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小売業
移動スーパー
移動スーパーとは、食料品や生活物資などを郊外などに届け、消費者に販売する小売事業である。本レポートにおける移動スーパーの定義は、「保冷装置等を備えた自動車により、日用・食料品などスーパーマーケットに準ずる商品を販売する事業」であるとする。
取り扱う商品は、一般に、生鮮食料品(精肉、鮮魚、青果)、総菜、日配食品、日用雑貨などである。
移動スーパーは、大型小売店の販売網が確立されていなかった時代には、集合住宅街などで多く見受けられた。その後、通信販売の発達もあり、数は少なくなっていったが、近年、高齢者世帯の増加などを背景に、再びその価値が見直されつつある。
市場規模
2017年1月にWizBiz株式会社が実施した調査によると、移動スーパーの利用率は、総人口対比で約1.5%(約189万人に相当)であり、平均的な利用者は、年に12回程度利用し、1回の利用に2,767円程度を使っている。このことから、現在の市場規模は、620億円前後であろうと考えられる。
また、同調査において、今後「ぜひ利用したい」「どちらかといえば利用したい」と回答した人の割合は、総人口対比で約6.8%(約866万人に相当)であった。このことから、潜在的な需要までをも合わせると、市場規模は、約2,800億円程度にまで拡大する可能性を秘めている。

目次

1. 起業にあたって必要な手続き

起業に際しては、食品衛生法に基づき、営業する地域を管轄する都道府県から移動販売の営業許可を受けなければならない。移動スーパーに使用する自動車に関しても、都道府県ごとに基準があるため、確認して遵守することが必要である。移動スーパー用の自動車には、主に「冷蔵・冷凍装置、電源設備、手洗い設備、給水・排水タンク、陳列ケース」といった設備の設置義務が設けられている。

また、食品衛生法に基づき、営業単位ごとに食品衛生責任者を置かなければならない。食品衛生責任者となるには、調理師、栄養士、製菓衛生師等の資格が必要であるが、資格者がいない場合、食品衛生協会が実施する食品衛生責任者養成講習を受け合格すれば、食品衛生責任者となれる。

公道は道路交通法により、また公園は都市公園法により、無許可での営業出店が禁止されている。営業を行う場合は、都度、事前に管轄の警察署や自治体から許可を得る必要がある。また、私有地の空きスペースで営業を行う場合は、敷地の所有者からの許可を得る必要がある。通常、私有地の空きスペースで営業を行う場合、所有者に対し使用料が支払われる。

2. 起業にあたっての留意点・準備

主なターゲットは、交通の便の悪い山間部や過疎地、高齢化の進んだ集合住宅の住人などである。販売立地は、これらターゲット顧客の住居からの徒歩圏内である。そのため、こまめに場所を移動して、より多くの顧客に立ち寄ってもらえるようにする。
出店前にはチラシを配布し、出店時には音楽を鳴らすなどして認知してもらう。ホームページでの告知も有効であろう。販売は必ず定期かつ定時(毎週〇曜日〇時~〇時など)に行い、利用者に記憶してもらい固定客化をはかると良い。このため、出店場所は容易に変更できないものと考え、商圏や移動ルートの研究は入念に行う必要がある。出店場所は、できれば天候に左右されない屋根のある場所(1階が駐車場になっている団地等)が望ましい。

賞味期限の短い生鮮食品も扱うため、売れ残りに伴う廃棄ロスが発生しやすい。このため、売れ筋商品を厳選して取り扱う必要がある。日々の商品管理は重要なテーマとなるだろう。利用者へはアンケート用紙やリクエストカードを配り、次回の訪問時に回収し、求められている商品の把握のための努力を怠らないことが必要である。

3. 必要資金例

以下は、専用自動車2台で移動スーパーを開業する場合の必要資金例である。

※土地・建物等の物件取得費は含まない。

4. ビジネスプラン策定例(モデル収支例)

以下は、上記の条件の下でスーパーを開業する場合のモデル収支例である。

1)売上計画例

2)損益計算のシミュレーション

※初期投資一括計上分は、開業費の金額
※減価償却費は、設備工事費・什器備品費の額を5年で償却したもの
※必要資金、売上計画、シミュレーションの数値は、状況によって異なります。
 また、売上や利益を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものであるため、開業を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

最終内容確認2017年2月

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