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クラフトビールに特化したセールススタッフ教育ビジネス【Civilization of Beer Inc.】

今、ニューヨークではクラフトビール(少量生産の地ビール)が台頭しており、ビールのバリエーションがグンと広がった。リカーストアにはさまざまなデザインのビールのボトルが並び、自家製ビールが売り物のビアホールやパブも人気だ。

Civilization of Beer Inc.社長 サミュエル・メリット
10年間のクラフトビールのセールスとブランドマネジメントの経験から、クラフトビールの普及には関係者に対する教育が欠かせないという結論に達し、2006年、シビリゼーション・オブ・ビアを設立。

目次

クラフトビール台頭の背景

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――シビリゼーション・オブ・ビアを設立した理由と目的は何ですか。
よく味が知られている大量生産のビールとは異なり、種類も味もさまざまなクラフトビールは、正しくプレゼンテーションができないとその特徴やおいしさが伝わらず、小売店に買ってもらえません。同様に、小売店やレストランでも、お客に説明できないと売り上げにつながりません。そこで、クラフトビールのセールススタッフに教育を行なうというニッチがあることに気づき、このビジネスをはじめました。
また、レストラン業界においてワインは確固たる地位を築いており教育も十分にされていますが、ビールに関してはまだまだです。この差を縮めることも大きな目的です。
――クラフトビールの定義と、クラフトビール台頭の背景は何ですか。
クラフトビールとはいわゆる地ビールのことで、アメリカにはかつて多くのマイクロブルワリー(※)があったのですが、大手企業に統合され、70年代には67のブルワリーがビールのすべてのブランドを傘下に収めていました。78年にカーター大統領の元で自家製ビール製造が合法化されると、地下室やガレージなどで趣味でビール作りをする人たちが増え始め、その中から自家製ビールでビジネスをするビアパブが台頭し、数十年経って、クラフトビールの市場ができてきました。
 ※ブルワリー:ビールなどを醸造する場所
――フルーツ、ナッツ、コリアンダーなど、さまざまなフレーバーやアロマのビールがありますが、これが今のクラフトビールのトレンドですか。
これはむしろ、リバイバルと言ったほうが正しいと思います。もともとビールが造られ始めた頃は、身近で手に入る穀類やスパイスを入れてビールを造っていたのです。

ビールの教育レベルをワイン並みに引き上げる

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――クラフトビールを扱う魅力・メリットは何ですか。
ベーカリーの焼きたてのパンがおいしいように、ビールも作り立てが格別です。ビールは価格に占める運送費と税金の割合が高いので、運送コストがかからない地元で生産されたビールの販売は高いマージンを得ることができます。
――サービスについてご説明ください。
現在はレストランや小売店を対象に、クラフトビールの教育やコンサルティングサービスを行なっています。また、プライベートのパーティや会社のイベントなどで、ビールのペアリング(ビールとそれに合った料理を楽しむ)サービスも提供しています。本格的なディナーのコース料理から、チーズプレートとさまざまなビールを楽しむ趣向など。予算は一人15ドルから200ドルくらいまで、目的や人数に合わせて対応しています。
ビールのペアリングで意外にイケるのは、チェリーやラズベリーなどのフルーティーなビールとチーズケーキ。フルーツとチーズケーキは元々相性がいい上に、ビールの泡がチーズケーキのこってりした味を適度にカットしてくれるんです。
――今後の目標についてお聞かせください。
長年ビールの販売をしてきて強く感じるのは、小売店やレストランにおけるビールに関する教育が不十分なことです。一流の料理学校でもビールについてのトレーニングを行なっていません。私の当面の目標は、ビールの教育レベルをワインのレベルまで引き上げることです。

●会社概要

会社名 Civilization of Beer Inc.
所在地 PO Box 269Pine Island, NY 10969
電話 917-952-6211
E-mail
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掲載日:2009年11月 4日

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