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プロブロガー

目次

トレンド

1.年収1,000万円を超えるプロブロガーも登場

ブログとは、管理者が自身の意見やコメントを日記のようにWebサイト上に綴るものをさす。そのブログ上に商品やサービスの広告を表示、誘導を図ることで得られる成功報酬で生計を立てる人たちを「プロブロガー」と呼ぶ。プロブロガーの収入格差は大きいが、人気のブロガーであれば、年収1,000万円を超えることもある。また、ブログ上での投稿が世間で大きな反響を呼ぶ影響力の大きいブロガーは「インフルエンサー」と呼ばれる。企業が宣伝活動などに利用することが増えている。

2.インターネット広告媒体の拡大

従来の広告媒体と言えば、テレビと新聞が主流であったが、インターネットの普及により、2012年にはインターネット広告が新聞を上回り、今ではテレビに次ぐ広告媒体となっている。テレビや紙媒体の広告は今後も苦戦が予想される中、ブログやYouTube、SNSなどのインターネットを介した広告媒体は伸び続けることが予想される。

3.インターネット媒体の多様化

インターネット広告媒体の拡大もあり、一時期はたいへんな人気を誇ったブロガーであるが、近年は、Facebook、Twitter、InstagramなどのSNSが普及し、それらを通じて積極的に情報発信する人が増えている。また、動画サービスのYouTubeを活用したYouTuberの影響力も大きくなってきた。読者にとっては、情報発信源が急速に広がっていることを意味し、ブロガーを取り巻く環境も大きく変わっている。

1.プロブロガーの特徴

<収益の仕組み>
プロブロガーの収益の仕組みは、自身のブログへ読者を誘導し、彼らがブログに掲載されている広告ページをクリックまたは商品購入した場合に広告主から報酬が支払われるというものである。自身のブログへの誘導は、一般的にGoogleやYahoo!など検索サイトからの流入、FacebookやTwitterなどのSNSからのリンク、他サイトとの相互リンクなどによって図る。

報酬が入る仕組みとしては、Google AdSenseやAmazonアソシエイト・プログラムなどを利用することが多い。Google AdSenseの場合、自身のブログサイトに表示された広告がクリックされると、数円~数十円の報酬が得られる。単価は低いが、ページには読者の趣味志向に合致した広告が自動的に選別されて表示されるため、読者が広告をクリックする確率は高いと言える。

Amazonアソシエイト・プログラムの場合は、Amazonの商品広告を自身のブログサイトに張り、その商品が購入されたら購入金額の数%が報酬として得られる。報酬額は商品価格のわずか数%であるが、多くの読者が購入、または高額商品が購入されると、まとまった金額を受け取ることができる。

このほか、企業とのアフィリエイト契約で得られる報酬もある。商品・サービスを自身のブログで紹介し、読者がその商品・サービスを購入すると報酬が得られる成功報酬型が一般的である。広告主との仲介をするアフィリエイト・サービス・プロバイダーと呼ばれるサイトに登録することで、広告する商品やサービスを探すことができる。報酬額は、商品サービス、広告主によりさまざまである。自身の読者層の志向に合致した商品やサービスを選ぶことで、報酬を得る確率を上げることができる。

また、有名ブロガーになると、上記のような「成功報酬型」とは違い、広告費をもらう形で商品やサービスを宣伝することもある。この場合は、数十万円~数百万円といった高額な売上になるようである。

上記の施策を組み合わせ、かつ、ブログの読者数を上げることで、大きな収入を期待することができる。

<分類>
まず、どのようなスタイルで記事を書くかによって、ブロガーのタイプが分かれる。いわゆる「正統派」と呼ばれるタイプと「炎上系」と呼ばれるタイプである。記事の内容は、時事問題から趣味の話題までさまざまであり、各自が得意とする分野の話題を記事にする。このスタイルや記事の内容によって、ブロガーのカテゴリーが決定される。

2.プロブロガー 開業タイプ

ブログのスタイルや記事の内容によって、いくつかのタイプに分類される。

(1) 正統派

正統派は、自身の知識や世の中の情報を淡々と紹介していくタイプであり、どちらかと言えば評論家に近い。

(2) 炎上派

炎上派は、自身の主張を中心に発信するタイプであり、活動家のイメージに近い。記事の内容はさまざまであり、各自が得意とする分野の話題を記事にする。

また、取り上げるテーマによって大きく2つに分けることができる。

(a)時事問題系

政治、経済、社会問題などの時事問題を取り上げ、自身の見解や主張を述べるタイプである。当然のことながら、問題を取り上げ論ずるに足る知識や見識が求められる。

(b)趣味系

料理、園芸、旅行、健康、ゲーム、スポーツ、音楽など、さまざまな分野に絞った話題を紹介するタイプである。各自の得意とする分野の話題を紹介するものであるため、その内容は千差万別である。

また、サイトの運営形態により以下の2つに分かれる。どちらのタイプを選択するかで、その後の運営の仕方が変わってくる。ブログを立ち上げ、一定数の読者を獲得した後にサイトを変更することは、それまで積み上げてきたものを一旦捨てることになるため、スムーズな移行が難しいケースが多い。そのため、自分がどちらのタイプに適しているかをよく吟味してからブログサイトを立ち上げる必要がある。

・ドメインを取得して、自分のホームページをもつタイプ

独自ドメインを取得して、サーバーを借り、自身でブログ用ホームページを所有するタイプである。ドメインの取得には1,000円~2,000円程度、サーバーを借りるには年間1万円~1万5,000円程度の費用がかかる。ブログの内容はもちろん、広告の場所や種類についても制約を受けず、自由なサイトを構築することができる。

・ブログサービスを利用するタイプ

FC2ブログ、アメーバブログ、はてなブログなどのブログサービスを利用してブログサイトを立ち上げるタイプである。いずれのサービスも、簡単に無料でブログサイトを立ち上げることができる。これらのブログサービスは、すでに多くの読者を抱えており、SEO対策もなされているので、ブログ立ち上げ後、早期にファンが付きやすい傾向がある。なお、ブログサービスには、投稿記事の内容や広告設置に対して制約を設けている場合がある。事前に規約内容を確認するなどの注意が必要である。

3.開業ステップと手続き

(1)開業ステップ

開業に向けてのステップは、主として以下の5~7段階に分かれる。

(2)必要な手続き

プロブロガーを開業するために必要な認可など、特別な手続はない。

4.収益化の工夫

・マーケット分析
効率的な収益化を目指すためには、ブログ読者の分析が必要不可欠である。少なくとも、下記のような点は日々モニタリングしていくことが望ましい。
(1) どのようなキーワードで何人が自身のブログに来訪したか
(2) 掲載した記事を、いつ何人が閲覧したか
(3) どのページに、何人がどの程度の時間滞在したか

(1)に関しては、Google Search Console、(2)(3)に関しては、Google Analyticsを使えば管理が可能である。なお、ブログサービスを利用している場合は、運営側で上記の分析を無料で自動的に行ってくれるところが多い。上記分析により、ヒットしたキーワードや評判の良かった記事の傾向が分かる。そのキーワードや内容に関連した記事を多く掲載することで読者の訪問頻度を上げることができる。

・読者を集める流れづくり
FacebookやTwitter、InstagramなどのSNSへ登録して、自身のブログの告知や情報発信をし、他サイトとの相互リンクを行うなど、より多くの読者を自身のブログへ誘導する流れをつくることが大切である。

・多角化
ブログ執筆と同時に、InstagramやYouTubeでもアカウントをもち、マルチで情報発信をする人も出てきている。また、ブログが注目されることで、セミナーの講演依頼や関連書籍を執筆出版する人もいる。いずれも、新たな読者層を増やし、相互のメディアに誘導し合う相乗効果が期待できる。

5.必要なスキル

ブログの記事をおもしろくする話題の豊富さと見識、最新情報の収集力が必要とされる。そのためには、自身の得意分野をもっていることや、日々の情報収集や勉強が最低限必要である。

独自ドメインを取得し自分のホームページをもつタイプでは、自由なサイト運営が可能な代わりに、システム上の設定などはすべて自分で行わなければならない。ホームページを一から作り運営・改修できる程度のIT知識が必要とされる。

基本的に、ブログを長く続け良質な記事を掲載し続けると、Googleから良サイトと判断され、検索順位も次第に上位に上がってくる傾向がある。結果、来訪者が増える。ただし、Googleの評価基準は頻繁に変わることもあり、利用しているブログサービスの評価基準についても同様のことが言えるので、それぞれの最新動向については注意しておく必要がある。同じブログ仲間との情報交換や、アフィリエイトに関するセミナーに定期的に参加するなどして、情報収集を怠らないことも大事である。

当然ながら、読者を離反させないよう毎日ブログを更新する継続力が求められる。

6.開業資金と損益モデル

(1)開業資金

個人が自宅にてプロブロガーとして独立する際は、自身のパソコンがあれば、ドメイン取得費用とサーバーレンタル費用のほかは、特に開業資金を必要としない。非常に安価にスタートできる事業と言える。

(2)損益モデル

■売上計画(参考例)
プロブロガー(読者数10万人、自分のホームページをもつタイプ)

■損益イメージ(参考例)
プロブロガー(読者数10万人、自分のホームページをもつタイプ)

※個人事業主を想定していますので、営業利益には個人事業主の所得が含まれます。

※開業資金、売上計画、損益イメージの数値は、出店状況などにより異なります。

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものであるため、開業を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)