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飲食業
エスニック料理店
エスニック料理店とは、東南アジア、インド、トルコなどのアジア諸国および、メキシコなどの中南米諸国などの民族料理を提供する飲食店である。西洋料理や中華料理と比較すると、スパイスを多用し、材料や調理の仕方に各国の特徴があり、1980年代後半のエスニックブームを背景に市場が拡大した。
公益財団法人 食の安全・安心財団によれば、日本の外食産業市場規模は、2012年で23兆2,386億円と推計されているが、このうちエスニック料理店のマーケットシェアは0.4~0.5%(約1,000億円前後)と言われている。

経営形態としては、圧倒的に個人店が多いが、大手外食企業が多角化の一環としてチェーン展開しているケースもある。
個人店においては、オーナー、スタッフのほとんどが現地出身者で、メイン顧客も日本在住の現地出身者である店が多い。また、現地へ旅行したことのある日本人も優良な顧客となっている店も多い。
チェーン店では日本人に合わせたサービスや味付けで料理を提供し、現地に馴染みのない日本人でも気軽に入店できるよう工夫がなされている店が多い。

エスニック料理は、食材や調理器具などに独自の物を使うことが多いため外食志向の強い料理であると言える。しかし、最近は、学生時代に旅行するなどして独自の味に慣れた年代が30代、40代に入って家庭でも作りたいというニーズも高まり、レトルトや調味キットなども販売されている。以前は珍しさが先行し一部のファンに支持されていたエスニック料理だが、敷居は低くなりつつあり、今後、潜在需要の裾野は広まっていくと考えられる。

目次

1.起業にあたって必要な手続き

1)食品衛生法に基づく営業許可

 飲食店を開業するには、「飲食店営業」の申請を行ない、許可を得る必要がある。

申請先
出店地域の保健所・食品衛生課
必要書類
・申請書
・店舗の図面(厨房配置入り平面図)
・水質検査証明書
・(法人の場合)法人の登記簿謄本
(・申請手数料)

2)食品衛生責任者の配置

 食品衛生法では、各店に1人、食品衛生責任者を置くことが義務づけられている。食品衛生責任者には、調理師、栄養士、製菓衛生師いずれかの資格を持つ者が必要である。資格者がいない場合は、地域の保健所が実施する食品衛生責任者のための講習を受講し、テストに合格しなければならない。なお、食品衛生責任者の資格は、各都道府県内のみ有効となっている。

3)その他の手続き

 個人であれば税務署での開業手続き等が必要となる。法人であれば必要に応じて、健康保険・厚生年金関連は社会保険事務所、雇用保険関連は公共職業安定所、労災保険関連は労働基準監督署、税金に関するものは所轄税務署や税務事務所にて手続きを行う。

2.起業にあたっての留意点・準備

・店舗コンセプトの明確化
 他の飲食店と同様、店舗コンセプトを明確にすることが非常に重要である。エスニック料理店のコンセプトにおいて最も重要な視点としては、現地の味に近づけコアなファンに支持される店にするのか、間口を広げて幅広い層を取り込むのか、という点を明確にすることである。現地の味に近づける方向で考える場合、比較的メジャーなタイ料理、インド料理などは既存店が多く、逆に既存店がほとんどないマイナーな国の料理の場合はターゲットが狭くなりすぎるリスクがある。

 特に多店舗展開を狙う場合は、少し間口を広げて今までエスニック料理への関心が低かった層まで取り込むような業態を考えるのが良いだろう。既存店を見てみると、現地の調度品で飾られた店内、現地のBGMを流すなど、どの店も横並び傾向にあるため、新しい切り口で新しいコンセプトを考えることもポイントになるだろう。

 価格については、1皿千円前後のところが多く、全体的に高いというイメージが強い。このため、例えば、昨今居酒屋などで見られる低価格・均一価格を用いて、小皿・ワンコインメニューなどを導入するなど、価格面での利用しやすさを打ち出すことも一案だと言える。

 店内装飾・サービスについては、これまでの固定概念を一切取り除き、現地の若者に人気の店舗のイメージで、ファストフードやカフェのような雰囲気にしたり、料理の中から1品をクローズアップして専門店風にしたりと、他店にない切り口でコンセプトを立案する余地はまだ残っている。

・主な経営課題
 エスニック料理に欠かせない現地の食材やスパイスを、日本でいかに安定的かつ安価に入手するかが重要な課題となる。日本に存在する食材を代用することも考えられるが、顧客の支持を得られない場合もあるため、味の決め手となる食材についてはコストよりも品質重視で選定することが求められる。たとえコストがかかったとしても、本場の良質な食材を使用していることを前面にアピールすれば宣伝効果にもつながる。

 従業員、特に現地の料理人の雇用については、技術を保証する資格のない国も多いため、腕の見極めが難しいのが現状である。経歴をしっかりと確認し、人格的にも信頼できる者を慎重に選ぶ必要がある。一方で、現地色を取り除き新しいコンセプトの店を作り上げる場合においては、日本人の料理人でも味覚に優れたセンスのある料理人であれば十分魅力的な料理を提供することもできると考えられる。

3.必要資金例

繁華街に店舗面積20坪のエスニック料理店を開業する際の必要資金例


必要資金例


※物件取得費は含まない。

4.ビジネスプラン策定例(モデル収支例)

1)経営形態

2)損益計算のシミュレーション

※初期投資一括計上分は、開業費の金額

※減価償却費は、設備工事費・什器備品費の額を5年で償却したもの

※必要資金、売上計画、シミュレーションの数値は、状況によって異なります。

  また、売上や利益を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものであるため、開業を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

最終内容確認2013年6月

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