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頑張れシニアベンチャー
独自の機能性ガラスで、環境と健康に貢献する事業を展開【創生】

水の表面張力を小さくする独自の機能性ガラス開発で注目を集める「創生」。創業者の松尾靖隆さんは、40年以上に及ぶガラスの研究を通して、地球環境と人の健康に貢献する事業を展開している。

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株式会社創生
代表取締役 松尾靖隆(まつお・やすたか)

1945年生まれ。福岡県出身。芝浦工業大学大学院修士課程修了。株式会社オハラでアポロ11号のガラス開発などに携わった後、福岡に戻ってマルティグラス株式会社に入社。一貫してガラスの研究開発に取り組み、51歳で独立。世界を視野に独自開発の機能性ガラスの普及を目指す。

目次

世界で初めての機能性ガラス<バイオグラス>を開発

──現在の事業内容についてお聞かせください。
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主たる事業は、機能性ガラスの研究開発です。私は40年以上にわたるガラスの研究で、さまざまな鉱石を原料とした機能性ガラスの開発技術を蓄積し、特に水に作用を及ぼす世界で初めてのバイオグラスの開発に成功しました。2009年に特許を取得したこのバイオグラスは、水の表面張力を小さくする働きがあり、車のラジエーターの補助タンクに入れるだけで冷却効果、燃焼効率がUPし、燃費をよくするだけでなく、有毒排気ガスも減少させます。久留米工業大学との共同研究で実証試験も行ない、10%以上燃費が改善するという結果を得ました。
現在「カーアップ」という商品名で、九州三菱自動車販売、九州マツダ、福岡ダイハツなどディーラーを拠点に販売しています。10万個以上の販売実績があり、今後はトラックなどの大型車や船舶用などにも力を入れていくつもりです。
──過去のお仕事の経験を生かして創業されたのですね。
創業は1997年で、51歳の時でした。私が大学院を出てまず勤めた会社は、神奈川にある株式会社オハラという光学ガラスのメーカーで、そこではアポロ11号の窓ガラスを開発するプロジェクトに参加しました。自分の開発したガラスとともにアポロが無事、月面着陸した時は、本当に感動しましたね。
さらに公害が問題になっていた頃で、3カ月以内に、カドミウムなどを使わない無公害の光学ガラスをつくれと言われ、まさに不眠不休で研究に没頭しました。この会社での経験が今の私の原点です。しかし、30歳になる少し前に、父が体調を壊したこともあって福岡に戻り、一時教員をしましたが、どうしてもガラスの研究がしたくて、服部セイコー(現セイコーホールディングス)の子会社であるマルティグラス株式会社に入社しました。置物や花瓶などをつくる会社ですが、ここでは3年間で120種類くらいの色ガラスを開発しました。

アライアンス型の経営を目指す

──会社をやめて起業しようと思われたきっかけは?
マルティグラスで常務になり、研究開発の現場から離れざるを得なくなりました。私は天然鉱石から新しいガラスをつくるという自分の研究をどうしても続けたいと思い、独立を決心したわけです。もちろん不安もありましたが、なんとかなると(笑)。とはいえ、資金も限られ、設備投資などはできませんから、自分で資産を所有する経営ではなく、外部の経営資源を活用して効率よく経営するアライアンス型の経営を目指しました。
──具体的にはどのような経営でしょうか?
会社員時代に培った人脈を生かし、製造管理・生産に関しては、マルティグラスにいた頃知り合った韓国のガラスメーカーの社長に一任しています。おかげで私は研究に集中することができます。開発型の商品は、製造現場と何度もやりとりして、作っては、作り直し、ということの繰り返しです。彼とは20年来の付き合いがあり、信頼できるからこそ、パートナーとして、あるいはひとつのチームとして開発に取り組むことができ、アライアンス型の経営が実現できました。また、販売は代理店に委託しています。

無限に広がる機能性ガラスの可能性

──最初から、水に作用する機能性ガラスの開発を目指していたのですか?
独立当初、大手食品メーカーから、ブロイラー工場で行なう殺菌工程をなんとか塩素などを使わずに水だけでできないか、と相談を受けたことから始まりました。いろんな鉱石の間を通って湧き出している山の水は美味しいでしょう? それが発想の原点で、そこから、鉱石を使って水の本来の働きを引き出すことを考えました。1年かかって試験を繰り返し、最終的には、薬品なしで水だけで除菌できるようになりました。かなりの高額でその処理水の独占権の移譲をメーカーから要請されましたが、その話をお断わりし、この機能性ガラスのより大きな可能性に向けて挑戦を続けたんです。
──車の燃費向上以外にも活躍しそうですね。
ボイラーや自家発電など、燃料を使用するすべての分野で応用できます。さらに、当社のバイオグラスは、水の中に入れるだけで水の表面張力を小さくするため、たとえば農業で使うと、根からの水の吸収がよくなり、作物が健康に育ち、収穫量も上がります。すでに農業用活水器も開発していますし、今後も人の健康や環境に貢献するさまざまな応用商品が期待できます。
ガラス業界は今、いかに不純物を取り除いてきれいなガラスをつくるかにしのぎを削っていますが、当社のガラスはその真逆です。いかに異物を入れて機能を持たせるかに腐心しているわけで、その意味で、本当にうちにしかできない開発だと自負しています。でもまだこのガラスは開発途中なんです。私は今65歳ですが、あと5年、70歳までにさらにさまざまな試験を重ね、高機能を実証したバイオグラスを完成させたいと思っています。



株式会社創生のホームページ


掲載日:2011年7月19日

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