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内装リフォーム業

目次

トレンド

(1)住宅事情の変化によりニーズが拡大

国土交通省「住宅着工統計」によると、新設住宅着工戸数は1990年のバブル崩壊以降、減少傾向を続けており、今後についても、人口・世帯数の減少を背景に、住宅新築の大きな伸びは期待できないと予想されている。その一方で、現存の住宅をメンテナンスしながら長く使い続けようとする消費者も多く、住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住宅リフォームの市場規模」によれば、住宅リフォームの市場規模は1990年代の後半以降、7兆円前後で堅調に推移してきている。また、昭和や平成の時代に建築されたマンションが今、大規模修繕の時期を迎えているケースも多い。これらのことから、住宅関連市場では、リフォーム事業は今、有望な分野として注目されている。

(2)多くの業態からの参入

注目を集めるリフォーム事業へは、既存の住宅メーカーや建設会社だけでなく、他業種からの参入も進んでいる。たとえば、水道・ガス・電気といったインフラ事業者、ユニットバスやトイレなど水回り関連設備の事業者などからの参入も多くある。

内装リフォーム業の特徴

・内装リフォーム業は、建設業法における職別工事業の「内装工事業」に分類され、産業分類では「床・内装工事業」に分類される。具体的には、主として、床タイル、床シート、カーペット、フローリングブロックなどの取付け・仕上げ工事のほか、壁面への繊維板の張り付け、壁紙、その他装飾工事を行う事業である。また、バス・トイレなどの水回り設備の改造、高齢者向けのバリアフリー化への対応も行っている。

・新規参入も多く価格競争にさらされることも多いため、内装事業者の中には、家具などのインテリア用品の販売を兼業としたり、住宅資材に新素材を扱うなどして他社との差別化を図っている事業者もある。

内装リフォーム業業態 開業タイプ

あらかじめコンセプトを定め、それに沿って事業所タイプを選定することが重要となる。

(1)専門特化型

たとえば、水回り設備の改造、バリアフリー化、壁・床のクロス・タイル張替えなど、特定の業務内容に絞って開業するタイプである。このタイプでは、クロス職人などが個人で独立して開業するケースも多い。最初は専門特化型の内装リフォーム業として開業して、その後、徐々に業務領域を拡大していくという道もある。

(2)多ニーズ対応型

内装リフォームの具体的な業務内容は、上述のとおりであるが、より幅広いニーズを獲得するため、家具やカーテン、室内装飾品などインテリア関連の商品販売や、リフォーム全般に関するコンサルティング業務、害虫駆除など、周辺業務へも対応できる体制を整えた事業者も多い。しかし、幅広いニーズを得ることができるが、多様な人材の確保・育成や体制づくりも必要である。

開業ステップと手続き

(1)開業までのステップ

開業に向けてのステップは、主として以下の7段階に分かれる。

開業までのステップ

(2)必要な手続き

建築士法第3条によると、「大規模の修繕」又は「大規模の模様替え」を行う者は、一級建築士でなければ、その設計又は工事監理をしてはならない、と規定されている。しかし、内装リフォーム業の行う工事は、建築業法における「軽微な建設工事(※)」に該当する場合がほとんどであるため、一般的に、内装リフォーム業を行う際に必要な資格や許認可等はないと言える。

「軽微な建設工事」の定義
①建築一式工事(総合的な企画・指導・調整の下で建築物を建設する工事)において、工事1件の請負代金が1,500万円未満、または延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事 ②建築一式工事以外の建設工事において、工事1件の請負代金が500万円未満の工事

顧客づくり・サービスの工夫

・顧客開拓のルートとしては、自社HPの作成と比較サイトへの登録のほか、ハローページへの掲載、住宅・リフォーム関連の新聞・雑誌への広告が有効である。また、近隣地域への新聞の折り込み広告やポスティングチラシなども実施したい。広告には、自社の施工例を施工前後の写真付きで掲載するなどの工夫も必要である。また、地元の住宅販売会社と提携し、地域の中古住宅の購入者を紹介してもらうという方法もある。

・住宅資材の品質は新素材の登場で年々、改良されている。住宅資材関連の展示会には参加したり、住宅展示場で最新の内装事情を見学したりして、常にサービス向上のための材料探しや情報収集を怠らない努力が必要である。

必要なスキル

・内装リフォームに必要な技術は、内装工事業者に就職して実務を通して身に着けるほか、職業訓練校でも身に着けることができる。
ただし、新素材への対応に関しては、扱い方を自ら研究したり、有識者に聞くなどして身に着けていく行動力が必要である。

・顧客ごとにリフォームのニーズは異なる。よって、顧客と接触できた際に相手のニーズを明確に把握できる営業力(ヒアリング力)が求められる。ニーズを明確にした上で自社で対応できることを提案し了解を取ることを丁寧にできるかどうかが重要である。この作業ができていないと、リフォーム工事が完成してから「想像していたものと違う」といったクレームになる可能性が高いからである。

開業資金と損益モデル

(1)開業資金

たとえば、壁・床のクロス張替えを中心とした場合、糊付け機・撹拌機(5~10万円)、脚立・足場板(数種:5万円)、各種工具(30万円)、その他備品(10万円)、移動用車両(50~150万円)等が必要であり、他に、事業所賃料、事務机、パソコン等の費用がかかる。
以下は、マンションや一戸建て住宅のクロス張替えを専門とした事業者を例としたものである。

【参考】:事業所面積約10坪の内装リフォーム業(住宅向けクロス張替え)を開業する場合の必要資金例

必要資金例の表

(2)損益モデル

■売上計画

事業所の立地や業態、規模などの特性を踏まえて、売上の見通しを立てる。平日、休日で施工数を変えるなど、より現実に即した内容で作りこむことが重要である。

(参考例)内装リフォーム業(住宅向けクロス張替え)

売上計画の表

※平日のいずれか1日を休業日に設定

■損益イメージ

(参考例)内装リフォーム業(住宅向けクロス張替え)

損益のイメージ例の表

※人件費:従業員1名を想定

※個人事業主を想定していますので、営業利益には個人事業主の所得が含まれます。

※開業資金、売上計画、損益イメージの数値は、開業状況等により異なります。
(本シリーズのレポートは作成時点における情報を元にした一般的な内容のものであるため、開業を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

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