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起業の先人に学ぶ
自立する農業を支援する『おこめナビ』【NPO法人TINA】

低下する食糧自給率、輸入食材の安全問題、事故米問題など暗いニュースばかりを目にするが、そんななか、生産者や消費者の食卓に元気と安全を届けるサービスが注目を集めている。それが特定非営利活動法人TINAが運営する『おこめナビ』だ。TINAの代表、秋葉氏にその活動について伺った。

NPO法人TINA 代表理事 秋葉秀央
1980年9月千葉県の農家に生まれる。IT関連企業に入社し、「おこめナビ」インターネットサイトを立ち上げる。2004年1月特定非営利活動法人TINA設立、代表理事就任。

目次

消費者のための米作り

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――『おこめナビ』のサービス内容をお教えください。
『おこめナビ』は、無農薬のお米や玄米などの通信販売と、お米の歴史や品種について情報発信をしているサイトです。お米を生産している農家の方々がご自身の手で簡単にホームページ製作、記事作成、写真アップロード、注文の受発注を行なえるもので、これらの通販システムを生産者に対して無料で提供しているんです。お米農家さんの活動や想いを自身の手で伝えることで、消費者の方にも安心やこだわりを感じていただけると思います。
消費者の方からのお申し込みは『おこめナビ』が第一窓口となり、すぐに生産者の方へ自動転送されます。注文を受けた生産者は、精米作業をし、1〜3日以内に発送します。
『おこめナビ』はあくまで生産者と消費者をつなぐ窓口となっているだけで、手数料などは一切いただいていません。インターネットというツールを使い、お米生産者に「消費者のための米作り」を実現してほしいという思いを、形にしたものが『おこめナビ』なんです。
――通販の手数料は取らず、ホームページ製作も生産者自身で行なう場合は無料ということですが、どのように運営しているのですか。
『おこめナビ』はお米生産者の方々に、消費者とダイレクトに接してもらい、「消費者のための米作り」をしていただきたいという思いから、手数料などはいただいていません。できるだけ安く、美味しいお米を消費者に届けていただきたいからです。TINAの収入源は、通販をする際の米袋を生産者の方へ購入いただいています。
お米生産者の1軒1軒が独自に仕入れずに、TINAで『おこめナビ』に参加いただいているお米生産者の方用にまとめますので、かなり安く提供できていると思います。ただ、これも強制ではなく、希望いただいた方のみに販売しています。また、この米袋には『おこめナビ』の活動に賛同いただいた企業の広告を載せています。この広告収入もTINAの収入源になっています。その他にはブランド米の企画や立ち上げプロジェクトのサポートなどをさせていただいています。

食卓の安全と米農家に元気を与える

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――そもそも『おこめナビ』を始められたきっかけはどのようなものだったのですか。
もともと実家が農家だったんで、小さい頃から農業というものに触れながら育ったんです。九十九里浜の近くで米農家をやっていて、当時の千葉県で作られるコシヒカリは魚沼産の混ぜ米として利用されていたんです。それが私が小学校1年生の時に法律が改正され、これまでのようにはいかなくなり、今後米農家は厳しくなるということで、うちは思い切って離農し、ペンションを始めたんです。周りでも離農される農家をみてきたので、小さいながらも何とか農業を救いたいという想いはあったと思います。
大学卒業後はIT関連の企業に就職していたんですが、この時代の最先端のITと農業をつなげて何とか農家を救えないかと考え始めたのが『おこめナビ』のキッカケなんです。
始めた頃は農家集めに苦労し、田植え時期にテントを積んで南から北まで会員を募って旅をしたものですが、NHKの番組で活動を紹介してもらったのをキッカケに協力いただける農家も増え始めたんです。立ち上げ当初は業務用の販売をメインに行なっていて、2005年の春頃は都内300店舗くらいに販売をしていました。
自然食レストランなどに向けて、産地で精米してお店にお届けしていたんですが、飲食店などの急なご要望にお応えするためには、倉庫で在庫を持って対応しなければならなくなってしまったんです。そうなると産地で精米、新鮮なお米をお届けというものも難しくなってきて、普通のお米屋さんと変わらないようになってしまったんです。
米農家が想いを込めて作った美味しいお米を消費者に届けたいと思って始めたんですが、徐々にただのお米屋さんになってしまってきていたので、業務用の事業は譲渡し、一般消費者にダイレクトで販売できる『おこめナビ』を再度強化し始めました。
――現在の活動状況はいかがですか。
現在は会員になっていただいた農家も400名以上になり、最近では農協も『おこめナビ』に掲載いただいています。農協で集めたお米には、各農家でこだわりを持って作られた有機米なども含まれていますが、農協で販売するには量が少ないので、このお米を『おこめナビ』を通して販売しています。最近では日本農業新聞にも掲載いただいたりしていますので、農家の方々に関心をもっていただけているようです。
――今後について教えてください。
今後はひとり暮らしの女性向けのお米の販売を考えています。ひとり暮らしの女性はお仕事などで忙しいですし、スーパーやお米屋さんで購入する暇もない方が多いようなんです。そういう方に手軽に買っていただけるように、ペットボトルにお米を入れて気軽に買っていただけるようにできないかと思っています。500mlのペットボトルにお米を入れると3合くらいですので、ひとり暮らしの女性にはちょうど良いくらいかと思っています。置き場所にも困りませんし、冷蔵庫での保管もしやすいので、ニーズがあるのではないかと考えています。
ほかにもボランティアを行なうともらえる地域通貨を発行している団体などとコラボレーションできればと考えています。ボランティアをして得た地域通貨を『おこめナビ』で使っていただけるよう現在、調整を進めています。
 いろいろな活動を通じて、食卓の安全と米農家に元気を与えていけたらなと思います。

●会社概要

法人名 特定非営利活動法人TINAおこめナビ事業部
法人設立 2003年12月(2003年7月より「おこめナビ」サービス開始)
理事 理事長:秋葉秀央、理事2名
社員数 10名(契約社員およびパート従業員を含まない)
所在地 千葉県山武郡横芝光町木戸8559-1
連絡先 TEL/FAX:0479-84-3335
個人会員 2857人(2007年1月1日現在・インターネット無料会員含む)
ホームページ http://www.okomenavi.jp/


掲載日:2008年12月 9日

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