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起業の先人に学ぶ
わくわくする暮らしを提供する町の不動産屋【有限会社わくわく・世田谷不動産】

大手チェーンから個人経営まで、さまざまな規模の店がひしめく不動産業界。2008年8月に開業した「わくわく・世田谷不動産」は、顧客とのコミュニケーションを深め、固定客化することで、他の不動産業との差別化を図っている。

有限会社わくわく・世田谷不動産 代表取締役会長 栗田龍也(くりた・たつや) 1976年8月生まれ。東京都調布市出身。高校卒業後、自衛隊を経て、ハウスメイトに就職。22歳で「ハウスメイト管理最優秀社員表彰」を受賞(1200人中1位)。その後、三井リハウス、HMハウジングセンターを経て、2008年8月、有限会社わくわく・世田谷不動産を設立。

目次

"飲み会"で顧客のコミュニティづくり

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――「わくわく・世田谷不動産」とはユニークな名前ですね。
部屋探しを通じて、お客さんにわくわく感と安心感を提供したいという思いからこの名前をつけました。賃貸物件はいくつもの不動産屋が扱っていますから、部屋そのものはどこの不動産屋へ行っても同じです。であれば、決め手になるのは不動産屋の対応でしょう。当社では、お部屋を紹介するまでだけではなく、住み始めてからもフォローすることでお客さんに喜んでいただこうと考えています。
――具体的にはどんなことをされているのですか?
たとえば、お客さんや取引先を集めた飲み会を頻繁に開催しています。そうした場では、就職前の学生が社会人に就職の相談にのってもらうなど、お客さん同士のコミュニケーションが深まります。つまり、単に住む空間を提供するのではなく、楽しい暮らしを提供することで、お客さんに「部屋探しなら、わくわく・世田谷不動産に頼もう」と思っていただけるのです。
 また、地域密着型の不動産屋として、地元のお店にも喜んでもらえるよう、こうした飲み会を地元のお店で開催したり、お店の紹介キャンペーンを行ったりもしています。加えて、当社の社長は地元の商店街の理事もしており、地元の商店主の皆さんとの交流にも積極的です。
――そうした取り組みの成果はありますか?
部屋が決まった後も、当社の店舗に立ち寄って話をしていくなど、お客さんとの交流が深まり、次の引っ越しの際にも当社を利用してくれるお客さんが増えました。さらに、お客さんが部屋探しをしている人を紹介してくれることも結構あります。
 また、地元の商店主の皆さんとのつながりから、物件を紹介してもらうケースも増えました。

1年半で営業トップになるも大手で結果を出せず

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――起業される前はサラリーマンをされていたそうですね。
21歳の時、好きだった湘南に住みたいと思って部屋を探したら、入居の審査で落とされ、それがくやしくてその会社の入社試験を受けたところ、なぜか受かってしまった。その会社は成果さえ上げれば仕事の仕方は強制されない会社で、その自由さが自分に向いていたのか、1年半ほどで1200人の従業員の中でトップになったのです。
――すごいですね。
とにかく、当時はがむしゃらに働きました。家にもほとんど帰らず、車の中で寝泊まりしていたりもしました。家賃の回収やリフォームの対応から、大家さんの負担を軽減するためにハチの巣とりやネズミ捕りまで、カウンターセールス以外のことは何でもやりました。家賃の回収に行った先で包丁が出てきたり自殺の第一発見者になったりと、なかなか経験できないようなことも経験しましたが(笑)、仕事は楽しく大変だとは思いませんでしたね。
――そのパワーの源は何だったのでしょうか?
頑張れば成果につながるということを初めて実感できたからではないでしょうか。高校生まではたいした努力をしなくても勉強も運動もできたので、がむしゃらに頑張るということがありませんでした。努力が結果に結び付くことが単純に楽しくて、一生懸命になれたのだと思います。
――好成績を残しながらも、その後別の会社に転職されましたが、なぜですか?
名のある大手で挑戦したいという思いがあったからです。でも、結果としては散々でした。というのも、そこでの仕事の仕方がそれまでのスタイルと全く違っていたからです。僕自身はずっと外に出る営業をしていましたが、事務所で自分をバックアップしてくれる人もいるので、自分ではそうした人たちとチームで仕事をするようにいつも心がけていました。けれど、転職した先は、ほとんどが個人単位で仕事をしていたため、僕の方法では成果が出せなかったのです。
――その後、世田谷区の中小の不動産業に転職されましたね。
そこは、3日もてばいいというくらい社長が厳しい会社でしたが、僕はそこに4年勤めました。最初の勤務先の経験が活かせたことに加え、売買の仕事も覚えられたので、仕事は厳しかったのですがやりがいはありました。ただ、経営者の影響力が大きく、ずっとそこに居ても自分が思う通りの仕事はなかなかできないだろうという思いがあったため、独立することにしたのです。

不動産の"よろず相談所"を目指す

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――会社の立ち上げはスムーズにいったのでしょうか?
独立する時には「こんな会社にしたい」というはっきりとしたビジョンはありませんでした。しかも、ネームバリューもありませんから、初めの3年くらいは業績も伸びず、会社を維持するために別の仕事もしているくらいでした。「戦略」がなく「戦術」だけでしたから、毎日怖くて仕方がなかった。50歳、60歳になっても、このまま同じことを続けているのだろうかと不安になり、眠れなくなったことから、当社ならではの事業というものを真剣に考えるようになりました。その結果、現在の方向を目指すことに決めたのです。
――大変だった時、事業をやめようと思わなかったのですか?
大変な思いをしながらも、事業をやめようとは思わなかったですね。探究心が強いタイプなので、ダメな時でも、落ち込むより、むしろ、どうしてダメなんだろうと原因を考えました。それに、どんなに苦しいと思っても、一晩寝ると何とかなるだろうと思える楽観的なタイプでもあるので、途中で投げ出すことはありませんでした。
――今後の事業展望を聞かせてください。
今のお客さんは20代、30代が中心です。ただ、その層は今後、少子化とともに数が減っていくでしょう。ですから、ずっとこの年齢層を対象にするのではなく、現在のお客さんの変わっていくニーズにずっと応えられる不動産屋にしたい。賃貸のことだけでなく、不動産全般に関して何でも相談できる"不動産のよろず相談所"のような存在を目指したいですね。

●会社概要

企業名 有限会社わくわく・世田谷不動産
設立 2008年8月
所在地 東京都世田谷区桜丘2-29-11
電話 03-5426-0244
URL http://www.hienstand.com/


掲載日:2012年11月22日

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