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起業の先人に学ぶ
おいしさと安全性で勝負する小さな八百屋【やおや「ONEDROP」】

スーパーなどの量販店に押され、八百屋や魚屋といった昔ながらの店は減る一方だが、あえてこうした店を開業する若者も登場している。京都市の小さな商店街の一角に、こだわりの八百屋「ONEDROP」を開業した小谷亘氏もそのひとりだ。

やおや「ONEDROP」店主 小谷亘(こたに・わたる)
1982年、兵庫県芦屋市生まれ。大学2年生から青果店でアルバイトを始め、卒業後もその店に1年間勤務。2006年5月、民家のガレージを借りて、やおや「ONEDROP」を開業。07年9月、現在の場所に店舗を開設。

目次

スーパーと百貨店の間をいく"こだわりのやおや"

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――やおや「ONEDROP」の概要を教えてください。
店舗面積は6坪と小さいのですが、有機野菜をはじめ、自店の基準に照らして安全と思われるものを全国の契約農家、約100軒から仕入れて販売しています。品揃えは季節により変わりますが、常時50〜60種類、大根や人参といったおなじみの野菜から、わさび菜、生食用のかぼちゃなど、スーパーでは扱っていない珍しい野菜までを取り揃えています。
――有機野菜というと、価格が高く、健康志向の強い人や富裕層が利用するというイメージがありますが、どのような層が利用しているのでしょうか。
商品はこだわりを持って仕入れていますが、百貨店の野菜売り場ほど値段が高いわけではありません。たとえば、水菜一袋が198円というように、スーパーより少し高いくらいです。なので、お客さんもごく普通の方が中心で、近くに住むお年寄りから若者まで幅も広いです。また、一度買ってくれたお客さんは「おいしかったから」「新鮮だったから」と、日常的に利用してくれています。このほか、最近は飲食店の経営者など、業務用に利用するお客さんも増えています。
――開業から2年ですが、手ごたえはどうですか?
おかげさまでお客さんの数も年々増え、月間の売上高も400万円を超えるまでになりました。また、店売りとは別に宅配サービスも行なっており、現在、80人ほどが利用してくれています。最近は経営的にも少し余裕ができ、12月には、新たに人を入れる予定なので、さらに売り上げも伸びる見込みです。

アルバイトから八百屋を開業

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――八百屋、魚屋といった昔ながらの業種はスーパーなどに押され廃業するところが増えています。そうしたなか、なぜあえて八百屋を開業されたのですか。
大学2年生のときに、近所の八百屋でアルバイトをはじめたのがキッカケでした。その店は京都の美山町の作物だけを扱うというこだわりを持った店で、店の経営方針に共鳴していたこともあって、大学卒業後もそこでアルバイトを続けていました。しかし、店の経営が厳しくなり、アルバイトを続けるのが難しくなったため、これからどうすべきかを知り合いの経営者に相談したところ、「ガレージを貸すので八百屋をやってみたらどうだ」とアドバイスされ、自分で店を開くことにしたのです。
――開業資金はどのように調達したのですか。また、仕入れ先はどうしたのですか。
ガレージは無償で貸してもらえたので、店舗の費用はかからなかったのですが、仕入れ資金と車が必要だったので、両親から100万円を借りました。いきあたりばったりで始めたこともあり(笑)、仕入れ先は営業しながら探しました。知り合いからの紹介のほか、HPや雑誌に掲載された農家に連絡を取るなどして、徐々に仕入れ先を増やしてきました。
――07年9月には店舗を移転されましたね。
営業を始めてからわかったのですが、ガレージを借りた場所が、あいにく"住宅街では商売をしてはいけない"という「地域協定」の対象地区だったため、営業開始9カ月後には週末だけしか営業ができなくなってしまいました。このままでは店としても存続できないし、ガレージを貸してくれた人にも迷惑がかかると思い、07年9月、現在の場所に店を開きました。

卸売にも進出し、農家の育成も目指す

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――店舗の運営上、どんなことを心がけていますか。
とにかく、良い商品を探して提供することを心がけています。最初は、素人が"とりあえず始めちゃった"みたいな感じもあったのですが、いろんな生産者の方からいろんな生産物を仕入れるうちに、"この人のこの作物はこの時期に美味しい"ということも分かってきたので、季節を考慮しながら安全でおいしい農作物を仕入れることもできるようになりました。チラシなどの販促も大切でしょうが、まずは、"新鮮でおいしい野菜を提供する"という八百屋の基本を守ることで、お客さんに支持される店になりたいと思います。
新鮮でおいしい野菜を提供するためには野菜の鮮度管理が大切です。うちの店では、古い葉を取る、袋を入れ替えるなど、こまめな手入れを心がけています。また、仕入れてから3日目以降は値段を下げることで、ロス率を抑えながら、新鮮な品揃えを維持できるようにしています。
――今後の事業展望を聞かせてください。
店舗営業のほかに「ベジボックス」という宅配サービスも行なっていますが、増える注文に対応できず、しばらくサービスをストップしていました。最近これを再開したので、今後はしっかりとしたシステムを構築し、増える注文にも対応できるようにしたいですね。
また、最近増えている業務用の需要に応えるために、卸の事業も始めたいと思っています。さらに、良い作物を作る農家を見つけるだけでなく、農家と一緒になって農作物の品質の向上にも取り組んでいくつもりです。

●会社概要

店舗名 「ONEDROP」
所在地 〒603-8172 京都市北区小山初音町16-2
営業時間 10:30〜18:00
定休日 日曜日、祝日の月曜日、年始、GW、お盆
電話 075-493-5612
URL http://www.onedrop-vege.net/


掲載日:2010年2月16日

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