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起業のススメ 社会人起業VS学生起業

学生起業 ビジネス現場でできなかったことを大学で実現 株式会社wizpra(ウィズプラ) 今西良光氏

社会人を経験して、その中で見つけたニーズを基にベンチャー企業を立ち上げる起業家は少なくない。また、学生時代に学んだ中からビジネステーマを見つけ、そのまま就職せずに創業者となる若者も増えてきている。両方に当てはまる異色の創業者が、wizpra(ウィズプラ)を立ち上げた今西良光社長だ。

「日立」と「ユニクロ」という新旧の日本を代表する企業に勤め、そこで感じた違和感を学ぶために大学院に戻った。現場で見つけた課題を解決するために大学に学び、再び社会に飛び出す。このようなケースは米国では珍しくないが、日本ではまだまだ少ない。真のキャンパスベンチャーとも言えよう。

違和感と現場での失敗

ウィズプラは、インターネットを通じて従業員の意欲を高めるサービスや、顧客向けアンケートを業務改善に活かすサービスを展開する。一見、ネットを駆使する最先端のベンチャーに見える。だが、社長の今西は「ネットはあくまで手段。人と人との関係を良くするお手伝いをするのが目的」と断言。日ごろの営業活動も必ず足で回り、直接コミュニケーションを大切にする。背景にあるのは、新旧の日本を代表する企業でのビジネス経験、そしてそこで感じた問題をとことん突き詰めた大学院での経験にある。

「気合と根性」。これが、今西がビジネスの現場で感じた違和感だった。今西は大学を卒業後、日立製作所に入社し官公庁向けを中心としたシステム営業を行っていた。典型的な日本的ビジネスの現場から一転、急成長していたファーストリテイリングに転職しユニクロの店舗管理に携わる。ただ、イメージとは裏腹に現場は変わらなかった。「ユニクロは接客業の中で最も業務が効率化された会社。それでも気合と根性でしか乗り切れないところがある」と感じていた。それでも「システム営業で得た経験を合理的な改善プロセスに活かせないか」と感じていた頃、ショックな出来事がおきた。それは従業員とのコミュニケーションだ。

100人からの部下を抱え、誰が頑張っているのか現場が見えなくなっていたのだ。何気なくしかった部下が、実は自他ともに認める頑張り屋だったのだ。「現場でトラブルが起きてもマネージャーが早く感じ取れれば、芽が小さいうちに対処できる。多くの従業員が互いの声を共有できれば、現場は明るくなり士気も向上するだろう」。その方法をみつけるために早稲田大学の大学院商学研究科(MBA)に入学した。

協力と切磋琢磨

大学院では経営者としての心構えを学ぶだけでなく、創業を目指す仲間と切磋琢磨することで、おぼろげなアイデアが徐々に明確になっていった。それが、従業員個々の“ナイス”な取組みを見える化し、社内全体で共有できる参加交流型サイト(SNS)の開発だ。「褒める」という行為をビジネス文化に持ち込み、それをきっかけに社内のコミュニケーションを活発化させようという目論見だ。ビジネスシーンでも喜怒哀楽をはっきり表すことが珍しくない欧米に対し、「叱るも褒めも遠慮がち」な日本の企業でのコミュニケーション改善とでもいうべき発想だった。

早大生の協力を得て実験を繰り返す。だが、どんなレベルで書き込めばよいのか、質を安定させるのに苦労した。起業を目指す大学院の仲間が互いの顧客や友人を紹介してくれて、構築したシステムを作り直したこともあった。ウェブシステム会社から最高技術責任者(CTO)を招き、学生と一緒に取り組む中で技術面の課題がクリアできた。そして2013年11月、この提案がNTTドコモの起業家支援プログラムに採択されて賞金を獲得する。グリーベンチャーズの堤達生氏(現社外取締役)と出会い、ビジネスの方向性がさだまった。

社員から顧客へ、新たな可能性

2014年2月、「Pozica」(ポジカ、現ウィズプラカード)として発表した。ポジカはポジティブカードの略で、スマートフォンを使った社員間のSNSサービスだ。正社員だけでなくアルバイトやパートも含め、全従業員の間でポジティブなコミュニケーションを取り持つ。

「ありがとう」「さすが」「連絡」などのカテゴリーにメッセージカードを投稿し、リアルタイムで全員が閲覧できる。「○○さんの対応、的確でした」「○○さんの笑顔がよかったです」「○○売り場の陳列、とってもきれいです」など、ちょっとしたお褒めや感謝をメッセージで投稿する。最大の特徴は、良いことだけを投稿すること。褒められて気を悪くする者はいなし、SNSの弱点である誹謗中傷で荒れることもない。この仕組みこそが、今西がユニクロ時代に部下とのコミュニケーションで真に必要としていたものだ。

旧知の仲間を頼って営業活動を始めると、ニーズの強さをひしひしと感じた。誰もがコミュニケーションの取り方に苦労していた。「自分のやってきたことは間違っていなかった」と今西は確信した。3月には、日刊工業新聞社主催の「キャンパスベンチャーグランプリ」全国大会で経済産業大臣賞を受賞した。

少しずつ企業に導入されるにつれ、新たなニーズが浮かんできた。それは「顧客間コミュニケーションの見える化」だ。今西は、米国で話題となっている顧客の継続利用意向を知る調査法「NPS」に着目する。NPSに関する論文を集め、関連サイトを参考にし、同年8月、顧客アンケートを即時的に数値化し閲覧できるサービス「ウィズプラNPS」をスタートした。

社員満足度の向上が顧客満足度の向上につながり、それが回りまわって企業の収益に跳ね返る。小さな仕組みが会社を変えられるかもしれない。現在はフィットネスクラブや飲食店、カラオケボックスなど約60社が導入している。「NPSはまだ日本に浸透しておらず、先行社としてのメリットがある。多くの企業に採用してもらい、かつ次の新製品につながるニーズも感じ取るべく、粘り強く営業活動する」と今西。これからも一社一社、足で訪問し、提案していく考えだ。地に足が着いたサービスが、キャンパスから広がろうとしている。

(敬称略)

今西良光氏

新しいことにチャレンジしたいと考えている人はどんどん起業してください。おすすめします。日本ではチャレンジがたとえ失敗したとしても、決して命を奪われることはありません。チャレンジをしないことは損です。人生は一度だけ。自分の可能性を信じて、突き進んでいってください。

企業プロフィール

社 名 株式会社wizpra(ウィズプラ)
法人番号 4011101066041
代 表 今西良光
事業内容 インターネットサービス事業、サービス業向け教育研修、コンサルティング事業
所在地 東京都中央区八重洲2-2-10 南星八重洲ビル4階
設立年月 2013年3月

掲載日:2016年3月 7日

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