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医療・福祉
介護ショップ
介護ショップ(機器・用品の販売・レンタル業)は零細規模のものが多数を占め、経営状況は一般に厳しいとみられてきたが、介護保険制度における介護用品の購入・レンタルの給付対象化などを背景に、需要の拡大を見込んで各方面から注目を集めている。

他の介護関連の事業に比べスタッフなどの負担が少ないため、シルバー事業参入の足がかりとしての新規参入が増加しており、大規模小売業の新規参入、先発事業者のチェーン展開、薬局・ドラッグストアなどからの新規参入、通信販売などの新業態の展開もみられる。

目次

1.起業にあたって必要な手続き

介護保険制度では、「福祉用具貸与」および「居宅介護福祉用具購入費」として介護機器・用品の販売・レンタルが保険給付の対象となっている(ただし、定められたものに限る)。


<介護保険の給付対象となる福祉用具>

貸与が介護保険の給付対象となるもの 購入が介護保険の給付対象となるもの
車いす、車いす付属品、特殊寝台、特殊寝台付属品、床ずれ予防用具、体位変換器、手すり、スロープ、歩行器、歩行補助つえ、痴呆性老人徘徊感知器、移動用リフト 腰掛便座、特殊尿器、入浴補助用具、簡易浴槽、移動用リフトのつり具の部分

※手すりやスロープ、移動用リフトについては、取り付けに際し工事を伴わないものに限る

また、介護保険制度では、介護保険の給付サービスを提供することを認められた事業者を「指定事業者」に指定している。指定された福祉用具を販売する場合はどの事業者であっても保険給付が行なわれるが、レンタルを行なう場合、指定事業者でなければならない。

指定事業者になるには、人員・設備・運営に関する基準を満たしたうえで都道府県知事の指定を受ける。基準は、「指定居宅サービス等の人員、設備及び運営に関する基準」で定められている(基準の詳細および指定事業者への指定に関する問い合わせ先は、都道府県の介護保険担当部署)。

2.起業にあたっての留意点・準備

1)立地条件

介護用品の販売・レンタルは、生活協同組合で通信販売が実施されるなど多様化しつつあるが、一般的な介護用品ショップの開業を考えると、介護者にアピールできる立地条件が重要になる。一般的な小売店などと同様、人通りの多い場所であることに加えて、病医院の周辺地域、老人保健施設や在宅介護支援センターの周辺地域などが望ましい。

2)経営上の留意点

品揃え
介護ショップには10坪程度の小規模店も多いが、介護ニーズに対応する品目を一括して提供することが期待されており、できる限り豊富な品揃えが要求されている。介護保険給付の対象に限らず幅広いニーズに対応する品ぞろえの検討も必要である。
車いすやベッドなどの展示が困難である場合でも、カタログの品揃えを豊富にする、取り寄せにかかる時間をなるべく短くするなどの対応が求められる。
コンサルティング
介護用品の選定と使用に関して、介護者が十分な知識を持っていない場合も多い。店舗スタッフには、適切な用具の選択と提案ができるほか、利用できる他の介護関連サービスについても知識があるなど、介護全般に豊富な知識を持つことが求められる。こうした人員を雇用し、かつ継続的な学習の機会を与える必要がある。
また、緊急通報サービス、ホームヘルプサービス、調剤薬局などと提携して、顧客のニーズにかなったサービス提供ができれば、店舗に対する信頼度も増す。提携を考える際には、信頼のおける事業者かどうかを十分に判断する必要がある。
PR活動
高齢者の福祉問題を担当する行政の窓口にパンフレットやカタログを置いてもらうことなどが重要である。退院患者ルートである病院にもパンフレットなどを置かせてもらう。
また、開業後、地元の医師会のほか、看護婦でつくる婦長会などの団体があれば足を運ぶべきである。退院患者ルートとして介護ショップにとって重要なPR先になる。
介護保険制度を考えた経営
介護保険制度では、利用者の自由な選択によるサービス利用を原則としており、福祉用具の利用についても利用者が自由に事業者を選択できる。このため、介護ショップも、公的委託を受けるための市町村営業などを重視するだけではなく、提供するサービスを向上するなど、利用者を獲得するための努力がこれまで以上に求められる。

3. 必要資金例

製品の展示に必要なスペースを考える必要がある。最低、ベッドを1台、車椅子を3台など、製品展示用だけで10坪程度はとれることが望ましい。

店舗面積30坪の介護ショップを出店する際の必要資金例

(単位:千円)
項目 初期投資額
設備工事費・
什器備品費等
内外装工事費 9,000
機械設備費 1,500
車両費 1,500
小計 12,000
開業費 広告宣伝費 300
アルバイト募集費 200
開業前賃借料 600
開業時商品仕入代金 3,000
その他 600
小計 4,700
総計 16,700

※物件取得費は含まない

4. ビジネスプラン策定例(モデル収支例)

既存の介護ショップの平均年商は8,000万円程度、年商5,000万円に満たない事業者も多いとみられている。

大型製品の運搬などを考慮すると販売員は最低でも2人必要である。その他、在庫チェックや製品の依頼など事務的な作業が大量に発生するため、その担当者が必要であり、人員は最小3人となる(事務担当者が店番を兼務する場合、知識を持つ人材が必要であり、4人以上が望ましい)。

損益計算の シミュレーション
・ 初年度売上見込み:7,000万円
・ 人員数:3名
・ 累積黒字化:5年度

(単位:千円)
  年増加率 変動費率 初年度 2年度 3年度 4年度 5年度
売上高 10.0%   70,000 77,000 84,700 93,170 102,487
売上原価   73.0% 51,100 56,210 61,831 68,014 74,816
売上総利益     18,900 20,790 22,869 25,156 27,671
営業費計     23,210 21,614 22,040 22,490 22,966
  人件費 2.0%   9,000 9,180 9,364 9,551 9,742
  地代家賃 0.0%   7,200 7,200 7,200 7,200 7,200
  販売促進費   3.5% 1,750 1,925 2,118 2,329 2,562
  その他経費   3.5% 2,450 2,499 2,549 2,600 2,652
  初期投資括計上分     2,000 - - - -
  減価償却費     810 810 810 810 810
営業利益     -4,310 -824 829 2,666 4,705
営業利益率     - - 1.0% 2.9% 4.6%

必要資金、売上計画、シミュレーションの数値などにつきましては出店状況によって異なります。 また、消毒費用等は含まず、売上や利益を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。

最終内容確認日2014年7月

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