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起業の先人に学ぶ
中古マンションをオシャレに再生し、空室を解消!【株式会社モダンアパートメント】

全国で570万室あるというビルやマンションの空室。万人受けする部屋ではなく、それぞれの入居者が"この部屋に住みたい"と思うような個性的な部屋をプロデュースすることで空室を解消しようというのが、「モダンアパートメント」の渡邊勇三社長だ。

株式会社モダンアパートメント 代表取締役社長 渡邊勇三(わたなべ・ゆうぞう)
1976年生まれ。大阪府出身。建設会社で賃貸マンション建設の営業に携わったのち、2006年1月、モダンアパートメントを創業。同年7月に法人化。

目次

工務店や設計事務所を束ねて再生をプロデュース

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――賃貸マンションのリノベーションを手掛けておられますね。
当社では中古マンションの価値を高めることで空室を解消するサービスを提供しており、その大きな柱が部屋の仕様を変えるリノベーションです。たとえば、子どもが多かった時代に作られたファミリータイプの2LDKを、リビング・ダイニングを大きくとった1LDKに変えることで、最近増えているDINKS(子どものいない夫婦)の需要を掘り起こすことができます。
従来、こうした「空室解消策」は工務店、設計事務所、不動産業者が単独で行なっていましたが、当社ではこれらの業種をパートナーとしてとりまとめ、対象となる物件の現状分析からバリューアップ方法の企画、コストコントロール、仲介会社との連絡までの一連の業務を請け負います。これにより、依頼者の希望に沿った部屋への再生を迅速かつ低料金で実現できるのです。
――これまでに手掛けた件数はどのくらいですか?また、効果も教えてください。
創業からの累計の受注件数は、4期の第一四半期が終わった時点で230件。前期末(09年5月末)で168件でしたので、受注件数は順調に増えています。手掛けた物件の平均入居率は96.8%、平均家賃アップ率は27%、平均空室解消期間は2〜3カ月となっており、オーナーにはリノベーションの効果を高く評価していただいています。
――競合他社との差別化のポイントを教えてください。
当社の事業は特許ビジネスではないので、競合他社との差別化は難しいのですが、企画から完成まで他社よりも迅速に対応できるスピード感を大切にすることで中古マンションのバリューアップビジネスでトップブランドを狙っていくつもりです。

築30年のマンションを流行りの店風に再生

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――事業を思いついたのは建設会社で営業をされていたときだそうですね。
いろんなお客様と接するなかで、新しいマンション建設を勧めるだけでなく、中古マンションの空室解消策も必要だと感じていました。ファミリー向けの賃貸マンションは不特定多数を対象にするため、「無難なデザイン」で、間取りも子供が多かった時代の大家族向けのままです。一方、単身者向けのワンルームマンションは1部屋が6帖から10帖程度の大きさしかありません。
そこで、「もっと広くて個性的な賃貸マンションがあれば、空室だって解消できるはずだ!」と考えた私は、ある大家さんから築30年のマンションの一室を借り、自分で費用を負担して改装することにしたのです。ただし、予算はほとんどなかったので、費用がかからない方法を工夫し、また、工事も自分で行なうことで、ほぼ材料代だけで改装を実現しました。
でき上がった部屋はアジアンダイニングレストラン風の部屋でした。ホームパーティーを開き友人に感想を聞くと、男性も女性も"こんな部屋なら住みたい"、"もっと高い賃料であっても住みたい"と言ってくれました。こうして築30年のマンションの部屋が若者から絶賛される部屋に生まれ代わったことで、「これはビジネスになる!」と感じたのです。
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――勤務先の一事業として取り組むことは考えなかったのですか。
じつは、役員会で「古いマンションをリノベーションする事業が必要だ」というプレゼンをしたのですが、「個性的な部屋は万人に受け入れられない。誰が住むかわからない賃貸マンションには無理」と却下されてしまったのです。であれば、自分でやろうと思い、起業する道を選んだのです。

3カ月間引き合いなし。資金も尽きそうに

――起業の準備はどのようにされたのですか。
準備期間は1年ほどでした。退職金や保険を解約したお金、貯金をかき集めて400万円準備し、そのうち、資本金に200万円を充てました。周囲に起業家の知り合いはいなかったため、産業創造館のセミナーなどで情報を得たほかは、すべて試行錯誤しながら自分で考えてやってきました。
――事業の立ち上がりはどうでしたか。
リノベーション事業は手掛ける会社も数社しかなく、市場も確立されていないため、最初は大変でした。ファックスのダイレクトメール(DM)を作って、全国の管理会社8500社に来る日も来る日も送っていましたが、3カ月くらいは全く反応がありませんでした。
収入がない一方で、家賃や通信費などの費用は否応なく出ていくため、一時は手元資金が12万円だけという厳しい状態にもなりました。精神的にもかなりしんどかったのですが、幸い、起業から3カ月目にようやく最初の受注を獲得することができました。

中古物件のバリューアッププロデュース業を目指す

――現在の業況はどうですか?
現在、各地でセミナーを開催しており、その効果もあって、営業をしなくても毎日全国から問い合わせをいただいている状況です。受注件数も増え、3期目には黒字を達成しました。この8月には東京にも支店を開設し、関東地区での事業展開もスタートしています。
――今後の展望を聞かせてください。
年間150〜200件のペースでリノベーションを実現していきたいですね。また、狭小ワンルーム向けに液晶TVがついた部屋を企画・提案する事業など、リノベーション以外の新規サービスも増やしていく予定です。さらに、マンションだけでなく、事務所などの再生にも取り組む予定で、将来は『中古収益不動産のバリューアップに特化した企画プロデュース会社』を目指す計画です。

●会社概要

会社名 株式会社モダンアパートメント
設立 2006年7月
所在地 〒530-0047 大阪市北区西天満2-8-5 西天満大治ビル2F
電話 06-6314-7415
URL http://www.m-apartment.co.jp/


掲載日:2010年1月19日

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