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頑張れシニアベンチャー
専門のブランド戦略を活かし こ洒落れたお好み焼き屋を開店【せんしゅう】

起業して自分らしい仕事をしたいと考えるシニアにエールを送るコーナーです。 60歳の誕生日に大手電機メーカーを定年退職した岡本さん。今度は「まったく違う仕事をドラスティックにやってみたい」と自宅近くでお好み焼きの店を始めました。ライバルがひしめく中、前職で培ったブランド戦略のノウハウを店作りに活かしました。

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お好み焼き屋「せんしゅう」店主
岡本千秋<おかもと・ちあき>

昭和23年生まれ。工芸高校デザイン科卒業後、シャープ入社。宣伝部・デザイン部門を経て、40歳頃から本社のブランド戦略の企画立案・推進に携わる。平成20年9月会社を定年退職し、翌21年2月28日、自宅近くでお好み焼きの店「せんしゅう」を開業する。あえて宣伝は一切行なわず、家族のクチコミと親戚の応援を支えに日々奮闘中。

目次

当初の予定は中国の販売会社でブランド戦略

――いつお好み焼きの店をオープンされましたか。
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本当は3月半ばの開店予定でしたが、大家さんが「商売するんだったら絶対この日がいい!」と言うので、2週間ほど早め2月末にオープンしました。お好み焼きと焼きそば、スジ(肉)ポン(酢味)主体の店で、お好み焼きは定番のブタ、イカをはじめ、すじ肉、もちチーズなど7種を、ほかに焼きそばと焼きうどん、ご飯セットなどを用意しています。店は一見したところでは喫茶店のように見える洒落た外観に仕上げました。昼と夜が営業時間です。
――大手電機メーカーの社員からの思い切った転身ですね。
元はグラフィックデザイナーで、40歳頃から会社全体のブランド戦略の企画立案や管理に携わってきました。定年になる頃ちょうど仕事が一段落したので、自分もいったん会社の仕事をリセットして新たなスタートを切ろうと......。絶対起業しようと考えていたわけではありませんが、人生を楽しく生きていくために仕事は切り離せないので、ずっと働き続けたいと思ったんです。年金が満額出るまでのつなぎにしたいというのもありました。
――お好み焼き屋をすることは早くから決めていたのですか。
いいえ。本当は中国にある販売会社でブランド戦略を手伝う話があって、そちらに乗るつもりで家内ともども1年ほど前から中国語を習っていたところ、景気後退で話が立ち消えになってしまいました。当初の予定では3年ほど中国で仕事をし、その後帰国してお好み焼き屋を始めるつもりでしたが、予定を変更して前倒しで店を始めたということです。
――でも店をするにはそれなりの準備が必要ですよね。
お好み焼き屋をすることに決めたのは大好きな食べ物だったのと、昔お袋がお好み焼き屋をしていて私にとって身近な商売だったから。中学時代、私はお昼にお袋の作ってくれた焼きソバを食べるため毎日走って家に帰っていました(笑)。
 開店に備え、退職する1年ぐらい前から家内と一緒に大阪中のお好み焼き屋を食べ歩いて味を研究し、自分の目指す方向を固めました。ソース会社の主催するお好み焼き教室にも3日だけ参加して、開店のノウハウをひと通り教えてもらいました。その通りにはなりませんでしたが参考にはなったかな。
――ブランド戦略がご専門ですが、ご自分の店作りで工夫されたことがあったら教えてください。
お好み焼きの味はおいしい生地とソースでほぼ決まるので、この差別化をどうするかが課題でした。各店が生地作りを工夫していますが、うちの場合は家内が料理好きでダシを取ったりするのはかなり高いレベルと思っていたので、"家内の作るおいしいお好み焼きを店で提供する"をコンセプトにしました。ソースにもこだわっていろいろ探しました。

中国かオーストラリア辺りへの進出を目指す

――物件探しや改装など店の準備はスムーズに進んだのですか。
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9月に退職して半年後に開店することに決め、11月から自宅近くで物件を探し始めたところ、12月にお好み焼き屋として作られていたこの店と巡り合いました。大工さんが奥様の商売のために作られたので、30年以上経っているのに材質とセンスが良く、ほとんどリフォームもせずに済み400万円弱で店をすべて準備できたのでとても助かりました。
――開店時は一切宣伝されなかったそうですが、なぜですか。
ブランド戦略で、商品の次に大事なのはサービスです。チラシを撒いてたくさんの人が来てくれても、素人ばかりでモタモタしてうまくお客さんの要望に応えられないとかえって評判を落とす結果になるだけ。だからあえて宣伝しませんでした。今は元々開店を知っていた近所の人と家族の知合いがクチコミで来てくれている状況ですが、それが丁度いい(笑)。
――知り合いの方たちがたくさん店を応援してくれているそうですね。
開店前、行きつけの飲み屋のオーナーや飲み仲間10人余りが、「オープンしてたちまち困ったらあかんから、訓練したるわ」と一気に店にやって来ました。皆てんでんばらばらに注文するので大変でしたが、お陰で今お客さんが一気に入ってこられてもパニックにならずに済んでいます。店のお品書きは元習字の先生だった父が、餅は義母が定期的について送ってくれ、子どもたちは店を手伝ってくれます。皆が協力してくれるのが有難いですね。
――まだ開店されたばかりですが、将来の夢もお聞きしていいですか。
3年は頑張って、できれば粗利70%ぐらいまで持っていきたいなと。うまく乗り越えられたら次は5年10年と頑張って、その間に簡単には実現しないと思いますが、中国かオーストラリア辺りに日本人相手のお好み焼きの店を持てればと思っています。そして、阿木耀子さんのように「ああ楽しいな」を口グセに、80代まで現役で楽しく生きたいですね。


掲載日:2009年6月 9日

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