などと考えられるが、外国人観光客が今後増えることが予想されていることから、彼らをターゲットに取り込むことも有効である。欧米には、オーベルジュでの宿泊や飲食を自然に受け入れることができる風土があるため、欧米からの観光客は集客しやすいだろう。
外国人観光客を集客する際には、以下のような施策を行うと効果的である。

  • 旅行者が訪日前によく利用するサイト(たとえば、世界最大の旅行口コミサイト『Trip Advisor』など)に広告を出す。
  • 旅行者が訪日中に見る外国人旅行者向けフリーペーパーに広告を出す。(たとえば、『メトロポリス(METROPOLIS)』『TOKYO NOTICE BOARD』『Tokyo Weekender』など)
  • 利用者には、割引チケットを渡す、メールアドレスを聞き情報提供を行う、お友達紹介キャンペーンを実施する、などして、口コミの推奨や固定客化をはかる。

なお、国や宗教によっては、食べる習慣が異なる、又は、食べることを禁止されている食材もある。各国の食事事情についても研究しておく必要がある。

3. 必要資金例

以下は、旅館事業者が、自社施設を利用して、オーベルジュ事業に参入する場合の必要資金例である。

※土地・建物等の物件取得費は含まない。

4. ビジネスプラン策定例(モデル収支例)

以下は、上記の条件の下で、オーベルジュ事業に参入する場合のモデル収支例である。

1)売上計画例

2)損益計算のシミュレーション

※初期投資一括計上分は、開業費の金額
※減価償却費は、設備工事費・什器備品費の額を5年で償却したもの
※必要資金、売上計画、シミュレーションの数値は、状況によって異なります。
 また、売上や利益を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものであるため、開業を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

最終内容確認2017年2月