業種別開業ガイド

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小売業
アクセサリーショップ

目次

トレンド

1. 店頭販売が主流だがネット通販も拡大

アクセサリーショップは、宝石・貴金属を除く装身具、洋品雑貨・装飾品を主に取り扱う店舗である。アクセサリーショップの販売形態としては、店頭販売、通信・カタログ販売、インターネット販売などがあるが、店頭販売による形態が最も多い。

総務省統計局「経済センサス 平成28年調査」によれば、洋品雑貨・小間物小売業の売上構成比は、店頭販売によるものが販売額全体の97.6%に達する。

アクセサリーショップは、一般的に駅ビルや百貨店、ショッピングセンター、繁華街などの好立地や、独立店であればファッション店舗が集積するエリアに店を構える形が主流であるが、近年では、ネット販売も微増ではあるが増加傾向にある。平成24年の状態と比較すると、「通信・カタログ販売」と「インターネット販売」の構成比は1.1%から平成28年には2.1%に拡大している。

通販は好立地に店舗をもたなくてよいことから、開業時の初期投資や家賃、人件費を抑えることができるメリットがある。また、商品数が多くなっても柔軟な対応が可能であることも大きなメリットであろう。

2. ハンドメイド商品の販売

近年伸びているのがオリジナルのハンドメイド商品を製造販売する市場である。クリエイター、デザイナーと呼ばれる制作者が出品する専門ECサイトも人気を博している。

これらの専門ECサイトへの出店は、自身でウェブサイトを立ち上げるよりも安く済むことから、副業として気軽にスタートする人が多いのも特徴である。

アクセサリーショップの特徴

アクセサリーショップで扱う商品は、一般にファッション小物と呼ばれるもので幅広い。具体的には、イヤリング、ピアス、ペンダント、ネックレス、ブレスレット、指輪、ファッション時計、ブローチ、ヘア留め、バングル、アンクレットなど多岐にわたる。男性向け商品が充実している店舗もある。多品種の商品を扱うことが一般的だが、商品は小物であることが多いため、狭い店舗でも開業可能である。

ネットショップの場合、独立したネットショップを開業することはもちろんだが、大手ECサイトへ出店している店も多い。実店舗の開業、ネットショップでの開業のいずれにおいても、商品に対する洗練されたセンスと、商品の仕入ルートの確保が必要である。仕入れルートについては、国内はもとより海外(中国やアジア)からの仕入れも一般的になっている。

アクセサリーショップ業態 開業タイプ

あらかじめコンセプトを定め、それに沿って店舗タイプを選定することが重要となる。

(1)ブランド販売店

百貨店など好立地な場所に店舗を構える有名ブランド専売店を指す。商品の販売価格帯は高めである。

(2)セレクトショップ

多くのメーカーのアクセサリーを集めたセレクトショップの業態である。独立店舗として出店しているものから、駅ビルやファッションビル、ショッピングセンターに出店しているものまで、出店形態はさまざまである。高額なものから手頃な価格のものまで幅広い。

(3)廉価品販売店

廉価品販売店としては、独立店舗、またはショッピングセンター内に設置された小さなブースを売り場としているケースがある。商品は、製造者から直接仕入れるなどして、価格を低く抑えている。

(4)製造小売店(ハンドメイドショップ)

自ら製造から販売までを手掛けるショップである。加工の度合いによって、(a)完成品を販売する店舗、(b)半完成品を陳列し、来店客の要望に合わせブローチやペンダントなどの製品を完成させ、販売する店舗もある。

(5)ネットショップ

上記(2)(3)(4)については、ネットショップ展開も活発に行われている。ネット専業での開業も可能だが、資金の問題さえクリアできれば、実店舗の開業に合わせてネットショップを開業することを検討してもよいだろう。

開業ステップと手続き

(1)開業ステップ

開業に向けてのステップは、主として以下の8段階に分かれる。

(2)必要な手続き

アクセサリーショップ開業については規制する法規はなく、販売資格も不要で自由に参入可能である。ただし、取り扱う商品によっては、法律で取り扱いを規制している場合があるので注意が必要である。
 (例)

  • 素材に珊瑚や象牙などを使用している商品を販売する場合
    ・・・「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」
  • 素材に珊瑚や象牙などを使用している商品を輸出入する場合
    ・・・「外国為替および外国貿易法」
  • 自社で商品を製作し販売する場合
    ・・・「製造物責任(PL)法」など

商品の品揃え

  • ブランド販売店の場合は、契約ブランドからの仕入れ、国内の著名なデザイナーからの仕入れなどにより品揃えを行う。取扱商品の自由度は少ない。店舗の造作などもブランドの指示により作られることが一般的である。なお、ブランドとの販売契約のハードルや、仕入れ金額の大きさなどから、独立開業にはあまり向かない業態と言える。
  • セレクトショップは、国内外のブランド、メーカー・卸から仕入れる。品揃えについては、オーナーの嗜好はもちろんのこと、顧客ターゲットはどういう層か(男女の別、年代、ユーザーが好むファッションの傾向など)を踏まえ考える必要がある。また、アクセサリー全般を取り扱うのか、ヘアアクセサリーなど一部のアクセサリーに特化して品揃えを充実させるのかなども合わせて検討する必要がある。
  • 廉価品販売店の場合は、専門問屋や専門メーカーからの仕入れなどで品揃えを行う。廉価な商品を大量に仕入れたり、訳あり商品を安く仕入れたりすることで、極力コストを削減する必要がある。また、販売価格の安さから、利用客は比較的低年齢である。品揃えを考える際には、大人の視点だけではなく、子どもの視点を取り込む必要があろう。
  • ハンドメイドショップ
    ハンドメイドショップは自社で製造できるというのが最大の強みである。競合店舗が扱っていない商品、オーナーの嗜好が反映された商品など、展開の幅が広い。オーナー(デザイナー)の嗜好が強く出ている店が多く、オーナーの人柄も含めてショップ全体の魅力になっていることが多い。

必要なスキル

  • アクセサリーは少量多品種の品揃えが一般的であるため、仕入と在庫の管理が重要となる。少量でも取り扱い可能な仕入れルートの確保やセンスのよいメーカーとのコネクションづくりに取り組むことが必須である。そのために、独立開業する前に一度アクセサリーショップで働き、業界の商習慣やメーカーの状況などを把握しておくと、独立後の仕入れルート確保やコネクションづくりに役立つだろう。
  • 洋品雑貨・小間物小売業の商品回転期間は約1.6カ月と言われている。仕入れ数の見極めは当然のこと、店頭展示から2カ月を超えた商品は在庫セールで処分するなどして、デッドストックを軽減し、商品回転率の向上に努めるべきである。
  • 小物類は万引きの多い商品でもある。万引きは利益率に多大な悪影響を及ぼすため、対策は必須である。店舗イメージを壊さない程度に店頭での注意を喚起する告知(監視カメラの設置告知)やミラーの設置、そしてスタッフによるチェックを徹底したい。
  • 販売に際しては、確かな商品知識が購入者の信頼獲得に直結する。アクセサリーの素材の特性に応じた保管やメンテナンスの仕方、背景となる周辺情報なども説明できるようにしておきたい。オーナーだけではなく接客をするスタッフの教育も重要である。
  • アクセサリーには流行があるため、トレンド情報の収集は必須である。自店舗の売れ筋商品の研究はもちろん、国内外の雑貨を扱った見本市や展示会への積極的な視察、ファッション媒体やネット情報など、常にアンテナを広く張っておく努力が必要である。
  • 経営者や仕入れ担当者のセンスが、売上に大きな影響を与える。最新情報の収集だけでなく、美術品や工芸品などに対する深い見識や審美眼を身に付ける努力も行いたい。
  • オーナーや店長自身の人柄やキャラクターが、購入者の感性に訴えかけるところも大きい。自身のキャラクターに独自性をもたせることで、話題作りをすることも一つの販促手法だと言える。また、インターネットを通じての情報発信に取り組む必要もあるだろう。

開業資金と損益モデル

(1)開業資金

アクセサリーショップは、5坪程度の狭い店舗でも開業可能であり、開業に要する費用は他の業態に比べて低く抑えられる。

【参考】:店舗面積約5坪のアクセサリーショップ(廉価品量販店)を開業する場合の必要資金例

(2)損益モデル

■売上計画

店舗の立地や業態、規模などの特性を踏まえて、売上の見通しを立てる。平日、土曜、日曜、祝日で来客予想数を変えるなど、細かく作りこむことが重要である。

(参考例)アクセサリーショップ(廉価品量販店)

※平日のいずれか1日を休業日に設定

■損益イメージ(参考例)アクセサリーショップ(廉価品量販店)

人件費:従業員1名を想定

※個人事業主を想定していますので、営業利益には個人事業主の所得が含まれます。

※開業資金、売上計画、損益イメージの数値は、出店状況などにより異なります。

(本シリーズのレポートは作成時点における情報を元に作成した一般的な内容のものであるため、開業を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

掲載日:2018年12月

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