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ハエの幼虫の性質を利用したリサイクル【Green Waste Technologies】

ユニークなハエの幼虫の性質を利用して残飯からタンパク質とオイルを作る。現在特許出願中。

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Green Waste Technologies, Inc.
創業者、社長 Olive Lynch

ITバンキングのコンプライアンスやデータアナリストの仕事に10年間携わるが、2008年に失業。これを機に、従来から関心があったリサイクルでの起業を目指す。新聞記者、パラリーガル、コンピュータソフトのトレーナーなどの職歴もあり、オペラ歌手としてトレーニングを受けていたこともある。

目次

レイオフをきかっけに全く新しい分野にチャレンジ

──Green Waste Technologies, Inc.(以下、GWT)を設立する以前のお仕事は?
過去10年間、ITバンキングのコンプライアンスの仕事をしており、メリル・リンチ、モルガン・スタンレー、シティグループ、バンク・オブ・アメリカなどの顧客に対してコンサルテーションを行なっていました。それ以前には、新聞記者、パラリーガル、コンピュータソフトのトレーナーなどの仕事をしていたこともあります。
──GWTを設立するきっかけは何でしたか。
2008年にレイオフされてしまったんです。もともと農業や有機農法、エコロジー等に関心があったのですが、することがなくなり時間だけはたくさんあったので、ウェブ上でコンポストについてリサーチを始めました。そして、これだと思うアイデアが見つかったので、大学の博士課程でその方法について研究し、52歳で売れ残った食材や食べ残しをリサイクルして再利用する会社を立ち上げました。
──どのような方法でリサイクルを行なうのですか。
ブラックソルジャーというハエの幼虫に注目しました。このハエの成虫には口がありません。産卵のためだけに生まれて死んでいきます。ところが幼虫は、成虫になって産卵して死ぬまでに必要なエネルギーを溜め込むために膨大に食べるので、幼虫の体にはオイルとタンパク質がとても多く含まれています。しかも、この幼虫が消費した食物の重量の95%までをオイルに変換することが可能なのです。そこで、この幼虫のユニークな性質を使い、このハエの繁殖を管理することによって、残飯をリサイクルしてタンパク質やオイルを作る技術を開発しようと考えました。
──そうしてできたタンパク質やオイルでどのような製品を作ることが可能ですか。
タンパク質は家畜や養魚場の魚の餌などとして、オイルは暖房用の燃料として使用が可能です。また、これ以外に全く新しい製品も考えています。

食品工場やスーパー、レストランとの提携を目指す

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──この方法でリサイクルを行なっているビジネスは他にありませんか。
他にも数社、この技術に取り組んでいるところがありますが、私が知る限り、まだ実用化にこぎ着けたところはありません。私はすでにビジネスモデルを構築し、現在特許を申請中です。
──リサイクル技術はいつ頃完成の見通しですか。
これまで、施設建設の用地探し、建設許可の取得、施設の改良などに半年の時間を費やしました。今はカウンティと州から操業開始許可が下りるのを待っているところです。研究開発にはあと2年はかかると思います。
──この技術を使って、どのようなビジネスを考えていますか。
現在、リサイクルのための研究開発施設を建設中で、これが完成したら、この施設に食べ残しや余った食料品などを運び込んできてもらってリサイクルします。ある程度の規模でリサイクルができるようになったら、レストラン、スーパー、食品加工工場などとのビジネス提携を進めて行く予定です。また、この技術はローテクで手作業を必要とするため、高い技術を必要としない雇用創出も期待できます。
──起業家として成功するためにはどんなことが必要だと思いますか。
私は分析することが好きなのですが、一方でクリエイティブな面も持っています。問題に直面したときは、他の人が誰も考えないような方法で解決することを心掛けていますね。「全く別の方法を試してみよう」と。また、たとえ素晴らしいアイデアを持っていたとしても、自分だけでそれを実現するのは無理。考えを共有できる仲間を見つけて、自分が持っていない才能やスキルを借りることが大切だと思います。
──次のステップとしてすべきことは何ですか。
カウンティと州から認可が下りるのを待って、すぐに操業をスタートさせることですね。

Green Waste Technologies, Inc.のホームページ


掲載日:2012年7月17日

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