起業の先人に学ぶ

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ニューヨークに1件だけの日本酒専門店【SAKAYA】

数年前からニューヨークでは日本酒がブームで、ワインショップに日本酒売り場が設けられたり、有名フレンチレストランなどでも日本酒テイスティングメニューを出すようになって久しい。そんな状況下、ようやくニューヨーカー待望の日本酒専門店がオープンした。

SAKAYA 代表取締役 Rick Smith(リック・スミス)
Food & Wine Magazineの共同発行者として広告、セールスに携わったのち、2007年12月、日本人の妻とともに、ニューヨークのマンハッタンにニューヨーク初の日本酒専門店をオープンさせる。

目次

こぢんまりとした日本酒ブティック

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――日本酒専門店を始めようと思った経緯についてお聞かせください。
10年ほど前に初めてプレミアム酒を味わって驚きました。まずい酒しか飲んだことがなくて、日本酒はまるでガソリンみたいな味だと思っていたので。それまではワインに凝っていたのですが、これならワインに勝るとも劣らないと思いました。
ところが、酒がブームになっているのに、意外にもニューヨークには日本酒の専門店がないのです。全米でも専門店となるとサンフランシスコに2件あるだけ。妻も日本酒に対して同じような情熱を持っていたので、それなら私たちで専門店を始めようと。
――イーストビレッジという場所を選んだ理由は?
この辺りは日本のスーパーやレストランが多く、ちょっとした日本コミュニティ。また、小さなブティックが多いエリアでもあります。小さな日本酒ブティック、または日本酒のギャラリーのような店を考えていたので、この場所を選びました。

日本酒と料理の相性を追究

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――客層はどうですか。
アメリカ人7割、日本人3割くらいでしょうか。また、世界中からもお客さんが来ます。ロシア、ブラジル、スウェーデン、カナダなど。日系人が多いのに日本酒が手に入らないので、ブラジルからも買いにくる人も多いです。日本酒の美味しさはニューヨークではだいぶ知られるようになってきたとはいえ、ここで試飲して初めて日本酒の美味しさを知る人も、いまだに少なくありません。銘柄は130種類ほど扱っています。初めての人でも飲みやすい、ライトでクリーンな味のお酒の売れ行きがいいですね。
私は日本食に限らず、さまざまな料理で日本酒を味わうことをお客さんに勧めています。妻は日本食以外にもイタリアンやフレンチも得意なので、ふたりでさまざまな料理と日本酒との相性をいろいろ試しています。ブリーチーズなどのソフトチーズが意外に日本酒と相性がいいようです。ポロニエソース(ミートソース)のトマトの旨味ともよく合うと思います。
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――日本酒の試飲イベントをよく行なっているようですね。
去年1年間だけでも30〜40回、試飲会を行ないました。ブログでこの店を知った日本の蔵元がコンタクトしてきて、蔵元が直々にここで試飲会を開催してくれるのです。私たちはここをラーニングセンターとして、日本の文化、食べ物、日本酒のカルチャーなどを紹介して行きたいと考えているので、日本から日本酒のメーカーが来てくれるのはとてもありがたいです。
――この不景気でレストラン業界も打撃を受けているようですが、日本酒の売り上げには影響は出ていませんか。
これまでのところ、景気後退の影響は出ていません。1年前の同時期と比べても売り上げは15%伸びています。時期的には、やはりサンクスギビングから1月半ば頃までのホリデーシーズンによく売れますね。

●会社概要

会社名 SAKAYA
代表取締役 リック スミス
所在地 324 East 9th Street, New York
電話 1-212-505-7253
URL http://www.sakayanyc.com/


掲載日:2009年6月 2日

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