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起業の先人に学ぶ
日本女性の足にフィットするおしゃれな靴を輸入・販売【株式会社テラス】

古くから靴を履く習慣があるヨーロッパでは、デザイン・品質の両面で日本より優れた靴が多い。しかし、日本人の足の形は欧米人と異なるため、ヨーロッパ製の靴はなかなかフィットしない。そうした問題を解決しようと開業した靴店が、テラスだ。

株式会社テラス 代表 森田祥子(もりた・さちこ)
1977年、兵庫県生まれ。甲南女子大学を卒業後、監査法人、シャネル勤務を経て、2007年2月、(株)テラスを設立。

目次

靴の悩みを解決したいと起業を決意

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――2007年7月に輸入靴店を開業されましたが、お店の特徴を教えてください。
ヨーロッパ製の靴は、サイズが豊富なうえ、デザインもおしゃれで作りもしっかりしています。しかし、欧米人の足の形に合わせて作ってあるため、たとえば、日本人が履くと、かかとの位置が合わないというように、履きにくいという問題があります。
そこで、当店では、ヨーロッパの展示会に出向き、最新のデザインの靴で日本人の足に合った木型で作った靴を選んで輸入し、販売しています。 さらに、形状や厚さの異なる中敷などを使って足にフィットするように調整したり、外反母趾の場合は、骨があたる部分の靴幅を拡げたりするなど、お客様の足に合わせて靴を補正しています。
また、買ったときと1年履いた後とでは、靴のなじみ具合も違うため、無料でリフト交換を行なうなど購入後のアフターフォローにも取り組んでいます。
――起業されたキッカケは何だったのですか。
じつは、私は、足のサイズが大きいため、日本製の靴では、気に入ったデザインがあってもサイズが合わないということがよくありました。一方、ヨーロッパ製の靴は、サイズは豊富なのですが、欧米人向けのつくりであるため、日本人の私に合う靴を選びだすのが難しく、いつも、靴選びに苦労していました。
そうした経験から、「私以外にも、足に合わない靴を無理して履いている人が多いのではないか」と考え、「日本人に合う輸入靴を提供すれば、足に合わない、サイズがないといった靴の悩みを抱える人たちのニーズに応えられるのではないか」と思い、起業を決めたのです。
――起業される前は、有名ブランドで靴を担当されていたそうですが、なぜ、あえて起業という道を選ばれたのですか。
お客様の足に合わせて靴の中敷を入れ替えるといった調整は、店頭で履き心地などを確認しながら行なう必要がありますが、有名ブランドの場合、靴のデザインやつくりそのものに価値があるため、売り場で勝手に靴に手を加えることは難しいのです。
また、有名ブランドの靴は、価格も高いため、誰もが手軽に買えるものではありません。お客様の要望に細かく対応でき、また、私と同世代(30代)でも買えるような価格の商品を提供するために、起業という方法を選びました。
――起業する上で苦労されたことはありますか。
勤務先では、靴の販売経験はありましたが、それ以外のことは未経験だったため、経営計画の立て方から、一回に仕入れる靴の数とか、わからないことばかりで、事業計画書だけでも、完成までに20回も書き直さなければなりませんでした(笑)。
また、起業を決めてからも半年間は仕事を続けていましたので、起業の準備は休みにしかできず、平日は仕事、休みは起業の準備と、慌ただしい毎日でした。さらに、普通のOLぐらいの貯蓄しかありませんでしたから、両親に出資を頼んだり、国民金融公庫に融資をお願いしたりと、資金調達にも奔走しました。
――わからないことが多いなかでの起業というのは、不安ではなかったのですか。
そうですね。何足仕入れるためには、仕入れ資金がいくら必要でといった具合に、事業計画に基づいて資金繰りを考えたりと、開業までの準備は大変でしたが、起業の指導をしてくれた関西創業サポートセンターの方も金融機関の方も、みなさん親身になって相談にのってくれました。また、商社の方やセレクトショップチェーンの方なども、仕入れなどについて教えてくれました。
「わかりません。だから、助けてください」と声に出して言えば、いろんな人がいろんな方法で助けてくれることを経験してからは、たとえ未知な分野でも、何とかなるものだと感じました。

客の半数がリピーター。口コミでの利用も

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――開業から2年近くになりますが、現在の営業状況は、どうですか?
輸入靴というと"高い"というイメージがありますが、当店の商品は、2万円台から3万円台と、百貨店が展開しているものより少し高い程度に抑えてあり、私と同世代(30代)の女性でも少し背伸びをすればお求めいただけるもので、実際その世代の方の利用が多いですね。購入点数は、ほとんどが1足ですが、なかにはまとめて買われる方もあり、一度に5足買われた方もありました。また、一度購入されると、「ほかの靴は履けない」とおっしゃる方も多く、お客様の半数近くがリピーターです。
販売は、大阪の心斎橋にある実店舗と、インターネットで行なっており、売り上げの4分の1をインターネットが占めています。商圏は、実店舗が関西一円、ネット通販では、とくに東京、名古屋、福岡のお客様のご利用が多くなっています。
月間の売上高は、月によって変動しますが、だいたい200万円台から300万円台です。07年秋以降、金融危機の影響も出てきましたが、円高がプラスに働いていることもあり、大きな落ち込みはありません。
広告宣伝は、開業当初は、いろいろ試みましたが、現在は、プレスリリースをして記事として採り上げてもらうという方法がほとんどです。ファッション誌などで採り上げられたときはお客様も増えますが、なんといっても一番多いのは、お客様の紹介ですね。
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――店舗運営上心がけていることはありますか。
心がけているのは、"この人から買ってよかった"とお客様に思っていただけるようになるということです。小さな店で小回りが利く分、お客様の要望はどんどん受け止めていきたいと思っています。
――今後の事業展望を教えてください。
今年の冬までに、新規出店の計画を決め、来年中に1店舗出店できたらと思っています。出店場所は未定ですが、ネット通販では、東京はもちろん、福岡、名古屋のお客様も多いことを考えると、一気に東京に進出するのではなく、大阪の近くから徐々に出店していくという方法もあるかもしれません。
将来的には、ヨーロッパから靴職人を呼び寄せ、高品質な"メイドインジャパン"の靴を販売したいと思っています。それが実現できれば、関税もかからず、百貨店と同等の価格で高品質な靴を提供できるため、これまで以上にたくさんの人に利用してもらえるものと考えています。

●会社概要

会社名 株式会社 テラス
設立 2007年2月
所在地 〒542-0083大阪市中央区東心斎橋1-14-19
電話 06-6155-5138
FAX 06-6155-5139
URL http://www.terrace-japan.com/


掲載日:2009年7月 7日

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