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起業の先人に学ぶ
整理整頓のプロを育成!【一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会】

片づけの本がベストセラーになるなど、片づけや整理整頓に対する関心が高まっている。こうしたなか、片づけや整理のコンサルタントである「ライフオーガナイザー」を育成する団体を立ち上げた女性がいる。

一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会 代表理事 高原真由美(たかはら・まゆみ)
1970年生まれ。徳島県出身。大学卒業後、百貨店の高島屋に就職。在職中の2008年12月に一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会を設立。2009年4月に退職し、(株)ライフオーガナイズを設立。

目次

米国発の片づけ・整理の専門家

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――2009年に日本ライフオーガナイザー協会を設立されましたが、ライフオーガナイザーとはどんな職業なのでしょうか?
ライフオーガナイザーというのは、聞きなれない職業ですが、思考や気持ちの整理も含め、片づけ・整理の手伝いをする仕事です。一般に片付けというと、まず「捨てる」ことが言われますが、ライフオーガナイズは捨てることを第一にするのではなく、住居・生活・仕事・人生等あらゆるコト、モノを効果的に準備・計画・整理し整えることを意味します。顧客は片づけの苦手な主婦をはじめとする女性がほとんどですが、ライフオーガナイザーが30年ほど前から存在する米国では、一般の主婦に加え、SOHOの経営者や大企業まで様々な人や組織がこのサービスを利用しています。
また、米国のライフオーガナイザーの中には、ビジネスパーソンを対象にコーチングのようなサービスをしている人がいるほか、ガレージ専門のように分野を特化している人もあります。さらに、暮らしのダウンサイジングをするシニアをサポートするケースも増えています。日本でも将来、ライフオーガナイザーの仕事はそうした方向に進んでいくものと思われます。
――協会は、具体的にどんな活動をされているのですか?
米国発のライフオーガナイザーという仕事を日本で広めるため、認定試験を主催しています。また、プロを目指す人の講座を設け、開業手続きの仕方、ビジネスプランの書き方などから、法知識、一人目のお客さんの見つけ方など、開業のイロハも教えています。さらに、図面の書き方やブログの人気度を高める方法のほか、すでに活躍している先輩の話を聞く機会を設けるなど、スキルアップの勉強会も実施しています。

好きな仕事で充実した人生を送りたいと起業

――協会を設立される前は百貨店にお勤めだったそうですね。
一生仕事をしたいと思っていたので、女性社員が活躍する高島屋に就職しました。ただ、最初に配属された法人外商部は男性ばかりの職場で、女性である自分にとっては先が見えませんでした。そんなとき、改装の仕事で知り合ったインテリアコーディネイターの女性の先輩が生き生き働いている様子を見て、彼女の所属するインテリアコンサルティング部門へ異動したいと思ったのです。
しかし、希望すれば異動できるというわけではありません。そこで、インテリアコーディネイターの資格を取ったり、洋家具売り場で経験を積んだりしながら、異動希望が認められるようにしたのです。ようやく自分の希望する職場に配属され、やりたい仕事ができるようになった矢先、夫が交通事故に遭い、2年自宅療養しなければならなくなってしまったのです。
――それは、大変でしたね。
ええ。それまでも、ベビーシッターを駆使しながらトップの営業成績を達成するなど、子育てと仕事を両立してきたのですが、そこに看病も加わったわけですから大変でした。ただ、この経験から「人間はいつ死ぬかわからない。であれば、いつ死んでも後悔がないように好きな仕事をして生きていきたい」と思うようになりました。
そんな時、女性起業家の本に出合い、起業という選択肢があることを知りました。ただ、起業するにも、自分は百貨店以外の世界を知らないので、まずは外の人脈を広めようと思い、社外のセミナーへ行くようになりました。そうした中で週末起業という方法を知り、自分もやってみようと思い、メールでインテリアのコンサルティングをする副業を始めたのです。
――それが起業の始まりだったのですか?
そうですね。でも、その仕事の報酬は会社員の時給より安かったので、「これは起業とは言えないのではないか?」と気づいたのです。ちょうどその頃、社外のネットワークを通じて、建築士をしていた現在のビジネスパートナーと出会いました。二人とも片づけが苦手で、「自分たちが思うような片づけができる人が手伝ってくれたら、お金を払ってでも依頼するだろう」という話になり、共通の友人を集めてセミナーを実施したところ、かなりの人数が集まりました。その後、片づけのコンサルティングの利用者はクチコミで増え、多い時は月に20万円から30万円の収入になったのです。

ライフオーガナイザーの育成を目指し協会を設立

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――需要があることが分かったものの、すぐに起業はしなかったのですね。
ええ。ただ、この仕事を自分たちだけで続けたところで、限界があることを感じました。であれば、自分がコンサルティングをするのではなく、それができる人を育てようと思ったのです。そんなとき、米国のライフオーガナイザーの存在を知り、これを普及させようと考え、2008年12月に一般社団法人「日本ライフオーガナイザー協会」を設立したのです。
――協会の設立後、すぐには退職されなかったのですか?
当初は、会社勤めをしながらこの活動を続けていくつもりでした。しかし、翌年の4月に米国で開催されるライフオーガナイザーのカンファレンスに参加するためには、会社員のままだと都合が悪い。しかも、週末起業家として取材されるようになり、社内でも私が会社を辞めるものだという雰囲気が出てきてしまった。そこで、4月の米国行きを機会に退職を決めたのです。
――ライフオーガナイザーの広告宣伝はどのようにしているのですか?
基本的に広告宣伝はしていません。ライフオーガナイザーたちの周りに人が集まる仕組みを作ったのです。まず、片づけや整理の知識に加え、インテリアや建築の知識がある人を30人集めました。そうした教えなくても仕事ができる人たちに0期生のライフオーガナイザーになってもらい、その人たちの仕事を紹介する書籍を作るなど、ライフオーガナイザーの活躍を紹介したのです。そうすることで、これを見た人たちが自分もライフオーガナイザーになりたいと思い、資格取得講座を受講するようになるのです。実際、こうした循環により、これまでに100名のライフオーガナイザーが誕生しています。
――資格取得のための学習ツールはどうしたのですか?
米国の学習教材をもとに、日本の住宅事情などを踏まえて、オリジナルの学習教材を作りました。ただ、片づけの技術や道具などは、どんどん新しくなっているので、今あるものが完成形だとは思っていません。常にブラッシュアップしていく必要があると思っています。

専門分野を持つライフオーガナイザーを育成したい

――協会設立後に会社も設立されましたが何故ですか?
私は協会を設立し、代表理事も務めていますが、協会は私個人の団体ではなく、あくまでもライフオーガナイザーを社会に広めるための公益団体です。私個人の存在が大きくなれば、協会は私を頂点とする家元制度になってしまいます。そうなれば、どんなに技術がある人でも、私個人を超えることができなくなってしまい、その結果、ライフオーガナイザーの技術も頭打ちになってしまいます。そうしたことを避けるためにも、協会と私個人の仕事とを分けたほうがいいと判断し、会社を設立したのです。
――起業してよかったこと、大変だったことはありますか?
これまで大変だと思うことはほとんどありませんでした。むしろ、なぜ起業がこんなに楽しいということを誰も教えてくれなかったのだろうと思うくらいです(笑)。もちろん、業界団体としての責任の大きさは感じていますが、それでも、自分の好きなことを仕事にできる喜びは本当に大きいですね。
――今後の展望を教えてください。
これまでは、片づけが苦手という一般の人をサポートするライフオーガナイザーを育成してきましたが、今年は、ゴミを貯め込んでしまい、それが生活に深刻な影響を及ぼしているような人、機能障害として片づけができない人をサポートするプログラムを米国の団体と提携して始める予定です。併せて、クローゼットに特化したクローゼットオーガナイザーの育成も今年4月から始める予定です。これを皮切りに、他の専門分野に特化したライフオーガナイザーの育成も今後検討していきたいと思います。また、これまでは、協会の基盤を作るための仕事が中心でしたが、今年からは、自分の会社の仕事も増やしていくつもりです。

●会社概要

組織名 一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会
設立 2008年12月
所在地 〒550-0014
大阪市西区北堀江1-22-4 HORIE LUX1301号室
電話 06-4395-5401
URL http://jalo.jp/


掲載日:2012年4月17日

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