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頑張れシニアベンチャー
江戸の元祖広告宣伝媒体 南京玉すだれでビジネス展開【フナガイ企画】

起業して自分らしい仕事をしたいと考えるシニアにエールを送るコーナーです。大道芸が趣味というと定年後の余技と思われがちですが、江戸時代の薬売りや雑貨売りなどがルーツで、広告宣伝のビジネスの一貫でした。舟貝さんは、「システムと考え方次第で大きなビジネスになる」と力説する。歴史がある分、まだまだ改善の余地があるとか――。

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フナガイ企画代表/日本南京玉すだれ協会専務理事 八房善香こと舟貝政夫
昭和15年生まれ。高校卒業後、関西電力入社。56歳で子会社に移り、平成15年6月、62歳で定年退職。"一職場一趣味"をモットーに在職中に培った南京玉すだれ等の芸を活かし、同年10月、大道芸の企画・出演、各種セミナーを請ける事務所を設立。現在、会社や施設、商店街、パーティのイベント等で活躍中。夢は日本の伝統芸である南京玉すだれを世界中に拡げ、世界選手権大会を開くこと。

目次

定年後、電気技術者の選択肢もあったが

――フナガイ企画はどのような事業をしていますか。
大きく2つあり、1つは南京玉すだれや皿回し、傘回しなどの大道芸企画と出演、もう1つがセミナー講師です。セミナー講師はさらにカルチャーセンターで南京玉すだれや三味線を教えるのと、私自身の経験を語るシニアライフセミナーがあります。ほかに日本南京玉すだれ協会の専務理事として渉外を担当し、玉すだれの故郷である富山県五箇山で隔年開催の全国選手権大会に向けて人集めや資金集め、地元との調整などを担っています。
――南京玉すだれを学ばれることになった、そもそものきっかけを教えてください。
電気系技術者として異動の多い職場にいた私は、40歳ぐらいから"一職場一趣味"をモットーに、各職場で素人名人の先輩に触発されて俳句や民謡三味線を学んできました。ある時、落語を聴きに行ったら後の余技として演じられた南京玉すだれにメインの落語以上に拍手が多く、「ああ、面白いな」と思って早速大道芸人の八房梅香に師事しました。会社で演芸クラブを作って施設慰問を行なっていたので、演目に取り入れようと思ったんです。
――でも退職後に事務所まで立ち上げるとは並の入れ込みようじゃありませんね。
5年ほど学んでひと通り芸を身につけた頃、社内の有志の新年会で披露する機会がありました。拍手してくれた社長に、「会社のイベントに私を採用してくれませんか?」と直訴したところ即OKになり、その後関西電力のオール電化キャンペーンに他社の芸人さんたちと共に出演させてもらうようになったんです。1度出演するとそれを見た人からお声をかけていただき、友だちも業界誌に売り込んでくれたりしてだいぶ仕事先が拡がりました。
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――元の職場がらみで仕事することも可能だったそうですが、未練はなかったのですか?
定年後、現場の電気技術者になる選択肢もありましたが、私は管理的な仕事をしていたので現場仕事はあまり得手じゃなくて......。それよりも南京玉すだれを多くの人に見ていただく方が楽しそうだと思ったんです。でも起業した直接のきっかけとしては、元の会社からの支援が大きいですね。普通は営業で一番苦労しますから、すでに得意先があるというのは、とてもありがたかったです。師匠も私が(*)"ひとりビジネス"するのを応援してくれました。
*ひとりビジネス:(中高年者が退職後)会社を大きくすることを目的とせず、自分一人で自分の好きなビジネスに関わっていく生き方。「生涯現役」「人生二毛作」がキーワード。

単なる芸ではなく広告宣伝

――演じる上ではどんなところが一番難しいですか。
師匠の教えは「失敗しても笑顔で返せ」。芸人の極意は難しい演技を簡単に、簡単な演技を難しく見せることだそうですが、私も時にわざと失敗してお客さんを驚かせたり、喜ばせたりしますが、なかなか上手くいきません。この辺はキャリアの差が出ますね。お客さんの反応を見ながら、どうしたら楽しんでもらえるかを常に考えています。
――南京玉すだれにビジネスとして大きな可能性を見ていられるそうですね。
元々これは江戸時代の薬売りや雑貨売りがルーツで、彼らは南京玉すだれや皿回し、傘回しなどを面白おかしく見せて集客していた。つまり、れっきとした広告宣伝のためのビジネスなんです。南京玉すだれの原型にこだわらず、今後は観光名物を見せる観光玉すだれや季節玉すだれ、民話玉すだれ、人生玉すだれなど、即興も入れながら新バージョンを考えたり、ダンスや演劇とのコラボレーションにもどんどん挑戦していきたいですね。
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――伝統的な芸だからこそ、見直し整備するとまったく新しい玉すだれを演じられるということですか。
さらに玉すだれそのものを変えることもできます。師匠は色つきの玉すだれを開発しました。私は最近LEDを使った光る玉すだれを開発し、意匠登録の申請をしました。玉すだれが赤、緑、青の三色に発光すると目立ちますし、表現できる世界がウンと広がります。現在、日本の玉すだれ愛好者は1万人とも言われていますので、興味を持って購入してくださる方も多いのではないでしょうか。
――南京玉すだれの世界はあらゆる方向へ拡がりそうですね。
私は"ローリスク・ローリターン・生きがいハイリターン"を目指して起業したので、金儲けにはそれほどこだわっていませんが、経済的な視点で見れば、玉すだれには出演以外に物品販売があり、全国のカルチャー教室で教える教育事業もある。イベントを開催すれば当該地域と周辺に大きな経済効果をもたらします。こんなことまで考えられるのは起業したからこそ。個人的には人との繋がりがどんどんできていくのがすごく楽しみなんです。
――最後に将来の目標などを教えてください。
今開催しているのは日本選手権大会だけですが、将来は玉すだれを介して世界の人々と交流を拡げ、ぜひ世界選手権大会も開きたいと思っています。たくさんの人がその催しに参加すると移動のためのバスが要る、開催地では宿泊所が潤う、土産物屋も潤うという具合に他の業界を巻き込んでどんどん産業が活性化します。そんなお役に立てるのは嬉しいですね。私自身は80歳までは現役で玉すだれを演じ続けたいと思っています。

「八房善香の南京玉すだれ」ホームページ


掲載日:2009年4月21日

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