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頑張れシニアベンチャー
地場産品の企画・開発で世界のマーケットへ【ルネサンス・プロジェクト】

焼酎を中心に九州の地場産品を企画・開発。21世紀型の提案商社として、グローバルな事業展開で年商100億を目指す。

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株式会社ルネサンス・プロジェクト
代表取締役社長 中村鉄哉(なかむら・てつや)

1959年生まれ。山口県出身。北海道大学経済学部在学中にマサチューセッツ州立大学に留学。84年卒業、三井物産株式会社入社。九州支社への転勤で地場の焼酎蔵元と出会い、新商品を開発。2006年に退社し、株式会社ルネサンス・プロジェクト設立。

目次

焼酎の蔵元との出会いから始まった起業への道

──起業までの経緯ときっかけは?
大学卒業後三井物産に入社し、14年ほどで東京から九州支社に転勤になりました。そこで焼酎をつくる時に出る焼酎かすを処理するプラント事業の営業で九州の蔵元を回ったんです。当時の焼酎のイメージはまだ「安い」「まずい」というもので、経済状況もあり、経営難に陥っている個人蔵元が大変多いことを知りました。
しかし、同時に生産者の方々の焼酎に対するこだわりや高い技術を知り、その潜在能力を生かして付加価値を付ければ必ず勝機はあると、共同で新商品を開発しました。その事業が面白くなってきた時、再び東京への異動を打診され、それなら自分でやろうと、九州へ来て8年経った頃、退社して起業する道を選びました。
──付加価値を付けるというのは具体的にどういうことでしょうか?
基本的には、味覚や製法はもちろん、ネーミングやラベルデザインまで徹底的に吟味し、一新します。職人気質の蔵元を説得するのは大変でしたが、焼酎をひとつの作品と捉え、焼酎のイメージをパラダイム・シフトさせて、「うまい」「リーズナブル」という新しいイメージに変えることを目指しました。高めた価値や品質にふさわしい場所で販売することにもこだわり、東京や大阪の飲食店への営業にも力を入れ、その結果、たとえば本格芋焼酎の「阿吽(あうん)の人」のように定価7,000円という高額でも売れる作品も誕生しました。

地場産品という文化を世界に紹介

──手掛けた商品数も多く、販売先は海外にも広がっていますね。
九州の蔵元14社と提携し、現在では、芋、麦、米の焼酎および和製リキュール類を入れて70近くの銘柄のアルコール飲料を開発し、さらに果実酢や、地鶏、乳製品などの分野でも地場産品のブランド化に取り組んでいます。販路は、国内だけでなく、中国やフランスなどにも拡大しています。九州の地場産品は、単なる商品ではなく、ひとつの文化です。私はその文化を世界に紹介したいと考えています。
芋焼酎と有田焼という九州を代表する2つの資源を融合させた「八起(やおき)」という商品も開発していますが、これなどは特に海外マーケットを意識しています。
──反対に海外から九州への輸入も手掛けられているとお聞きしました。
福岡市はフランスのボルドー市と姉妹都市で、その縁で九州の焼酎をフランスに売り込みに行きました。その時、フランスにも九州の蔵元のように経営が苦しい小規模シャトーがたくさんあることを知りました。そこで、焼酎で培ったノウハウを生かし、独自のブランド力を持ったワインとして日本に紹介してはどうかと考え、ボルドーワインと九州焼酎を相互輸入する「サムライ・プロジェクト」を立ち上げました。
今では良質の有機ワイン(ビオワイン)として市場に認知されてきています。地場に埋もれた銘品を発掘し、消費者の視点で磨き上げ、長期かつ安定的なブランドに育てるのが当社の仕事。それは、世界中どこでも通用すると思います。
──最近はさらに農業とレストランを結び付ける事業にも乗り出されています。
経営は攻めです。消費者の動きは速いし、焼酎ブームも去り、供給過剰は明らかです。ミクロの視点でマーケットのパイを奪うための戦略を考えると同時に、マクロの視点で先を見つめて攻める姿勢が大切です。
そこで当社では、私の出身地である山口県防府市で約2ヘクタールの土地に農場を開設し、そこで生産する減農薬野菜を使った料理を出すレストラン事業をスタートしました。ヤギや鶏なども飼育し、乳製品などとしてレストランの食材に使い、家畜は、雑草やレストランの残飯処理にも活用します。
──環境にも優しいエコファームですね。
減農薬や循環型の農業というだけではありません。この農場は、鶏舎の屋根などに太陽光パネルを設置することで、出力1,000キロワット以上の大規模太陽光発電所の機能を備えています。発電した電力は温室の照明など農場でも使いますが、9割以上を中国電力に売電し、農作物の販売などと合わせ、農場の事業全体の売上高として2012年度に約1億円を目指しています。農場では定年退職後の高齢者を積極的に雇用し、少子高齢化や農業離れが進む地方都市の活性化につなげたいと思っています。

地域に密着した事業展開で年商100億を目指す

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──創業6年で目覚ましい躍進を遂げていますが、今後の取り組みは?
今、もっとも注目しているのが、IT関連ビジネスです。福岡には、大ヒット作を制作したゲーム制作企業や、大手企業と取引するインターネット関連企業、携帯コンテンツ制作企業などが集積しています。現在、当地の若手ベンチャー企業である株式会社ヴァイス(今治智隆社長)とタッグを組んで、新しいソーシャルゲームの開発に取り組んでいます。たとえば現実の農場でのヤギの飼育とか里山発電をバーチャルに体験し、さらに実体験とリンクさせるというような新発想のゲームをどんどん提供していくつもりです。
──焼酎からITまで、多彩な事業展開ですね。
ルネサンス・プロジェクトという会社の役割は、地域とともにビジネスをつくっていくこと。福岡ではITも自信を持って誇れる立派な地場産品です。地域に密着した事業展開で、地場産品を磨き上げて世界のマーケットに送り出し、そのブランド力を国内外に発信し続けたいと思っています。目標は年商100億円。まだまだこれからです。

株式会社ルネサンス・プロジェクトのホームページ


掲載日:2012年3月13日

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